天候により利益率が左右される

引用：（中部電力「発電所レポート（第3回）メガソーラーたけとよ」）

上記グラフは、時刻ごとの発電量を天候別にあらわしたもの。このように、収益性が天候に大きく左右されることこそ、太陽光投資における最大のデメリットです。

誰でも同等の利回りが達成できるというのは、一方で「誰にも利益率がコントロールできない」ということと同じ。太陽光を利益の源泉とする特性上、天候の影響は避けて通れないリスクだといえます。

災害による設備損壊のリスクがある

太陽電池パネルは、あらゆる災害を想定して強固に設計されています。台風や豪雪など大抵の自然災害には耐えられるので、簡単に破損することはありません。

しかし、想定を遥かに超える大地震や洪水など、耐久性能が及ばない災害に遭遇することも考えられます。下記画像にあるような災害保険は存在するものの、損失全てを補填できるわけではないため慢心してはいけません。

被災レベルの目安を可視化した「ハザードマップ」を活用して、発電設備の設置エリアを考えるなどのリスク管理意識が求められます。

固定買取終了後は電力の買取価格が安くなる可能性

太陽光投資は固定価格買取制度により、20年間の安定収入が約束されています。しかし、20年経過したあとの買取価格は保証されておらず、売却価格を小売電気事業者とのあいだで取り決めなければなりません。

これにより、20年目以降は収益性が低くなると予想する意見が多く、最終的に設備廃棄や自家消費を視野に入れている投資家もいるほど。現状、保証期間外に突入した太陽光投資の例はないため、この問題は太陽光投資における最も不明瞭なリスクといえます。

電力買取価格の基準が低下しつつある

産業用設備で発電した電力の買取価格は、2019年1月時点で「18円＋税」です。

これは、2012年度の買取価格と比較して半額以下。これにより「太陽光投資はもう儲からないのでは？」と思われがちです。

しかし、年を追って太陽電池パネルの導入コストも低下しており、2012年から2017年にかけて「1kwあたりの設備費用」が12.6万円も安くなっています。数年前まで数十万円したテレビが現在は数万円で買えたりしますよね？太陽光パネルも導入数が増えて一気に安くなったんです。

引用：（経済産業省「平成 30 年度以降の調達価格等に関する意見」）

くわえて技術レベルの向上により、発電効率や耐久性も高まっているため、実質的な収益性が半減しているわけではないのです。

長期運用を前提としている太陽光投資において、設備故障が少なく高品質であることは重要といえるので、むしろ現在は「安心して投資できる水準」になったのだと考えられます。

ただ、年々電力の買取価格は下がっていますので、数年後に始めたとしても「利益が全然でない。。。」ということもあり得えます。

融資の利用は「多額の借金」と同じ

融資により投資規模を大きくできるのはメリットである一方、完済するまでの期間はずっと「借金をしている状態」になります。

融資段階で余裕のある返済計画を立てたとしても、不測の出費による負担増加へのプレッシャーは消えないもの。借金はネガティブに捉えられやすいため、家族から反対される可能性もあります。

また、数百万を超える借入をしている場合、金利変動による返済総額の振れ幅が大きいです。現状は低金利が続いているものの、いつ金利上昇が始まるのか分かりません。

金利上昇に耐えられる返済計画を立てる、もしくは固定金利型の融資を駆使しつつ、確実に借金を返せる状態を作ることが大切です。

多くの魅力を持つ太陽光投資は、上記のように少なからずデメリットやリスクを抱えています。挙げられるデメリットの大部分は、投資家自身の努力が収益性に反映しづらいというもの。

見方によっては「誰が運用しても結果に差が出づらい」というメリットだと捉えられますが、全てをコントロールしたい投資家にとっては不自由だといえます。

そこで、皆さんに最適な投資手段を選んでいただけるよう、つぎのページでは「他の投資との比較」を解説。「私に向いているのは太陽光投資なのか？」という疑問に答えつつ、各投資がどういったニーズに適しているのかご説明します。