営業トークに乗せられて成約を急ぐのはNG

物件見学者や販売セミナー参加者は、いわば「投資家予備軍」。成約率が高いとにらんだ営業マンたちは、成約に繋げようと必死に営業トークを繰り広げます。

そして参加者も、太陽光投資に興味を持って参加しているため、投資へのモチベーションが高まりやすいのです。こういった状況では冷静な判断が下せないので、どれほど魅力的な案件に出会えても即時成約するのは危険です。

かならず一度帰宅して、情報を整理してから成約を検討するよう心掛けてください。

物件見学・セミナー前は下調べをしておく

物件見学や販売セミナー参加の申し込みをして、当日までに案件の詳細情報が提示された場合は、物件内容の下調べをしておきましょう。

これは前述した「営業トークに乗せられること」を阻止するための対策です。

・販売価格

・保証内容

・年間想定収入

上記の情報を覚えた状態で参加すれば、当日に業者が話す解説・不明点への質問がスムーズに進みます。そして万が一にも矛盾点があれば、すぐに違和感を察知できるのです。

太陽光投資が普及したことで業界は健全になってきましたが、詐欺案件は完全になくなったとはいえません。物件を見に行った当日、怪しい点を見抜けるように分かる範囲で下調べをしておきましょう。

提示される物件資料をそのまま信じてはダメ

物件見学や販売セミナーにもちいられる資料が、かならずしも「正しい情報」であるとは限りません。

「利益率が高い」と強調して記載されていても、つぎのような要素次第で運用結果は大きく変わります。

・太陽電池パネルの劣化率を考慮しているか

・運用コストは含まれているのか

太陽電池パネルの劣化率を考慮しているか

太陽電池パネルは長期運用を想定して設計されるため頑丈ですが、紫外線や汚れが飛び交う環境下にさらされるため、築年数が経過するごとに劣化が進みます。

劣化率による発電能力の低下は数％であるものの、毎年劣化が進めば10年,20年経ったときに大きな差となります。

なにも投資家自身が、その場で難しい計算をする必要はありません。

物件見学や販売セミナーのときに「この情報は劣化率を考慮していますか？」と質問すれば、適切な回答を得られるはずです。

運用コストは含まれているのか

清掃・雑草処理を行わなければ、太陽電池パネルは十分に機能を発揮できません。そのため、運用維持には定期的にメンテナンス費用が発生するのです。

これは太陽電池パネルの劣化率と同様、長期的に積み重なれば大きな差となります。規模に比例してメンテナンス費用も高くなるため、20年のあいだに数十万～数百万円の出費になると考えて良いでしょう。

メンテナンス費用はケースバイケースで変動が大きいですが、運用コストを一切考慮しな利益率と、大まかに運用コストを含めた利益率では大差が生まれます。そのため「この情報は運用コストを含んでいますか？」と質問することをおすすめします。

物件見学や販売セミナー参加時は、ついモチベーションが高まり「冷静な判断ができない状態」になる場合が多いです。今回ご説明した内容を意識して、準備が不十分なまま成約することがないよう注意しましょう。

いくつか比較して好条件な物件が見つかれば、つぎは「物件購入の流れ」について具体的な手順を確認していきます。