2019.03.29 Mar
更新日時:2020.02.26 Wed
災害・近隣問題…太陽光事業者が知っておきたい被害と対策【2020年版】
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太陽光発電投資をするにあたって、最大のリスクは自然災害による被害です。
しかし、過去に起きた事例から学ぶことで、リスクを抑えることは可能です。
本記事では太陽光発電の運用を検討している方のために、自然災害の事例と対処法のほか、近隣トラブルといった様々な事例への対処もあわせて解説します。
スマエネの「物件を探す」に掲載している物件情報では、運用にかかる具体的なコスト・収入をシミュレーションシートにまとめて、どれほど利益を得られるのか解説しています。
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目次
1.豪雨・台風…天災による設備の被害
まずもっとも大きな被害となりうるのは、自然災害による設備の破損です。
(1)太陽光の被災に関する現状
50kw以上の事業用太陽光発電を行う事業者には、電気事業法により事故があった場合の報告義務が課されています。
政府統計によれば、太陽光発電の普及に伴い、事故件数、事故率も増加傾向。特に2017年度は、前年度の3倍近くにもなる89件に上りました。
引用:経済産業省「再エネ発電設備の導入拡大に伴う電気保安の現状と課題」
2018年度にも西日本豪雨、台風21号と24号、北海道の地震といった大規模災害に事故が集中しており、合計54件(追加報告6件含む)の被害が発生しています。
引用:経済産業省「今夏の太陽電池発電設備の事故の特徴について」
問題となるケースは主に2つ。
ひとつは、太陽光パネルが強風や土砂崩れなどにより飛散・破損するケース。
もうひとつが、電気を変換する「パワーコンディショナ」が水没によって損傷するケースです。
(2)被害防止のために気を付けるべきポイント
これらの被害を防ぐためには、どのような対策を取ればよいのでしょうか。大まかに3つの対策をまとめました。
①安全性能基準を見直す
「安全性能基準」とは、自然災害などを想定して、政府が定めている技術基準です。
増加する事故を受けて2018年に大幅に改定され、満たすべき条件が大幅に増えました。
しかし、この基準が適用されるのは、改正後に新たに設置する施設に限られます。
また、本解釈改正以前に設置された太陽電池発電設備については、改正後の基準に適合していない場合であっても、直ちに技術基準適合義務違反にはなりませんが、安全の確保に万全を期すため、設備の安全性を改正後の基準に照らして確認いただき、必要に応じて、補修等を行っていただきますようお願いいたします。
引用:経済産業省「太陽光電池発電設備に関する技術基準の解釈の一部改正について」
そのため、2018年以前に設置された発電設備は最新の基準を満たしていない可能性があります。
そのような場合は、コストと相談しながら適宜改修工事を行うなどの対策を講じましょう。
②ハザードマップの確認
「ハザードマップ」とは、浸水などが予想される地区において、浸水予想範囲を地図上に示したものです。
平成30年の西日本豪雨では、水没被害21件のおよそ6割にあたる12件が、ハザードマップ上の浸水想定区域で発生しました。
もし、これから太陽光投資を検討している方は、場所選びの際に災害時のハザードマップも確認することで、リスクを抑えられます。
また、すでにハザードマップ上に発電設備を設置しているという人は、パワーコンディショナや集電箱を高所に設置しなおすなどして、浸水時に備えるようにしましょう。
③保険への加入
万が一被災した場合に備えて、太陽光発電事業者向けの損害保険に加入するのもよいでしょう。詳しくは後述しますが、代表的なものとして火災保険と動産総合保険があります。
カバーする範囲は選ぶ保険の種類によっても異なりますが、いずれの場合も被災時の補償はおおむねカバーされています。
保険のコストは発電設備の規模にもよりますが、個人投資の規模であればおおむね2~5万円/年が相場となります。補償範囲や料金は、保険会社等に問い合わせましょう。
スマエネの掲載物件は、年間の損害保険料のコストも加味したうえで、利回りのシミュレーションを行っています。
表面利回りだけでなく、現実的な収支を確認しながら物件選びが可能です。
これから太陽光発電投資を検討する方は、ぜひご活用ください。
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(3)もし被害にあってしまったらどうすればいい?
どんなに気を付けても、自然災害に遭うリスクはゼロにはなりません。
もし被害に遭ってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。解説していきます。
①浸水・破損した設備には絶対に近づかず、業者に連絡
破損したパネルやパワーコンディショナに近づくと、感電するおそれがあります。飛散したパネル等には自分で触らず、必ず施工業者やメンテナンス業者に連絡を取るようにしましょう。
50kW以上の発電施設を運用している場合は、専任となる電気主任技術者がいるはずですので、そちらに連絡を取るようにしてください。
②敷地付近にロープなどを張り、部外者の立ち入りを禁止する
自分だけでなく、付近住民などがうかつに近づき、事故に遭うおそれがあります。
敷地内周辺にロープなどを張り、立ち入りを禁じてください。
③最寄りの産業保安監督部に連絡
法令により、50kW以上の太陽光発電設備が事故や破損にあった場合は、24時間以内に最寄りの産業保安監督部に連絡しなければなりません。
産業保安監督部の連絡先は、下記から調べることができます。
また、撤去したパネル・パワーコンディショナの廃棄も、産業廃棄物として適切に処理する必要があります。自分で対処するのではなく、産業廃棄物業者に任せるようにしましょう。
2.騒音・光・環境問題…トラブルとなりやすい要素とその対策
災害では自分が被害を受ける側ですが、場合によっては設置した太陽光発電設備が加害者となり、周辺住民とのトラブルを引き起こすケースがあります。
ここでは、他の人に被害を与えてしまう可能性と、その対処法について紹介しましょう。
(1)騒音トラブル
まずは、騒音トラブルです。
問題となるのは、発電した電気を変換するパワーコンディショナという装置。
稼働中はモスキート音と呼ばれる非常に高い音を発し、人によっては「キーン」という音を感じる場合があります。
そのほか、屋外にパワーコンディショナを設置している場合は、空調設備の音なども騒音源となります。
環境省の資料によると、パワーコンディショナの出力と騒音の関係は以下の通りです。
出力 騒音値 4kW 34dB以下 100kW 69dB以下 250kW 75dB以下 ※屋内・装置正面での測定。
参考:環境省「前提になる太陽光発電システムの性質」
騒音規制法で定められた規制の基準値は、おおむね50~60dB以下。そのため、パワーコンディショナの騒音をこれ以下に抑える必要があります。
・対策
まずは、近隣住民から充分に離れた場所に設置することが挙げられます。
環境省が2019年12月に発表した太陽光発電の環境配慮ガイドライン案では、騒音源を50m離すことにより、65dBの騒音もおよそ1/2に抑えられるとしています。
民家から充分に離して設置することで、騒音被害を抑えられます。
また、パワーコンディショナ本体をコンテナに収容する、静音タイプのパワーコンディショナを選ぶ、住宅との境界線に防音壁を設置するといった対策も有効です。
(2)反射光トラブル
パネルの反射光によって、付近住民がまぶしいと感じる問題です。特に道路沿いなどに設置するような場合は、事故の原因となるリスクもあります。
太陽光パネルは通常、光を上空に反射するような角度で設置されているのですが、
- 付近が高い建物があり、時間帯によって反射光が入ってしまう
- 斜面に設置されている場合、高い角度で入ってきた光が斜面下に反射される
- 東西が大きく開けており、地平線・水平線からの光を低い角度で反射してしまう
など、設置状況によって思わぬトラブルとなる場合があります。
引用:環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン(案)」
・対策
上記のような地形が周囲にないか施工業者を交えて確認し、問題がある場合は架台の角度を適切に設定しなおしましょう。
そのほか、反射を抑える防眩仕様のパネルを使う、フェンスや植栽(木など)を植えて反射光を遮るといった方法があります。
(3)環境トラブル
太陽光パネルの設置工事に伴い、土砂崩れが起きやすくなったり、周囲の農地に濁った水が流れ込んだり、除草剤などが周囲の生態系に悪影響を及ぼしたり……といった問題です。
これらの問題は、設置のために森林の伐採や、盛り土等の土地造成が必要となるケースで考慮が必要となります。
・対策
もしこうした工事を要する場合は、施工業者や専門家を交え、周辺環境への影響に配慮したうえで工事を進めましょう。
また、すでに造成済みの土地への投資を行う際は、運用後にこのような問題が起きる可能性があるかどうか、現地を実際に見て確認するようにしましょう。
3.太陽光事業者の資産は「損害保険」で守る
先ほども説明したとおり、どんなに対策をしても、自然災害による被害を100%防ぐことはできません。太陽光発電設備が被害にあった場合、金銭的な損害は甚大です。
そのため太陽光発電設備を運用する方は、事故が起こった場合に備えて、必ず保険に加入しておきましょう。
災害が起こった時に補償が受けられる保険は、主に以下3種類あります。
- 火災保険・動産総合保険
- 賠償責任保険
- 休業保険
ここでは、それぞれの保険の内容について説明していきます。
(1)火災保険と動産総合保険
「火災保険」と「動産総合保険」はどちらも、火災や自然災害などによって起きた太陽光発電設備の物的損害をカバーしてくれる保険です。補償対象による故障や損壊なら、修理や修繕の費用を支払ってもらえます。
火災保険と動産総合保険は、補償対象が似ています。保険会社やプランによっても異なりますが、火災保険と動産総合保険、それぞれの主な対象範囲は以下のとおりです。
補償範囲 | 火災保険 | 動産総合保険 |
火災・落雷・破裂・爆発 | ◯ | ◯ |
風災・雪災・雹災 | ◯ | ◯ |
水災 | ◯ | ◯ |
震災・噴火・津波 | ✕ | ✕ |
電気的・機械的事故 | ◯ | ✕ |
これらのうち、「風災」は台風や暴風雨、「雪災」は雪崩、「雹災」は雹が降ったことによるもの、「水災」は洪水や高潮、土砂崩れなどによって起こる災害です。
火災保険と動産総合保険は、どちらも震災や噴火は対象範囲外となっています。
地震が原因で津波が発生し、太陽光発電設備が被害を受けた場合でも補償はされません。地震に対する補償も付けたい場合は、別途「地震保険」への加入が必要になります。
火災保険と動産総合保険の補償対象の違いは、「電気的・機械的事故」の有無です。電気的・機械的事故は、太陽光発電設備の機器の故障に対応しています。これは基本的に、動産総合保険の補償対象には含まれていません。
(2)賠償責任保険
「賠償責任保険」は、太陽光発電設備の損壊により、他人の身体や所有物に損害を与えた場合に支払われる保険です。例えば、太陽光パネルが飛散して他人の家に当たったり、他人にけがを負わせてしまった場合は、保険金が支払われます。
自然災害が原因で太陽光パネルが飛散した場合、事業者に落ち度がなければ、他人の身体や所有物に損害を与えても、損害賠償の責任はありません。
しかし修繕の必要がある物を放置していたなど、事業者の管理責任不足が認められる場合はこの限りではありません。
そのような場合に賠償責任保険に入っておくことで、リスクを抑えることができます。
(3)休業保険
「休業保険」は、自然災害などの被害によって太陽光発電設備が稼働できなくなった場合、本来それまでに発生するはずだった、復旧するまでの間の売電金額を補償する保険です。対象範囲は、先ほど紹介した火災保険や動産総合保険とほとんど変わりません。
4.さまざまな被害を想定し、リスクを抑えよう
相次ぐ自然災害は、太陽光発電を行う上で無視できないリスクです。
万が一の際の被害を最小限に抑えるためにも、慎重な対応を行いましょう。
被害者となるだけでなく、加害者となってしまわないような対策も重要です。
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