2019.09.24 Sep
更新日時:2020.02.03 Mon
太陽光発電の「利回り」とは?表面・実質利回りの違いや相場観を解説
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投資をするにあたって、重要となるのは「利回り」…つまり、投資に使ったお金が、年間でどのくらい増えるのかという数字です。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあります。これらの違いを把握しておかないと、想定していた収益を得られないといったトラブルになりかねません。
そこで今回は、太陽光発電投資における表面利回りと実質利回りの違いについて解説していきます。
また、一般的に「安定した収益が得られる」といわれる太陽光発電投資の利回りがどのくらいなのか、他の投資商品との比較もしていきますので、あわせてご参照ください。
目次
1.太陽光発電投資の「利回り」とは?
利回りは、投資費用に対するリターンの大きさを示す指標です。太陽光発電投資の場合、利回りは以下のように算出します。
利回り(%)=年間収入÷太陽光発電所の取得費用×100
例えば、年間収入が200万円で、太陽光発電所の取得費用が2,000万円なら利回りは10%です。
10%=200万円÷2,000万円×100
こういった計算方法で算出できる利回りは「表面利回り」と呼ばれており、簡易的に利益率を求めるとき利用されます。
一方、実際に近い利益率を算出する場合は、次章で解説する「実質利回り」を利用するため、ケースバイケースで使い分けることを推奨します。
なお、表面利回りを計算する際、取得費用に土地代や工事負担金が含まれていなければ、表面利回りが過剰に高い数値になるため注意してください。
スマエネに掲載している物件は、いずれも土地代や工事負担金を考慮しているので、安心して物件選びにご利用いただけます。
(1)「表面利回り」と「実質利回り」の違いとは
太陽光発電投資における表面利回りは、前述した通り「年間収入」と「取得費用」を使って計算するものです。
これら2つの要素に加えて、実質利回りでは「ランニングコスト」を含めた計算を行います。太陽光発電投資のランニングコストには、以下のような費用が該当します。
- メンテナンス費用
- 損害保険料
- 固定資産税
- ローンの利息
- 各機器の交換費用
太陽光発電投資の実質利回りは、これらの費用をランニングコストとして下記の計算式を使い求めます。
実質利回り(%)=(年間収入−ランニングコスト)÷太陽光発電所の取得費用×100
年間収入を150万円、ランニングコストを30万円、太陽光発電所の取得費用を1,500万円とする場合、実質利回りは次の計算から8%であることが分かります。
8%=(150万円−30万円)÷1,500万円×100
なお、これらは実質利回りの基本となる計算式であり、実際はより細かい以下のようなシミュレーションが理想的です。
スマエネでは、こういった20年分の詳細なシミュレーションシートを用意しています。各案件のページから閲覧できるので、太陽光発電投資の収支を細かく把握したい場合にご活用ください。
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(2)表面利回りと実質利回り、どう使い分ける?
実質利回りは、実際の利益率を把握できる優れた計算方法ではあるものの、「表面利回りの算出より時間を要する」という短所があります。
そのため、大まかに収益性を比較するときに表面利回りを使い、購入候補が絞れた段階から実質利回りをもちいることで、効率的な物件選びができるよう使い分けることを推奨します。
2.事例からみる表面利回りと実質利回りの計算方法
これらの説明をもとに、実例として「熊本県菊池郡案件」の表面利回りを計算します。
熊本県菊池郡案件の基本情報 |
|
FIT単価(税込) |
15.4円/kWh |
初年度想定発電量 |
117,497 kW |
初年度想定売電収入(税込) |
180万9,454円 |
販売価格(税込) |
1,750万円 |
表面利回り |
10.3% |
このうち、表面利回りの計算にもちいるのは、年間収入(初年度想定売電収入)と取得費用(販売価格)です。それぞれの値を、前述した表面利回りの計算式に挿入していきます。
10.3%=180万9,454円÷1,750万円×100
物件情報のページに記載されている通り、表面利回りの10.3%を求められました。
では、次にランニングコストを加味した実質利回りを計算していきましょう。実質利回りに必要な項目は、以下の通りです。
熊本県菊池郡案件の収入・ランニングコスト |
||
20年間の売電収入(税込) |
3,452万586円 |
|
ランニングコスト |
メンテナンス費 |
226万8,000円 |
損害保険料 |
80万円 |
|
固定資産税 |
153万3,317円 |
|
地代・賃料 |
100万円 |
|
ローンの利息 |
330万3,640円 |
|
20年間のランニングコスト合計 |
890万4,957円 |
|
20年間の売電収入-ランニングコスト |
2,561万5,629円 |
※年間のメンテナンス費をパネル容量×1,000円、低圧物件の損害保険料を4万円/年と想定。
これらの数値をもとに、実質利回りは以下の計算式で求められます。
実質利回り(%)=(年間収入−ランニングコスト)÷太陽光発電所の取得費用×100
ただし、今回は「20年分の売電収入」と「20年分のランニングコスト」をもちいて計算する都合上、1年あたりの実質利回りに直すために20年で割ります。
(20年分の売電収入−20年分のランニングコスト)÷太陽光発電所の取得費用×100÷20年
そのため、計算式は次のようになります。
7.318%=(3,452万586円−890万4,957円)÷1,750万円×100÷20
これにより、実質利回りが約7.32%であることが分かります。
3.他の投資と比べてお得?利回りやメリット・デメリットを比較
この章では、太陽光発電投資と他の投資を比較したとき、利回りやメリット・デメリットにどういった違いがあるのかご説明します。
(1)太陽光発電投資の特徴を他の投資と比較
太陽光発電投資は、他の投資に比べて次のようなメリットを持っています。
- 安定して収入を得られる
- 運用にかかる手間が少ない
不動産投資のように空室による収入減少はなく、株式投資やFXのように細かな分析は不要です。
ただし、太陽光発電投資には、以下のデメリットがともなうことも考慮しなければなりません。
- 必要な初期投資額が大きい
- 短期間のうちに大きな収入は得られない
各投資をイメージ図にすれば、下図のようにあらわせます。
★が多いほど、優れていることを意味しています。
太陽光発電投資の表面利回りは10%、実質利回りが6~8%であるのに対して、他の投資は運用利回りが3~5%あれば上出来といわれる程度。
上図における株式投資、不動産投資やFXの高い利益率は、デイトレードや中古物件の運用など「リスクを取った場合の最大値」を想定しています。
そのため、安定感を重視しつつ実質利回り6~8%を狙えるのは、太陽光発電投資のみだといっても過言ではありません。
より詳しい比較は、以下の記事をご参照ください。
(2)その他の太陽光発電投資のメリット
各投資と比較して挙げられる強みだけでなく、他にも太陽光発電投資にはいくつかのメリットがあります。
- ローンを利用して大規模な投資ができる
- 相続税対策として活用できる
太陽光発電投資は、数少ない「ローンを利用できる投資」です。
不動産投資にもローンは利用できますが、空室が続いて無収入になれば返済は難しくなるため、借入額の完済までプレッシャーを背負わなければなりません。
その点、太陽光発電投資は安定した収入を得られるため、基本的には滞りなくローン返済ができます。
また、太陽光発電所は相続税対策に活用できる点でも優秀です。
太陽光発電所は、相続時の税額を決めるとき「評価額」と呼ばれる基準がもちいられ、現金のまま相続するよりも税負担が軽減されます。
そのため、相続による納税額を減らしつつ、収入を生み続ける太陽光発電所を相続資産として残せるのです。
4.実質利回りを高めるための対策とは
先ほども説明したとおり、実質利回りはランニングコストを考慮した利回りです。つまり、ランニングコストを抑えれば、そのぶん実質利回りを高くできます。
ここでは、実質利回りを少しでも高めるための、ランニングコストを抑える方法について説明していきます。
(1)消費税還付を利用する
消費税還付は、条件を満たす事業者のみが申請できる「納付しすぎた消費税」を取り戻すための制度です。
先ほどの利回り計算にもちいた物件を始め、スマエネに掲載している物件は消費税還付によるリターンを加味していません。
そのため、制度を利用して消費税還付を受けることで、掲載しているシミュレーションよりも高い利回りが期待できるのです。
消費税還付に関する詳しい手順は、以下のページで解説しています。
関連記事:太陽光投資家は「消費税還付」を利用すべき?メリット・デメリットを解説
(2)自治体の補助金制度を利用する
一部の自治体では、産業用太陽光発電を対象とした補助金を設定しています。
補助金制度を利用できれば、太陽光発電所の取得にかかる費用負担を軽減できるため、実質利回りは高くなるのです。
ただし、補助金制度を設定している自治体は少なく、各地域を個別に調べていては時間がかかります。
そのため、購入候補の物件に補助金制度を適用できるか否かを調べる際は、環境ビジネスオンラインの「事業所向け太陽光発電関連の補助金検索サービス」を使って効率的に検索することをおすすめします。
(3)ランニングコストを抑える
減税措置や補助金を活用して負担を軽減するほか、次のランニングコストを抑えることで実質利回りは向上します。
ランニングコストを抑える方法 |
|
メンテナンス費用 |
・自分でメンテナンスを行う ・業者の相見積もりを取る |
損害保険料 |
・保険内容を最低限にとどめる ・保険の相見積もりを取る |
ローンの利息 |
・銀行・信用金庫の利用を検討する ・日本政策金融公庫の利用を検討する |
固定資産税 |
・固定資産税の低い土地を選ぶ(土地を購入する場合) ・固定資産税を負担しなくて良い「土地賃貸」の案件を選ぶ |
自分でメンテナンスを行えば時間・労力がかかり、保険内容を最低限にとどめれば災害時のリスクが高まるなど、いずれの選択にも良い面と悪い面があります。
ランニングコストを抑えるにあたり、どういった部分とトレードオフになっているのか考慮しつつ、許容範囲のなかでコストカットすることを推奨します。
5.高利回り物件を探すならスマエネが便利!
太陽光発電投資によるリターンの大きさは、利回りの高い優良物件を探せるかどうかにかかっています。
スマエネの物件紹介ページでは、各物件の表面利回りと実質利回りを両方掲載しているため、素早く優良物件を探し出すことが可能です。
太陽光発電投資の物件を探している方は、ぜひスマエネを使って、高利回りな物件を探してみてください。
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