2019.09.01 Sep
更新日時:2019.10.05 Sat
【シミュレーション】太陽光発電で投資額の元は取れる?取れない?
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太陽光発電投資は、太陽光発電設備を購入し、発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことで売電収入を得る投資です。太陽光発電設備の購入も含め、太陽光発電投資を始めるには莫大な初期費用がかかりますし、続けるうえではランニングコストもかかります。
太陽光発電投資では、こうした投資額をしっかり回収できるのでしょうか?今回は、太陽光発電は投資額の元が取れるのかどうかについて徹底解説していきます。
目次
1.太陽光発電で投資額の元は取れる?取れない?
結論からいえば、太陽光発電投資では、十分投資額の回収が見込めます。とはいえ、いきなりそういわれても、信用できないという方も多いでしょう。
そこでここでは、太陽光発電で投資額の元が取れるという根拠について説明していきます。
(1)産業用太陽光発電の平均利回りは10%前後
土地付き太陽光発電の物件では、どこの地域でも、表面利回りは10%前後になっています。表面利回りとは、物件の販売価格に対して、どれくらいの収入が見込めるかを表した表面的な利回りです。表面利回りは、以下の式で計算できます。
表面利回り=初年度売電収入(税込)÷太陽光発電設備の販売価格(税込)×100
太陽光発電では、FIT制度(固定価格買取制度)によって、1kWhあたりのFIT価格が決まっています。このFIT価格に年間の発電量を掛けたものが、1年間の売電収入です。
表面利回りが10%なら、単純計算で10年あれば初期費用を回収できることになります。FIT制度によって定められた売電期間は20年なので、ちょうど半分の期間で元が取れる計算です。
スマエネの「物件を探す」に掲載している物件情報では、運用にかかる具体的なコスト・収入をシミュレーションシートにまとめて、どれほど利益を得られるのか解説しています。
希望する価格・利回り・立地を入力するだけで、理想に近い物件をピックアップできるので、本記事とあわせてご参照ください。
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①産業用太陽光発電の実質利回りは6~8%程度
太陽光発電投資では、投資額を10年あれば回収できると説明しましたが、これはあくまで設備の購入費用に限った話です。冒頭で説明したとおり、太陽光発電投資を続けていくうえでは、ランニングコストもかかります。
初期費用が回収できても、ランニングコストまで回収できなければ利益が出ないため、投資をする意味がありません。このランニングコストも考慮した実質的な利回りが、実質利回りです。太陽光発電投資の実質利回りは、以下の式で計算できます。
経費・利息差引き後の20年間の売電収入÷20年÷設備の販売価格×100
ここでいう経費は、ランニングコストと同義です。
また、太陽光発電設備の価格は高額なため、ほとんどの人がローンを利用することになります。実質利回りを算出するうえでは、このローンの利息も計算に入れなければなりません。
多くの太陽光発電設備では、実質利回りは6~8%程度です。経費やローンも考慮しているぶん、実質利回りは表面利回りより低くなります。
しかし、実質利回りが7%でも、単純計算で14年と少しで、ランニングコストも含めた投資額を回収できることになります。
関連記事:太陽光投資は超かんたん!?何も知らないド素人でも投資家になれた話
(2)スマエネのシミュレーションをもとに算出
ここまで、利回りをもとに、どれくらいで投資額を回収できるのかについて簡単に説明してきました。ここでは、より具体的な投資額の回収期間を、当メディア「スマエネ」の案件のシミュレーションをもとに確認していきましょう。
シミュレーションの前提条件として、スマエネでは各物件の年間経費の項目について、以下のように計算しています。
経費項目とそれぞれの計算方法 | |
メンテナンス費 | パネル容量×1,000円/年で計算 |
損害保険料 | 40,000円/年で計算 |
固定資産税(設備) | 設備の購入価格×減価残存率×1.4% |
土地金額(土地賃貸の場合) | 20年間の賃貸借料の総額を20で割ったもの |
メンテナンス費は、設備の点検やパネルの清掃など、太陽光発電設備を稼働するのに必要なメンテナンスを業者に外注した場合の費用です。スマエネでは、年間のメンテナンス費をパネル容量×1,000円で計算しています。
損害保険料は、自然災害の発生に備えて加入する火災保険や動産総合保険などの保険の掛け金です。低圧の場合の概算として、年40,000円で計算しています。
固定資産税は、主に土地や家屋などにかけられる税金です。太陽光発電設備にも、固定資産税の一種である償却資産税がかかります。
償却資産税は、設備の購入費用に法定耐用年数ごとの減価残存率と1.4%を掛けて計算します。
出所:東京都主税局「減価残存率表」
太陽光発電設備の法定耐用年数は17年なので、購入初年の減価残存率Aは0.936、2年目以降の減価残存率Bは0.873です。太陽光発電設備の購入価格に初年の減価残存率0.936を掛けた額が、1年目の固定資産税対象額になります。
例えば、このあと紹介する設備価格1,900万円の物件の場合、1年目の固定資産税対象額は1,778万4,000円です。これに1.4%を掛けた24万8,976円が、設備にかかる1年目の固定資産税です。
設備購入2年目以降は、前年の固定資産税対象額に0.873を掛けたものが固定資産税対象額、これに1.4%を掛けたものが設備の固定資産税になります。設備価格1,900万円の物件の場合、2年目の固定資産税対象額は1,552万5,432円、設備の固定資産税は21万7,356円です。
また、スマエネではローンの利息を2.5%、元本と利息を合わせて毎月一定の額で返済する「元利均等返済」の15年返済で計算しています。では次から、ここまでの前提を踏まえたうえで、実例として3つの案件のシミュレーションについて紹介していきましょう。
①FIT単価21円・販売価格2,600万円の太陽光投資案件
最初に紹介するのは、FIT単価21円・販売価格2,600万円の案件です。この案件の概要は、以下のとおりです。
FIT単価21円・販売価格2,600万円の案件の概要 | |
販売価格(税込) | 2,600万円 |
設備価格(税込) | 1,900万円 |
土地金額 | 700万円 |
パネル容量 | 108.00kW |
初年度想定発電量 | 125,851kW |
FIT単価(税込) | 22.68円 |
初年度売電収入(税込) | 285万4,301円 |
土地契約形体 | 賃貸 |
表面利回り | 11.0% |
実質利回り | 7.49% |
販売価格は、設備価格と土地金額の合計額です。といっても、こちらは土地契約形態が賃貸なので、土地価格は20年間の賃料の総額になります。
初年度想定発電量は、パワーコンディショナや太陽電池パネルの情報、過去の日照データやパネル容量からシミュレーションしたものです。この案件は、FIT価格が22.68円(税込)だった2017年に売電契約を結んでいるものです。
スマエネでは、太陽光発電設備の各案件のページで、それぞれの収支シミュレーションを公開しています。FIT単価21円・販売価格2,600万円の案件のシミュレーションは、以下のとおりです。
このシミュレーション表のなかで、特に注目すべきは以下の2点です。
シミュレーションでチェックすべき項目 | 計算方法 |
投資額対年間回収金額推移 | 販売価格-経費・利息差引き後の売電収入 |
税引き前利益 | 売電収入-経費合計-ローン返済額 |
「投資額対年間回収金額推移」は、物件の販売価格から、経費と利息を差し引いた後の売電収入を引いた額です。ここを見れば、初期費用にランニングコストとローンの利息も含めた、それまでの投資額が何年目で回収できるかが分かります。
FIT単価21円・販売価格2,600万円の案件のシミュレーションでは、14年目に投資額の回収が終わり、黒字に転じることが分かります。
「税引き前利益」は、売電収入から経費とローンの返済額を引いた額です。この額が、法人税や所得税が引かれる前の利益額になります。
FIT単価21円・販売価格2,600万円の案件のシミュレーションでは、20年間の最終的な税引き前利益額は1,992万4,245円です。
②FIT単価18円・販売価格2,330万円の太陽光投資案件
続けて、FIT単価18円・販売価格2,300万円の案件のシミュレーションを見ていきましょう。こちらの案件の概要は、以下のとおりです。
FIT単価18円・販売価格2,330万円の案件の概要 | |
販売価格(税込) | 23,306,890円 |
設備価格(税込) | 22,206,890円 |
土地金額 | 1,100,000円 |
パネル容量 | 106.60kW |
初年度想定発電量 | 112,156kW |
FIT単価(税込) | 19.44円 |
初年度売電収入(税込) | 2,180,313円 |
土地契約形体 | 賃貸 |
表面利回り | 9.4% |
実質利回り | 6.66% |
こちらは、FIT価格が19.44円(税込)だった2018年に売電契約を結んだ案件です。初年度発電予想量は11万2,156kWなので、初年度売電収入は218万313円になります。
この案件のシミュレーション表は、以下のとおりです。
投資額対年間回収金額推移を見ると、こちらの案件は16年目に投資額の回収が終わり、黒字になることが分かります。20年のFIT期間を終えた後の、税引き前利益の総額は884万6,980円です。
③FIT単価14円・販売価格1,937万円の太陽光投資案件
最後に、FIT単価14円・販売価格1,937万円の案件のシミュレーションについて紹介しましょう。こちらの案件の概要は、以下のとおりです。
FIT単価19円・販売価格1,937万円の案件の概要 | |
販売価格(税込) | 19,374,432円 |
設備価格(税込) | 17,374,432円 |
土地金額 | 2,000,000円 |
パネル容量 | 106.90kW |
初年度想定発電量 | 117,839kW |
FIT単価(税込) | 15.12円 |
初年度売電収入(税込) | 1,781,726円 |
土地契約形体 | 賃貸 |
表面利回り | 9.2% |
実質利回り | 6.18% |
こちらは、FIT価格が15.12円(税込)の2019年に売電契約を結んだ案件です。初年度発電予想量は11万7,839kWなので、初年度売電収入は178万1,726円になります。
この案件のシミュレーション表は、以下のとおりです。
投資額対年間回収金額推移を見ると、こちらの案件は17年目に黒字になることが見込めます。20年のFIT期間を終えた後の、税引き前利益の総額は658万5,864円です。
2.【事例】過去に大損した投資家も太陽光発電で成功
ここまで、実際の太陽光発電物件の収支シミュレーションについて説明してきました。しかし、これらはあくまでシミュレーションであるため、まだ本当に元が取れるのか不安だという方もいるかもしれません。
そこでここでは、実際に太陽光発電投資をしている成功者の実例を紹介します。
(1)投資額1,500万円で年間買電収入176万円の岡本さんのケース
現在は太陽光発電投資をしている岡本さんは、もともと株式投資をしていました。会社でIR部門を担当していたことから、株式投資への理解を深めた岡本さんは、すぐに利益を出せるようになりました。
儲かるようになった岡本さんでしたが、2008年のリーマン・ショックによって、財産の多くを失ってしまいます。会社に勤めていたため、大事には至りませんでしたが、岡本さんはこれをきっかけに投資の世界から離れます。
しかし、その数年後、祖父が住んでいた土地を相続することになり、土地の有効活用を考えていたときに太陽光発電投資に興味を持ちました。太陽光発電投資は低リスクであることを知り、実際に投資を始めるようになりました。
岡本さんは収支シミュレーションを業者に任せきりにせず、自分でも厳しくシミュレーションしたそうです。シミュレーションでは、税金を加味せずに約900万円の利益が得られる結果となりましたが、実際に始めてみると、それ以上の利益が見込めているようです。
岡本さんの投資額は1,500万円で、年間の買電収入は176万円にのぼります。これは単純計算で、8.5年で投資額を回収できることになります。
関連記事:【岡本 大輔さんインタビュー】投資額1,500万円で売電収入176万円/年
3.太陽光発電は他の投資に比べてなにが優れているの?
先ほど紹介した岡本さんのケースにもあるように、株式投資やFX、不動産投資など他の投資から、太陽光発電投資に乗り換える人は多くなっています。これは、太陽光発電投資には、他の投資にはない大きなメリットがあるからです。
では、太陽光発電投資は他の投資に比べて、いったい何が優れているのでしょうか?ここでは、他の投資と比べた、太陽光発電投資の優位性について説明していきます。
(1) 安定して収入が得られる
株式投資やFXは大きく稼げることもありますが、もちろんその逆も十分あり得る、リスクの高い投資です。
不動産投資は、株式投資やFXに比べると事業に近い側面を持っていますが、空室があると家賃収入がガクッと減ってしまうため、安定的な収入は望めません。その点、太陽光発電投資は、安定して収入が得られる投資です。
太陽光発電投資ではFIT制度によって、1kWhあたりのFIT価格が保証されています。そのため、発電した分だけ、確実な収入が見込めるのです。
不動産投資と太陽光発電投資のどちらにするかで迷う人は多いのですが、最終的に安定感に惹かれて、太陽光発電投資を選ぶ人が多くなっています。
(2) キャッシュフローが優れている
不動産投資の場合、家賃収入は部屋を貸している相手から支払われます。この場合、部屋の住人が家賃を滞納すれば、予定通りに家賃収入を得られません。
一方で、太陽光発電投資の場合、売電収入は東京電力など、各地の電力会社から支払われる形になります。家賃収入と違って、支払いの遅延がないため、キャッシュフローの安定感が優れているといえます。
(3) 景気情勢に左右されない
株式投資やFXは景気情勢の悪化や金融危機などによって、大きな損失を出してしまうリスクがあり、常にこうした不測のリスクを抱えた状態で投資をしなければなりません。
その点、太陽光発電投資は、当然ながら景気情勢に左右されません。株式投資やFXのように、不安な気持ちを抱えながら投資をする心配はほとんどないといえます。
(4) メンテナンスを外注することで、半不労所得のように収入を得られる
株式投資やFXで生計を立てている人は、1日のうちのほとんどの時間、チャート画面に張り付いている人も少なくないと聞きます。これでは、利益が出たとしても、労力は計り知れません。
太陽光発電投資も、設備を購入すれば終わりというわけではなく、点検やメンテナンスが必要です。日頃の点検やメンテナンスには、かなりの労力がかかります。
しかし、太陽光発電投資では、点検やメンテナンスを業者に外注するのが一般的です。点検やメンテナンスを外注すれば、事業者は何もしなくても売電収入が得られます。
つまり、FIT期間の20年もの間、半不労所得のように安定した収入が得られるのです。
4.リスク管理さえすれば太陽光発電は元が取れる
ここまで説明してきたとおり、太陽光発電投資は安定した収入を長期的に得られる投資です。シミュレーションの実例で紹介したとおり、設備の購入費用や各種経費、ローンの利息など投資額の元を取ったうえで、十分な利益を得ることが期待できます。
ただし、太陽光発電投資でも、大きな損失が出てしまうケースもあります。それは多くの場合、保険への加入や立地選定を怠った事業者に起こります。
太陽光発電設備は、台風や大雨などの自然災害の発生によって大きな被害を受けることもあるため、保険への加入は必須です。また、太陽光発電設備の発電量は設置場所の日射量に依存するため、日射量の少ない場所に設備を設置してしまうと、発電量が少なくなってしまいます。
逆にいえば、太陽光発電投資はこうしたリスク管理さえ怠らなければ、十分に元が取れる設計になっています。そのため、太陽光発電投資に興味があるという方は、リスク管理をしっかりしたうえで、安心して投資するようにしましょう。
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