2019.06.29 Jun
更新日時:2020.02.06 Thu
太陽光発電の融資手段3つを徹底比較!利用時のポイントや必要書類
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太陽光発電投資は設備にかかる費用が大きくなるため、現金ですべてを賄う人は少数で、通常はローンを組んで金融機関から融資を受けます。
基本的に売電収入からローンの返済を毎月行うわけですが、融資の条件によって太陽光発電で得る収益も大きく左右されるのです。
そこで融資を利用する際には、慎重に金融機関を選ぶことが重要なポイントとなります。
今回は、太陽光発電ではどのような融資が利用できるのか、手続きの流れなどをいくつかご紹介していきます。
目次
1.太陽光投資に融資を活用すべき3つの理由
結論からいえば、融資を利用した方が太陽光投資の利益を大きくできるため、無理のない範囲で積極的に活用すべきです。
この章では、太陽光投資に融資を活用すべき理由を、3つの観点からご説明します。
(1)融資により得られる収益をより増やすことができる
融資を利用することで、得られる収益を効果的に増やすことができます。
以下は、自己資金を利用した場合、自己資金および融資を利用した場合を比較し、年間利回り10%の太陽光投資を運用したケースを想定したものです。
最終的な収入の金額は、産業用太陽光発電の電力を一定価格で買い取る「FIT制度」の機関をもとに、20年間を最終年度として計算しています。
投資額 |
月間収入 |
20年目の総収入 |
|
自己資金:500万円 |
約4.17万円 |
1,000万円 |
|
自己資金:500万円,融資額:2,500万円 |
25万円 |
6,000万円 |
融資による借入金を使っていれば、自己資金は同じ500万円であっても、総収入に5,000万円程度の差が生まれるのです。
もちろん、融資を利用した場合にはここから利息を差し引くため、実際の総収入は数%低下します。しかし、それでも総収入には依然大きな金額差が生まれます。
(2)自己資金を早く回収できる
投資利回りを10%だと想定したとき、自己資金500万円のみ運用するのであれば、自己資金と同額の収入を得られるのは10年後です。
一方、自己資金と融資額を合計して3,000万円を運用すれば、自己資金の500万円と同額の収入に2年目で到達します。
自己資金までの回収が自己資金のみの運用であれば10年、自己資金と融資額を運用すれば2年と考えれば、融資による資産拡大の加速度がイメージできるはずです。
(3)太陽光への融資はリスクも比較的低い
一般的に、融資はハイリスクだと認識されています。
なぜなら、融資を利用して事業を始めたにもかかわらず、売上が立たずに返済金を捻出できない事態が起こり得るからです。
例えば、融資を活用して不動産投資をした場合、入居者が付かず家賃収入を得られなければ返済が滞ります。つまり、入居が決まるまでは、ずっと赤字運営になってしまうのです。
しかし、発電した電気の買取価格を固定している「FIT制度」の存在により、太陽光投資の収益性は安定的に保たれています。
不動産投資のように入居や退去に一喜一憂する必要はなく、継続的に一定の収益性が期待できることから、返済が滞るリスクは限りなく低いのです。
2.太陽光発電の融資先3つの利率やメリット・デメリット
太陽光発電に利用できる融資は主に3つあります。
-
日本政策金融公庫
-
銀行信用金庫
-
信販会社
それぞれの金融機関にて借入方法が若干異なってきますので、必要な資金、返済期間、返済可能額(見込み)などを考慮し適切な方法を選ぶ必要があります。
順番に各金融機関の金利や特徴を、章の最後にまとめて必要書類の一例をご紹介します。
(1)日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府系の金融機関。事業のために資金が必要になったとき、融資の申請先として有力な機関の1つです。
個人事業主と法人、いずれの融資も取り扱っており、太陽光投資の資金借入時に利用されます。
①日本政策金融公庫の特徴・金利・メリットデメリット
日本政策金融公庫は、政府系の金融機関。以下のような特徴、メリットやデメリットを持っています。
金利 |
0.9〜2%前後 |
メリット |
金利が低く、場所を問わず利用可能 |
デメリット |
必要書類が多く、審査に時間を要する |
日本政策金融公庫は、1%前後の好条件な金利水準で融資が受けられるため、金利を抑えたい投資家にとって有力候補となります。
後述する銀行も、場合によっては低金利で借入ができるのですが、日本政策金融公庫より年収を始め「申請者の返済能力」が重視される傾向が強めです。
その点、日本政策金融公庫は「事業の収益性・再現性」を重視する傾向にあるため、年収や職種にかかわらず融資を受けられる可能性があるのです。
②日本政策金融公庫で融資を受けるには
太陽光発電を対象として、日本政策金融公庫が行っている融資は「環境・エネルギー対策資金」のページに記載されています。
当該ページに記載されているように、融資を受けるためには各都道府県に設置された支店に相談し、その後に融資の申し込み・審査を行います。
下記が、融資申し込みから審査までのプロセスです。
- 日本政策金融公庫の窓口に融資を相談
- 必要書類を提出して融資を申し込む
- 事業者と担当者による面談
- 公庫の職員による事業計画等の審査
- 審査の結果、問題なければ融資実行
これは、後述する銀行・信用金庫とほぼ同様の流れです。なお、期間の目安は数週間~1ヶ月程度です。
③とにかく金利を抑えたい人におすすめ!
日本政策金融公庫による融資は、太陽光投資に利用できる借入のなかでも特に低い金利が設定されています。
また、収入や預貯金などの経済状況を重視する銀行に比べて、より「事業の再現性」や「事業者の素養」を重視することから、綿密に練った返済計画を用意すれば審査に通過する可能性は十分にあります。
審査に時間を要し、必要となる書類が多いことは難点であるものの、とにかく金利を抑えたい場合には有力な候補です。
(2)銀行・信用金庫
銀行・信用金庫は、融資を考えるとき真っ先に思い浮かぶ金融機関です。しかし、すべての銀行・信用金庫が、個人の太陽光投資家に融資をしているわけではありません。
メガバンク(都市銀行)は、融資額の小さい個人レベルの案件を扱わないケースが大半。地方銀行や信用金庫も、太陽光発電所の設置場所が営業エリア内でなければ、融資の対象としない場合がります。
そのため、銀行や信用金庫の利用を検討するのであれば、購入を希望している太陽光発電所のエリアを管轄している機関が、融資申し込みの候補に挙がります。
①銀行・信用金庫の特徴・金利・メリットデメリット
銀行・信用金庫は、以下のような特徴、メリットやデメリットを持っています。
金利 |
1.0~2.5% |
メリット |
金利が低い |
デメリット |
個人の場合、営業エリア外の場合は利用できないケースがある |
銀行や信用金庫は金利の幅が広く、金融機関の方針や担当者の違いによって条件にバラつきがあります。
そのため、優良な条件を提示してもらうまでに、多くの機関をあたらなければならないケースが多々あるのです。
また、収入や経済状況が審査結果を大きく左右することから、ある程度の「返済能力の高さ」をアピールできる職種や地位でなければ、融資が下りない可能性は高いでしょう。
②銀行・信用金庫で融資を受けるには
前述したように、すべての機関が個人の太陽光投資家に融資をするわけではありません。
そのため窓口に訪問する、あるいは電話をかけて「太陽光投資へ融資を行っているのか否か」という点を明らかにする必要があります。
また、購入を検討している物件が優良案件であるほど、ライバルに先を越される可能性が高いため、長い時間をかける余裕がないことを覚悟しなければならないでしょう。
融資の申し込みから、審査終了までは下記のような手順で行われます。
- 銀行の窓口に融資を相談
- 必要書類を提出して融資を申し込む
- 事業者と担当者による面談
- 銀行による事業計画等の審査
- 審査の結果、問題なければ融資実行
上記のプロセスを経て、審査基準を満たせば融資が実行されます。期間の目安は、数週間~1ヶ月程度です。
③過去に取引履歴がある人、経済的に余裕がある人におすすめ!
特に銀行は融資申請者の返済能力を重視するため、過去に銀行で融資を利用したことのある人、あるいは収入が高く安定している人でなければ審査通過は困難です。
何度も取引するほど信用は高まり、後々に投資をする際の融資審査が少しずつ有利になるため、上記のケースに当てはまるなら優先してアプローチすべき金融機関だといえます。
(3)信販会社
信販会社は、銀行のようにお金を預かる事業をすることなく、クレジット(後払い)取引を主な事業とする機関です。
多くの投資家が融資の際に利用しており、ローンをもちいた太陽光投資を行うときに有力な検討候補となります。
①信販会社の特徴・金利・メリットデメリット
信販会社は、以下のような特徴、メリットやデメリットを持っています。
金利 |
2.5%前後 |
メリット |
審査は易しく、審査期間が短い |
デメリット |
金利がやや高い |
信販会社は、日本政策金融公庫や銀行と比べて審査基準が易しく、他の金融機関では借入できない場合の最有力候補です。
その手軽さから、日本政策金融公庫や銀行を検討することなく、初めから信販会社を利用するケースもあるほど。
金利がやや高い点はデメリットであるものの、2.5%の利息を支払っても十分な収益が出るなら、前向きに検討しても問題ありません。
②信販会社で融資を受けるには
信販会社は、太陽光発電所の販売業者と提携しているため、販売業者を通じて申込書を提出すれば容易に申し込みができます。
審査期間も他の金融機関より短く、以下のような手順で基本的には数日、早ければ即日で審査が完了します。
- 販売業者と提携している信販会社に融資を申し込み
- 審査終了後に契約を交わし、数日以内に融資実行
ただし、販売業者の提携先であるが「利用できる信販会社」になるため、購入候補の物件を買うにあたり希望の信販会社を利用できない可能性がある点には注意してください。
③とにかく手軽さ・早さを重視する人におすすめ!
審査期間の長さや多くの必要書類をわずらわしく思い、日本政策金融公庫や銀行にハードルの高さを感じている場合、とにかく手軽で早く融資を受けられる信販会社はおすすめです。
スマエネの物件掲載ページには、検索機能の1つとして「どの信販会社が利用できるか」を絞り込むシステムを採用しているため、希望する信販会社がある場合もワンアクションで理想的な物件を洗い出せます。
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(4)融資を利用するとき必要となる書類
日本政策金融公庫や銀行の融資を利用するとき、必要になる書類は以下のようなものです。
-
借入申込書
-
事業計画書(日本政策金融公庫の場合は創業計画書)
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本人確認書類・法人登記証明書
-
設備見積書・設備計画図
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決算書・確定申告書
-
登記簿謄本
-
印鑑証明書など
各金融機関ともに必要書類は似通っていますが、金融機関によって準備物はやや異なります。準備物の不足によって融資が受けられない事態を避けるため、窓口で事前に確認しておきましょう。
3.太陽光発電の融資を検討する際のポイント
融資の種類が大まかに理解できたところで、融資に関する基礎知識を学んでおきたいと思います。
いかに有利な条件で融資が組めるかが、今後の事業運営に大きく関わってくるのです。最低でも押さえておきたいポイントを紹介します。
(1)融資を活用できるかどうかを考える
融資を活用した方が良い場合、活用すべきタイミングではない場合は、以下を基準に判断することを推奨します。
これらのポイントを満たす場合であれば、融資を前向きに検討すべきでしょう。
- 手持ちの預金は少ないけれど資産運用を始めたい
- 勤続年数が長いため、金融機関から返済能力を評価されやすい
- これから専業投資家として太陽光投資を始めたい
- まだ金融機関から融資を受けたことがない
一方、転職したばかりであったり、すでに複数の「事業用途ではない借入」があったりする場合、スムーズに融資を利用できる可能性が下がります。
また、経済的に安定していないことから、慎重に融資の活用を判断することをおすすめします。
(2)金利や融資額について精査する
投資の収益率を高め、借入によるリスクを最小限に抑えるためには、ごくわずかな金利差でもシビアに検討する姿勢が大切です。
例えば1000万円を金利2%、10年間で返済した場合、完済時の利息総額は104万1557円です。
一方、金利が0.3%高い2.3%になった場合、利息総額は120万3517円になり、約16万円の差額が出ます。
このように、年間でほんの数万円,数千円の違いだったとしても、10年,20年と払い続ければ利息だけでも大きな差額が生じます。
わずか数%の違いだからと軽視せず、金利に対してはかなりシビアに見ていくことが必要なのです。
また、利率だけでなく、返済期間によっても完済時の支払い総額は大きくかわりますので、慎重に計画を立てるようにしましょう。
(3)収益シミュレーションはしっかりと
金利が大きければ、返済総額は高くなり手残りの収入は減ってしまいます。
太陽光投資は安定した収益性を持つ投資商品ではあるものの、収入は「天候」という予測困難な要素に左右されることから、収支シミュレーションにはブレが生じることを年頭に置いてください。
綿密な収支シミュレーションを行い、そのうえで許容できる金利水準を設定することで、「意外に手残りが少ない」といった状況に陥らないよう注意が必要です。
スマエネでは、メンテナンス費やローン利息をすべて考慮した、現実的な収支シミュレーションを掲載しています。
簡易的に計算した利回りだけでなく、シビアな投資判断にもご利用いただける資料となっているので、ぜひご活用ください。
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6.融資を活用してスピーディーな資産形成を
月々のローンの返済は基本的に売電収入で賄えるため、太陽光発電は返済計画が立てやすく、融資を活用しやすい投資方法だといえます。
さらに、固定価格買取制度によって、産業用の太陽光発電であれば20年間は固定価格での買取が保証されています。融資を利用することで、条件のいい太陽光発電設備が完備できれば一定の利回りを期待することが可能です。
いざ現金を用意するとなると、ためらいがちな太陽光発電。今回紹介したように、利用できる融資は主に3つの種類があり、多数の業者から選べるので、今すぐ全額を用意する必要はありません。
可能な限り条件のよい融資を活用して、頭金をあらかじめ用意するなどそれぞれ無理のない収支計画を立てることが大切です。太陽光発電はこれから需要が伸びる分野でもあります。スピーディな資産形成にて将来に備えていきましょう。
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