土地の調査・整備にかかる費用

太陽光投資は「十分な面積さえあれば始められる」と思われがちですが、設備導入に適した土地とそうでない土地があります。実際に、土地を購入したものの太陽光投資に適しておらず、購入者が設備導入を断念するケースもありました。

そのため「土地の調査・整備」は、数あるプロセスのなかでも特に重要な役割を占めているのです。こういった段階で必要となる費用には、以下のようなものがあります。

・地盤調査費用：太陽電池モジュールを支える架台の沈下を避けるための調査費用

・地盤改良費用：調査により地盤改良が必要である場合に必要な費用

・農地転用費用：農地を太陽光用地に変更する際に必要な費用

依頼する業者・土地面積に応じて価格が変わるものの、産業用太陽光投資では調査が広範囲に及ぶケースがほとんど。地盤改良や農地転用が必要になれば費用は数十万円にのぼるため、依頼する業者には調査前に「1㎡あたりの価格」を必ず聞いておきましょう。

太陽光発電設備にかかる費用

設備導入にかかる平均費用は、経済産業省が発表している「平成 30 年度以降の調達価格等に関する意見」にて確認できます。下記の資料を見れば分かるように、システム費用は年々安価になっており、2017年時点では「1kWあたり30万円」が全体の平均値となっています。

引用：（経済産業省「平成 30 年度以降の調達価格等に関する意見」）

これを参考に投資規模ごとのシステム費用を計算すると、おおよそ以下のような金額になります。

システム費用には、以下のような設備に対する支出が含まれます。

・太陽電池モジュール

・パワーコンディショナー

・設置架台

・工事費用

特に太陽電池モジュールやパワーコンディショナーは、メーカー・製造年により価格差が大きいため、複数の業者から見積もりを出してもらうよう心がけてください。これらは価格競争により低コスト化が進んでいるため、ネットの古い情報を参考するのではなく「専門業者の最新ラインナップ」を確認するのが望ましいです。

また、口コミによる実際の評価も参考材料としては有力。太陽光投資の売電収入は一定であるため、利回りは初期費用により左右されます。努力や工夫で売電収入を伸ばすことは難しいため、コストは徹底して抑えつつ割高な費用を支払わないよう注意しましょう。

こうしたシステム費用のほか、発電量のチェックや異常事態を感知する遠隔監視システム、設備への侵入・盗難を防ぐフェンスの導入にもコストが発生します。どちらも設置に数十万円単位の出費を伴うので、あらかじめリサーチして必要十分な製品に目星を付けておくと導入がスムーズです。

なお、遠隔監視システムは導入以降にランニングコストもかかるため、搭載機能と利用料のバランスも確認しつつ選択するのが望ましいです。

つぎのページでは、購入費用とは別に発生する「太陽光投資にかかる税金」について解説していきます。