【初期費用を抑える7つのテクニック】太陽光発電投資の初期費用はいくら?

今野 彰久

著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
自身でも太陽光投資をしているため、投資する方の目線でのご紹介を得意としています。

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太陽光発電投資は、堅実な利益獲得が期待できる売電ビジネスであるものの、初期費用の高さからハードルが高いと感じられがちです。


しかし、投資対象を絞れば、少額費用で投資をできる案件もあります。


今回は、太陽光発電投資の費用相場と、初期費用を抑える方法について解説していきます。

スマエネの「物件を探す」に掲載している物件情報では、運用にかかる具体的なコスト・収入をシミュレーションシートにまとめて、どれほど利益を得られるのか解説しています。

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1.太陽光発電投資とは?

太陽光発電投資は、発電所で生み出した電力を電力会社に売電する、大規模な投資の1つです。FIT制度と呼ばれる、売電単価を保証する制度により安定利益が期待できるため、投資対象として強く支持を集めてきました。

おおよそ表面利回りは10%前後で、株式投資や投資信託に比べて高い利益率が期待できます。また、入居率が利益に直結する不動産投資と異なり、空室が発生せず一定の利益を得られるというメリットを持ちます。

(1)太陽光発電投資の初期費用はどれくらい?

2018年時点のデータでは、太陽光発電投資のシステム費用(システム費用)は、1kWあたり28.6万円前後。個人投資家に好まれる50kWの太陽光発電の投資案件であれば、諸々の条件次第ではあるものの1,430万円程度であることが分かります。

システム費用

出所:経済産業省「平成 31 年度以降の調達価格等に関する意見(案)

これを聞いて高額だと思うのであれば、少額費用から投資できる太陽光発電のファンドも候補に入ります。

(2)1口1万円からのファンド型も!太陽光投資は安定したミドルリターン商品として人気

土地付きの太陽光発電設備の投資は、株式のようなハイリスクハイリーターン商品ではなく、安定したなミドルリターンの投資として、低金利が長引く中での人気商品です。

また、なかには最小1W(税込み約200円〜350円)から分譲して購入できるタイプや、1口1万円などのファンド型も登場して、個人が投資しやすい環境になっています。

しかし、なんと言っても一般的なのは、土地付きの太陽光発電設備を購入して売電し、資産として運用するケースです。

(3)太陽光発電の買取単価は値下がりしても投資利回りは安定

ご存知のように2012年から始まった再生エネルギー全量買取制度(FIT)による買い取り単価は下がる一方なので、太陽光発電はあまり利益がでないのではないかという声もあります。

しかし、数年の間に太陽光発電モジュール等の性能も向上し、価格も安価になりました。

しかも、再生エネルギー全量買取制度(FIT)による買取価格は20年間変わりません。そのため、太陽光投資は資産運用として先の予測が立てやすい安心な投資と言われています。

関連記事:太陽光発電のFIT制度が終わる!?2020年には関連法が改正される見込み

2.太陽光発電投資での初期費用を安くする7つの方法

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初期費用を安くするには、太陽光発電の仕組みを知って初期費用の中で安くできる部分を検討することから始まります。

分譲タイプですべてパッケージされている場合と、自己所有地などに太陽光発電所を設置する場合、様々なケースを想定して7つの方法を紹介します。

(1)太陽光発電会社に相見積もりを取り内容を比較する

これは、すべてのケースに当てはまることですが、限られた初期投資額でできるだけ太陽光発電システムで利益を上げる投資をするには、まず業者が提案した見積もりを再検討して、削れる部分を削る事が必要です。そのためにも、数社から見積もりを取り、内容を比較しましょう。

(2)太陽光発電会社を通さず土地を購入する

自分で太陽光発電についてしっかり知識を身につけた上で、用地を自分で購入できるなら初期費用の節約になります。

日照時間が多くて地価の安い地方にお住まいの方で太陽光発電投資に興味のある方は土地勘を生かしてご自分で土地を購入して投資を始めるチャンスですね。

都市圏在住の方でも、自治体を上げて太陽光発電用地を斡旋している都道府県の情報を調べてみるとよいでしょう。 太陽光発電システム設置業者の中には、自社のプランで設置することを条件に、全国の土地所有者と投資希望者をマッチングして中間マージンを減らしている業者もあります。

(3)土地を借りる、既存の建物の屋根などに太陽光発電所を設置する

畑などの広い土地の所有者で、農業の後継者がいなくて処置に困っている人もいます。太陽光発電であれば、そのような引取手のいない土地をとりあえず20年間借りるという方法もあります。 条件がうまく合えば、初期費用はかなり抑えられるでしょう。 複数のアパートやマンションなどを所有している大家さんであれば、既存の建物の屋根に太陽光発電システムを設置することで、更に土地の有効活用ができます。工場などの屋根を借りる方法もあります。

(4)土地の造成費用について確認する

土地付き太陽光発電の投資物件の場合、すべてがプランニング済みの場合もありますが、自前の土地がある、あるいは自分で土地を選んで発電システムのみ建設を依頼する場合は、土地の造成費用の扱いについて必ず確認しましょう。 造成プランについても最適かどうか納得できるまで説明を求めることが大切です。

(5)太陽光発電所のメンテナンスメニューが適切か検討する

平成29年4月から施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT)等の一部を改正する法律法」により、発電事業者(太陽光発電所の所有者)に義務付けられているメンテナンスの内容が明示されました。

この法改正に乗じて過剰なメンテナンスメニューを提案している業者もあります。実は太陽光発電のメンテナンスには素人でも可能なものが大半なので、もし、太陽光発電所が自宅から出かけることが可能な場所なら、自分でメンテナンスできる部分は自分でしてしまいましょう。

その方が遥かに安上がりです。 しかし、転売の予定の有無によっては、お金をかけてメンテナンスをしておいたほうが良い場合もあります。ドローンを用いて赤外線検査をしたり、パネルを外して検査をするメニュー等は費用対効果的にはメリットはないものの、太陽光発電施設の状態を証明でき、高値で転売できる可能性が大きくなります。 同様に、故障してしまった、壊れて可動しなくなった場合の保障についても十分検討しましょう。太陽光発電設備の保障は火災保険に当たりますが、専門の商品もあります。

オプションも含めて必要かつ十分な保障であるか検討したいものです。 ちなみに、業者が「○年保証付き」などと謳っているのは、モジュールパネルやパワーコンディショナーなどの機器についても品質保証や、施工内容の保障です。風水害、地震等での損害はオーナーが加入すべき保険ですので間違えないようにしましょう。

(6)「ローンで太陽光発電投資システムを購入する

太陽光発電は国も推進している事業なので、金融機関も融資に積極的です。担保になる不動産がある方なら自己資金が0円でも太陽光発電システム投資が始められます。

担保になる不動産がなくて自己資金が少ない場合でも、収入が安定しているサラリーマンは融資が受けやすい傾向にあります。 また、太陽光発電所事業用地を積極的に誘致している地方の信用金庫や信用組合では、太陽光発電システムの土地自体を担保にフルローンで融資するケースもあるそうです。

個人で融資先を探すなら、まず国民政策金融公庫から環境エネルギー対策資金として融資を受けることを検討しましょう。

また、各金融機関のソーラーローンも利用する事ができます。返済期間を10 年とした場合でも、売電分をそのまま返済に当てることが可能で、実質毎月の返済額は0円である場合も。 これらの理由から、老後の資金や教育資金として貯蓄感覚で太陽光発電投資を取り入れる人が増えています。

関連記事:太陽光発電ローンや融資で絶対押さえおきたい8つのこと

(7)ファンドで1口1万円から太陽光投資を始める

この場合、実際に太陽光発電システムを購入した場合よりも費用対効果は低くなりますが、面倒なやり取り一切なしの手軽さが魅力です。

銀行の定期預金に預けるよりもお得で、環境保護にも役立てるという、投資の初心者にはぴったりな方法かもしれませんね。

3.個人事業者として太陽光発電システムを事業化する裏技

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この方法は事前の書類準備や税制の知識も必要なので、しっかり投資をしたい方向けの、かなりの裏技と言えます。

(1)個人事業者として太陽光発電所設置の融資を受ける

太陽光発電所を所有する人は個人事業者です。国民生活政策金融公庫では個人事業者が新規の事業を始める時に無担保での貸付制度があります。

融資を受ける際には事業計画書などの書類を出す必要があり、事前に書類を通しやすくする勉強も必要です。 しかし、太陽光発電は政策にも合致するので融資の可能性は少なくはありません。

審査に通れば、個人事業者新規開業のための資金として、無担保低金利でローンを組むことが可能です。国民生活政策金融公庫からの融資は、他の金融機関に対する保障効果もあるので、事業として太陽光発電を拡大したいと考えている人は、この方法を検討するのがおすすめです。

(2)消費税の還付を受けて早めに資金を回収する

個人事業者として開業届を出す時に「青色申告かつ消費税課税事業者」区分を選択することで、消費税の還付が受けられます。

太陽光発電の売電売上は規模にもよりますが、個人で設置する場合には年間に多くても100万円程度です。 事業者ではなく、個人で設置した場合、もちろん消費税は戻って来ません。 しかし、個人事業者で「青色申告かつ消費税課税事業者」区分を選択すると、事業のために購入した消費税込みの太陽光発電所設置費用については、課税事業者として消費税還付申告をすると消費税は還付されます。

個人事業者で売上が1,000万以下の場合でも、開業届を出す時に「青色申告かつ消費税課税事業者」区分を選択することは可能、という裏技を使って、消費税分の費用を早めに回収できることで初期費用を抑えることが可能です。

(3)1,000万円以下の非消費税課税事業者にもどって売電分の消費税を儲けにする

課税事業者は3期の間売上が1,000万円以下だった場合、非消費税課税事業者にもどること可能です。

その時点で非消費税課税事業者という選択をすれば、電力会社に売っている電力の消費税分を儲けとすることができます。 つまり、個人事業者としての立場を賢く使い分けて、高額な物件の消費前の還付を初年度に受け、売電利益分の消費税は3期目から受け取ることで、より多くの費用を回収することが可能なのです。

関連記事:知らずに損してませんか?太陽光投資家は「消費税還付」を要チェック!

4.太陽光発電投資は「資産家だけの選択肢」ではなくなった

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広い土地と、お金のかかる設備が必要なのでは?というイメージがあり、太陽光発電投資は資産家や企業の投資と思われていました。

しかし、国の積極的な政策と技術の進歩で、初期投資額自体も以前より安くなり、サラリーマンや若い人にも手の届く投資になりました。

一時は乱立して悪質な業者による詐欺事件も問題になりましたが、価格競争により、確かな技術を持った業者でなければ生き残れない状況になり、悪質業者は減少しつつあるようです。

安心して投資でき、しかも環境対策にも役立つということで、さらに投資家は増えることでしょう。

5.投資家意識を持って太陽光発電設備についての知識を深めよう

太陽光発電投資は手持ちの資金が無くてもローンを利用すれば手軽に始められます。しかし、自然災害等で設備が壊れてしまった場合など、最悪の場合は借金しか残らないこともあります。

特に遠隔地に設備がある場合は当事者意識が低くなりがちで、メンテナンスの不備や設備の異常に早期に対応できない場合も多いことでしょう。 投資である以上、利益もあればリスクがあるのも当然のこと。利益を上げるために初期費用を抑えようと思うならば、まずは情報収集が大切です。

ネットで情報を集めるとともに、各種の説明会に積極的に出かけて勉強する事が必要です。 融資については、まず、国民生活金融公庫の最寄りの支店に出かけて担当者に相談してみることをおすすめします。 業者を選ぶときには必ず複数の会社から話を聞きましょう。「期間限定」や「先着○名様」などといって契約を急がせる業者は信用しないことです。

太陽光設備投資は安定した収益も約束され、環境保護にもつながる理想的なクリーンエネルギー。しっかり情報を検討して初期投資を抑えたお得な投資ができるとよいですね。

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