【必読】太陽光発電の年次報告とは?未提出なら認定取り消しも

今野 彰久

著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
自身でも太陽光投資をしているため、投資する方の目線でのご紹介を得意としています。

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太陽光発電の手続きは、設置する前に事業計画認定申請などが必要であることはよく知られています。では、太陽光発電の設置後にも手続きが必要なことはご存知でしょうか。


この設置後の手続きである年次報告を忘れてしまうと、最悪の場合は認定取消しの処分を受けることもあります。設置完了して売電がスタートしたらひと安心、といきたいところですが実はそうもいっていられないのです。


本記事では、年次報告の概要と、提出に必要な情報や提出手順などを解説していきます。

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1.太陽光発電の「年次報告」は経済産業省大臣への報告のこと

書類

太陽光発電の年次報告とは、太陽光発電の稼働後から必要な手続きで、年に一度決まった時期に経済産業省大臣へ行う報告のことをいいます。

経済産業省大臣への報告というと仰々しいですが、実際の手続きは経済産業省へ申請を行うだけです。太陽光発電の稼働後に必要な手続きはまとめて定期報告といい、年次報告も定期報告の1つです。

(1)太陽光発電の年次報告は3つの定期報告のうち1つ

定期報告とは、太陽光発電に要した費用を報告するもので、太陽光発電や風力発電など固定価格買取制度を利用して売電を行う事業者全員に報告義務があります。

太陽光発電の定期報告は、全部で次の3種類があります。

  • 設置費用報告
  • 増設費用報告
  • 運転費用報告

以前はこの3つをまとめて「運転費用年報」として年に一度の報告が必要でしたが、現在はこのうち年次報告に当たるのは1種類のみです。

それぞれの定期報告の具体的な内容を把握しておきましょう。

①太陽光発電施設の初期費用を報告する「設置費用報告」

設置費用報告とは、太陽光発電の設置に要した初期費用すべてを経済産業省へ報告する定期報告です。

申請の際には初期費用を内訳ごとに分けて報告が必要で、内訳には設備費や工事費、整地費用、電力会社の接続費用などがあります。設置費用報告は、設置後に1度のみ提出を行います。

②周辺設備を増設したことを報告する「増設費用報告」

増設費用報告とは、太陽光発電設備に太陽光パネルやパワーコンディショナなどの設備を新たに増設した場合に必要な定期報告です。

増設にかかった、設備費や工事費などの費用を内訳ごとに経済産業省へ報告する必要があります。増設費用報告は、増設後に1度のみ報告を行います。(複数増設する場合は、増設の度に報告が必要です)

ただ増設をしていない場合、また増設しても10kW未満である場合は、提出の必要はありません。

③運転・稼働にかかった費用を報告する「運転費用報告」

運転費用報告とは、太陽光発電設備の運転・稼働させるためにかかった費用を報告する定期報告です。

設備のメンテナンス費用や保険費用、人件費など運転に要した費用を内訳とともに経済産業省へ報告します。そして、運転費用報告が毎年報告の必要な年次報告です。運転費用報告は、設置費用報告を提出していなければ提出ができません。

(2)産業用太陽光なら年次報告は必須

定期報告は、対象者の発電設備の容量によって提出義務が定められています。容量が10kW以上の産業用太陽光は、定期報告3種類すべての提出が義務付けられているため、必然的に年次報告が必須となります。

発電設備の容量別に定期報告の提出義務をまとめると、次のようになります。

発電設備の容量 設置費用報告 増設費用報告 運転費用報告
10kW未満
(住宅用)
J-PEC補助金受給 不要 増設後
10kW未満→不要
10kW以上→必要
経済産業大臣が求めた場合のみ必要
J-PEC補助金未受給 必要
10kW以上 (産業用) 必要

容量10kW未満の住宅用では、J-PECの補助金を受給したかどうかでも区分が分かれてきます。また、提出義務は事業計画認定を申請した際に設置者として登録された方になります。

2.年次報告の提出締切りとペナルティ

年次報告には、提出の締切りが定められており、この締切りまでに年次報告が提出されなければ、ペナルティを課せられることがあります。

(1)年次報告の提出は太陽光発電施設の運転開始月から翌月中

年次報告では、1年間分の運転費用の実績を報告することになるため、運転開始した年に年次報告の提出はありません。年次報告を最初に提出するのは、1年間の実績がたまる運転開始の翌年ということなります。

そして年次報告の提出締切りですが、運転開始月の翌月末までです。提出できる期間も合わせて定められており、運転開始した月から翌月の間とされています。

たとえば、運転開始した日が2019年5月15日だったとしましょう。このとき年次報告の最初の提出期間は、2020年5月1日〜6月30日の2ヶ月間となります。

スケジュール

最初の報告以降は同様に、1年に1回、運転開始月〜運転開始翌月末までの期間に提出を行っていきます。また、提出にあたっては報告期間が提出月によって異なる、という点に注意してください。

先ほどの、運転開始日2019年5月15日の例で考えてみましょう。このとき、提出月は2020年5月と2020年6月の2パターンあります。提出月が2020年5月であれば、報告期間は2019年5月〜2020年4月となります。

スケジュール

しかし、提出月が2020年6月と1ヶ月ずれると、報告期間も1ヶ月ずれて2019年6月〜2020年5月となります。

スケジュール

作業が手戻りにならないように、事前に翌年の提出月を決めておくことをおすすめします。

ちなみに、他の定期報告の提出締切は、設置費用報告・増設費用報告ともに運転開始から1ヶ月までが提出締切となります。

(2)2018年8月には年次報告のペナルティについて言及された

もともと定期報告や年次報告には、罰則について明記されていませんでした。しかし、2018年8月31日付で資源エネルギー庁より「定期報告に関する指導」が公開され、提出締切りまでに報告の実施がなかった事業者に対して経済産業大臣による指導が行われました。

そして、提出締切りまでに報告が提出されないときは、最悪の場合はペナルティとして認定取り消しになる可能性が明記されています。認定取り消しにならないためにも、年次報告は忘れずに提出するようにしましょう。

3.太陽光発電をするなら覚えておくべき「年次報告の提出方法」

ここからは、実際に年次報告を提出する際に、必要な情報や手順などを解説していきます。

(1)年次報告に必要な情報

年次報告を提出する際に必要となる、運転費用に関する情報は次のとおりです。全部で12種類あります。

土地賃借料 太陽光発電設備を設置するために、土地を賃借している場合の費用。
修繕費 故障や劣化等で修繕を行った場合にかかった費用。
保守点検費 定期点検やメンテナンスにかかる費用。内訳も必要。
事務所経費 事務所にかかる費用。自宅を事務所とする場合は、利用割合分を計上。
人件費 法人の場合で他業務も兼務している場合は、時間等で按分した費用。
保険費 自然災害や盗難に対する動産保険にかかる費用。その他、太陽光パネル・パワーコンディショナがオプションで用意している有償メーカー保証の費用。
通信費 発電量の遠隔監視や出力制御対応のために利用しているインターネット回線の費用。
法人事業税 太陽光発電の売電利益に対する課税金額。
固定資産税 太陽光設備自体の固定資産税や、太陽光発電設備を設置するために購入した土地の固定資産税も該当。
リース費 太陽光発電設備の機器などリースしている費用。
廃棄想定費用 事業計画認定で申請時に記入した費用。
廃棄費用 将来の廃棄費用として積み立てた月額費用と累積金額。

かかっていない費用に関しては、0円で入力をします。2018年7月から廃棄費用の方向も必要となっているため、注意が必要です。

また、年次報告の提出時には上記の運転費用以外にも、ログイン時や入力時に必要な情報もあります。

  • 設置者IDとパスワード
  • 年間発電量と年間売電量
  • 柵・塀・標識の設置状況
  • メンテナンスの実施状況

上記情報を確認するためには、施工会社への問い合わせや発電量モニタのチェック、現地状況を視認もしくは写真等で確認が必要です。

すぐに準備できる情報ばかりではありませんので、年次報告を実施する前にあらかじめ情報を確認の上、提出に進みましょう。

(2)年次報告の手順

年次報告の提出は、電子申請システムで行います。大まかな手順は、次のとおりです。

  1. 電子申請システムにアクセスして、ログイン→必要な情報:設置者IDとパスワード
  2. 画面情報のメニューから”定期報告”を選択
  3. 何も入力せずに”検索”ボタンをクリック
  4. ”作成”ボタンをクリック※太陽光発電設備を複数所有している場合は、年次報告を提出したい設備を選んでください。
  5. 報告区分の「運転費用」を選択
  6. 連絡先情報の確認、必要に応じて変更
  7. 設置状況の確認、必要に応じて変更
  8. 運転維持費用に金額・概要内訳を入力→必要な情報:12種類の運転費用の金額及び内訳
  9. 運転実績を入力→必要な情報:年間発電量、年間売電量
  10. 遵守事項実施う報告を入力→必要な情報:塀・柵・標識の設置状況、メンテナンスの実施状況
  11. 内容を確認をクリックして提出

インターネット環境がない等で電子申請システムを利用できない方には、書面で提出する方法もあります。提出する書類書式は、資源エネルギー庁のページからダウンロードもしくは郵送によって取得が可能です。

4.年次報告の申請は代行してくれるのか

代行

事業計画認定申請などは、施工会社が基本的に代行申請をしてくれます。ですが年次報告は、事業計画認定で申請した設置者が行う義務があります。

年次報告は、代行申請をしてくれるのでしょうか。

(1)まずは太陽光発電の施工会社に確認

代行申請を行ってくれるかは、施工会社との契約内容によって変わります。そのため、まずは契約書で契約内容を確認して施工会社へ連絡してみましょう。

また、契約書に含まれていなかったとしても、サービスとして代行してくれる場合もあります。ただ、年次報告の提出に必要な情報は、設置者でなければわからない情報が多々あるはずです。仮に代行申請を行ってくれる場合でも、必要な情報を確認して提供する手間は必ず発生するため、電子申請の入力作業をすることになります。

(2)年次報告の代行サービスもある

上述した2018年8月31日に公示された「定期報告に関する指導」をきっかけに、年次報告の代行サービスもいくつか出てきているようです。

ただ、上述したように代行サービスを利用する場合でも、必要な情報や資料を提供することに変わりはありません。本記事をご覧いただけたのであれば、ご自身で申請することはそこまで難しくないと思います。

もしもわからないことがあれば、施工会社やJPEA、電力会社へ確認してみるのも良いでしょう。

5.太陽光発電の継続運用に年次報告は必須!忘れずに提出を

年次報告は、太陽光発電の定期報告の1つで、産業用太陽光であれば1年に1度必ず提出の必要な手続きです。年次報告を提出する際は、電子申請にて太陽光発電の運用費用を入力することになります。

提出には締切りがあり、それを過ぎると最悪の場合は認定取り消しのペナルティを受ける可能性もあります。提出時に必要な情報は、すぐに確認できるものばかりではありませんので、認定取り消しにならないためにも、事前準備を怠らずに報告に臨みましょう。

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