家族に相談するのは基礎知識を学んでから

まず注意すべきなのは、「すでに太陽光投資を始めると決めた」という姿勢で相談を切り出さないことです。

当然ながら、多額の投資に対する理解度は家庭によってさまざま。しかし、家計の負担となる大きな支出を「勝手に決められる」のは、誰であっても心地良くないものです。

• なぜ投資を始めたいのか
• どうして太陽光投資が良いと思うのか
• 現実的に利益が得られる見込みはあるのか

相談を切り出された家族には、このような「なぜ？」という多くの疑問が生まれるはず。これに答えられるだけの基礎知識、および投資計画がイメージできていなければ、「周囲にそそのかされて一時的に夢を見ている」と思われても仕方ありません。

また、説得したいからといって、メリットばかりを伝えてデメリットを隠しているようでは、詐欺まがいの営業マンと同じように信用を失います。

想定できるリスクを伝えて、それに対処する方法まで用意したうえで「こんな危険性があり確率はこの程度」とプレゼンするほど、投資へ真剣に向かい合っている姿勢が伝わるものです。

有名投資家として書籍を出しているようなベテランでも、「家族から理解を得るのに1年以上かかった」と語るケースはあります。家族の理解を無下にしたままでは、最終的に裕福な生活を手にしたとしても「家庭円満」を捨てる結果になるのです。

社内規則は副業禁止でも一度は相談する

公務員ではない一般企業のサラリーマンは、法律によって副業を禁止されているわけではありません。そのため、副業禁止を無視して太陽光投資を始めても、注意される筋合いはないという意見も多いです。

しかし、年末調整の際に副業がバレてしまえば、気まずい思いをするだけでなく出世や社内評価にまで影響します。そのため、職場がどのような環境であっても、太陽光投資を始めるまえに一度相談してみることをおすすめします。

会社の規模にもよりますが、まずは上司を通じて上層部にアプローチするのが無難です。

• 太陽光投資は手間・時間がかからず本業に悪影響を及ぼさない
• もし自身に万が一の事態があったとき、家計を支える目的で始めたい

こうして、太陽光投資を始めたとしても、従来と同じように働けることをアピール。決して「脱サラに向けて」や「失業したときに頼れる収入源を」といった言葉を使ってはいけません。

なお、過去の事例を調べると、職場に隠していた副業が「勤務先に不利益を与える」として懲戒解雇されてしまうケースもありました。太陽光投資なら、ここまでの処分を受ける可能性が低いとはいえ、「少しでも副収入が欲しい」という欲求のためキャリアに傷を付けるのは避けたいところ。

最終的には自己責任であるものの、家族同様に「末永く良好な関係を築きたい」と思うなら相談は必須です。

やはり、健全な資産形成というのは、何より優先すべき「家庭」と社会活動をともにする「職場」から理解を得て成り立つもの。隠し事をしつつ「バレないように立ち回る」というのは、それ自体にリソースが必要となり不用意にプレッシャーを増やします。

また、家族・職場に理解を得られるよう相談することは、太陽光投資を始める理由を見直すことと同じ。相談を通して投資計画に欠陥がないのか再考すれば、太陽光投資の事前準備はより精度の高いものとなるはずです。

つぎのコーナーでは、いよいよ「投資物件を購入する」というプロセスに触れていきます。設備見学やセミナー参加、融資の流れについて解説するので、家族・職場へ相談できるイメージが固まれば読み進めてください。