2019.09.28 Sep
更新日時:2019.09.28 Sat
太陽光発電に適している土地とは?そもそも土地は買うべき?
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太陽光発電投資をするうえでは、設備を設置する土地が必要です。どんな土地を選ぶかによって、太陽光発電投資の成否は大きく左右されるといっても過言ではありません。
今回は、太陽光発電投資を始めるにあたって、土地の購入を考えている方のために、太陽光発電にはどんな土地が適しているのかについて説明していきます。
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目次
1.太陽光発電に適している土地の特徴とは?
太陽光発電設備を設置する土地は、どんなものでもいいというわけではありません。なぜなら、太陽光発電に適している土地も、そうでない土地もあるからです。
では、どういった土地なら、太陽光発電に適しているといえるのでしょうか?ここでは、太陽光発電に適している土地の特徴について紹介していきます。
(1)エリア一帯の日射量が多く発電に適している
太陽光発電投資で得られる売電収入の額は、「発電量×FIT単価」で決まります。FIT単価は売電契約を結んだ年によって決められているので、高い売電収入を得るには発電量が重要です。
発電量は、太陽光発電設備を設置する土地の日射量によって決まります。日射量とは、太陽から放射されるエネルギーの量を測定したものです。
太陽光発電では、パネルが受けた太陽光をエネルギーにして発電しているため、日射量が多いほど、発電量も多くなるのです。
国立開発研究法人の「NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)には「日射量データベース閲覧システム」があり、全国の日射量マップも公開されています。
出所:NEDO日射量データベース閲覧システム「日射量マップ」
これを見れば、各地の年間の平均日射量が一目で分かります。太陽光発電設備を設置する場所を選ぶうえでは、この日射量マップを参考にするといいでしょう。
(2)日光を遮る建物がなく積雪・落ち葉も少ない
いくら日射量の多い土地に太陽光発電設備を設置しても、パネルに太陽光が届かなければ意味がありません。太陽光パネルに影ができてしまうと、その部分は発電ができなくなってしまいます。
そのため、近くに日光を遮るような建物や山があるような土地には、太陽光発電設備を設置するのはやめておきましょう。逆に、近くにこうした障害物がない土地は、太陽光発電にうってつけの土地だといえます。
また、周囲が木々に囲まれていて、落ち葉の多いような土地にも注意が必要です。太陽光パネルのうえに葉が落ちると、その部分に影ができて発電できなくなってしまいます。
それどころか、その部分は送電の際の電気抵抗となって発熱し、パネルの故障や発火にもつながりかねません。
①見落としがちな積雪リスクも事前に要チェック
雪の多い土地も、太陽光発電には不向きだといえるでしょう。積雪によってパネルが埋もれてしまえば、雪が溶けるまで発電ができなくなってしまいます。
雪の多い土地に太陽光発電設備を設置したい場合は、パネルの傾斜角度を急にして雪が落ちるようにしたり、柱を高くしてパネルの位置を高くしたりするなどの対策が有効です。
ただし、理由は後述しますが、パネルの傾斜角度を急にすると、土地の面積が余計に必要になります。柱を高くすると安定しなくなるため、自然災害があった際、設備全体が崩れてしまうリスクが高くなります。
そのため、雪の多い土地は、候補から外しておくのが賢明だといえるでしょう。
(3)土砂災害や洪水の影響を受けづらい
太陽光発電設備は屋外に設置するため、自然災害が起きた際、その影響をダイレクトに受けてしまいます。そのため、自然災害の影響を受けやすそうな土地はおすすめできません。
土地を選ぶうえで特に注目したいのが、土砂災害に遭わないかという点です。
2018年には西日本豪雨により、太陽光発電設備を設置していた土地が土砂崩れを起こし、設備全体が大破してしまった発電所もありました。この太陽光発電所は、切土・盛土した土地に設置されており、幅・長さともに50メートルにわたって土地が崩落してしまったのです。
このような被害を受けないためにも、太陽光発電設備は土台の安定した土地に設置すべきです。また、河川の近くの土地も、太陽光発電設備を設置するのには向きません。
こうした土地は、大雨が降った際、河川の水が増水して洪水被害に遭ってしまいます。土地を選ぶときは、自然災害が起きた際にどのような影響があるのかまで考えられるといいでしょう。
関連記事:【被害画像多数】2018年度の被災から学ぶ!太陽光事業者が知るべき被害ケース3つ
(4)セルフメンテナンスをするなら距離も重要
太陽光発電投資をするうえでは、設備の点検やパネルの清掃、施設内の草刈りなどのメンテナンスが必要です。
メンテナンスは業者に外注するのが一般的ですが、自分で行う人も少なくありません。なぜなら、メンテナンスを自分ですれば、外注費がかからないぶん、得られる利益額が高くなるからです。
とはいえ、自宅から遠い場所にある土地を購入すると、メンテナンスをしに行くたびに高額な交通費がかかってしまいます。これでは、自分でメンテナンスをして経費を削減する意味がなくなってしまいます。
そのため、自分でメンテナンスをするのなら、自宅の近くの土地を選ぶようにしましょう。
2.太陽光発電における土地選定時の注意点
ここまで、太陽光発電に適している土地の特徴について説明してきました。ここまでの説明で、どういった土地を購入すればいいのか、イメージがわいてきたのではないでしょうか。
しかし、太陽光発電設備を設置する土地を選ぶうえでは、いくつかの注意点もあります。ここでは、太陽光発電における土地選定時の注意点について説明していきます。
(1)購入を検討している土地の地目は要チェック
太陽光発電設備は、地目によって、設置できる土地とできない土地があります。地目とは、土地を利用目的や利用状況によって区分したものです。
主に、以下の種類があります。
地目の主な種類 | |
宅地 | 住宅など、建物を建てるための土地 |
田 | 用水を使用して耕作する土地 |
畑 | 用水を使用しないで耕作する土地 |
山林 | 樹木や竹が生育している土地 |
原野 | 雑草や低木が生育している土地 |
雑種地 | 22ある地目のどれにも当てはまらない土地 |
①宅地
建物を建てるための土地なので、太陽光発電設備を問題なく設置できます。ただし、他の地目に比べて、土地を所有した場合にかかる固定資産税が高額になっているので注意しましょう。
②田・畑などの農地
別の目的で使用する場合、「農地転用」手続きが必要です。農地転用は手続きが非常に煩雑で、手間や時間がかかるうえ、手続きを行政書士に依頼する場合はお金もかかります。さらに、手続きをしても、許可がおりないケースも少なくありません。
そのため、よほどの理由がなければ、農地に太陽光発電設備を設置するのは諦めた方がいいかもしれません。
③山林・原野
太陽光発電設備を設置できます。ただし、設置するには、木々の伐採や整地が必要です。
原野は山林に比べて、生育している木の高さが低いぶん、土地の造成工事がしやすくなっています。都市部から離れており、周囲に障害物が少ないため、太陽光発電に適した土地だといえるでしょう。
④雑種地
宅地や田・畑、原野や山林などのどれにも当てはまらない土地を指します。雑種地にも、太陽光発電設備を設置できます。
このように、田や畑などの農地以外であれば、太陽光発電設備は設置可能です。固定資産税の額や、伐採も含めた造成工事の費用などを考慮して、地目を選ぶといいでしょう。
(2)十分な土地面積が確保できるのか確認すべき
土地の購入を検討している方のなかには、すでにどれくらいのパネル容量の太陽光発電設備を設置するか考えている方もいるかもしれません。その場合、希望するパネル容量に応じて、どれくらいの広さの土地が必要なのかについて理解しておきましょう。
太陽光パネルの大きさはメーカーや製品によっても差がありますが、1枚あたり165cm×100cm程度、1枚のパネルの出力は300Wのものが主流です。
太陽光発電では、このパネルを縦横に並べ、なおかつ傾斜をつけて、架台に設置していきます。1つの架台に並べた、ひとかたまりのパネルは「アレイ」といいます。このアレイを施設内に複数設置することで、パネル容量を増やしていくのです。
①アレイとアレイの間のクリアランスには要注意
アレイとアレイの間には、「クリアランス(隙間)」が必要です。先ほども説明したとおり、太陽光パネルは傾斜をつけた状態で架台に設置します。アレイ同士を隙間なく配置すると、高所にあるアレイの影が、すぐ後ろにある別のアレイにかかってしまいます。
これでは、影がかかってしまった部分は発電ができません。そのため、アレイとアレイの間には、影がかからないようなクリアランスを確保する必要があるのです。
では、クリアランスも含めた、太陽光発電設備の設置に必要な土地の面積はどれくらいなのでしょうか?パネル容量ごとの必要な面積の目安は、以下のとおりです。
容量 | パネルの枚数 | 設置に必要な面積 | |
傾斜10度 | 傾斜30度 | ||
10kW | 34枚~ | 130㎡ | 180㎡ |
30kW | 100枚~ | 295㎡ | 400㎡ |
50kW | 167枚~ | 490㎡ | 700㎡ |
80kW | 267枚~ | 700㎡ | 930㎡ |
100kW | 334枚~ | 940㎡ | 1,340㎡ |
「太陽光発電50kWの必要面積も暗算で!設置可能規模の目安と計算方法」から引用
※300Wの太陽光パネルを横置4段構成で設置した場合
パネルの傾斜角度が10~30度なら、必要な面積は、パネル容量1kWあたり10~15㎡くらいが目安です。
パネルの傾斜角度は、急にすればするほど、必要な面積が増えるので注意しましょう。これは、パネルの角度をつけるほどアレイが高くなり、影の面積も大きくなるためです。
(3)周囲にある住宅との位置関係に注意
土地を選ぶうえでは、周囲にある住宅との位置関係にも注意が必要です。過去には、太陽光パネルから反射した光が、一般住宅に長時間入り続けるというケースで裁判が起きたこともあります。
太陽光パネルは、南向きに設置するのが一般的です。これは、太陽光パネルを南向きにするのが、最も発電効率が良いからです。
日射量は正午の、太陽が真南にあるときに最も多くなります。パネルが南向きなら、この時間の日射を多く集められるのです。
また、パネルを北向きに設置した場合、太陽光は近隣の建物に向かって反射しますが、南向きに設置した場合、パネルに反射した光は上空に逃げていきます。同じくらいの高さにあるなら、太陽光が近隣住宅に反射する心配はほとんどありません。
①太陽光発電設備より高い位置に住宅がある場合は注意
ただし、南向きに設置しても、近隣の住宅が太陽光発電設備を設置する土地より高い位置にあれば、太陽光が反射する可能性もあるかもしれません。
そのため、太陽光パネルは南向きに設置することを前提にしたうえで、太陽光発電設備を設置する土地より高くて近い場所に近隣住宅がないかどうかもチェックしておきましょう。
太陽光の反射トラブル以外にも、太陽光発電設備の設置が苦情につながるケースは少なくありません。例えば、施設内の雑草が景観を損ねるというものや、パワーコンディショナの動作音がうるさいといった苦情があります。
こうした近隣住宅からの苦情を避けるためには、最初から周囲に住宅がない土地を選ぶのも1つの方法です。
3.土地を購入すべき場合・そうでない場合の違いとは?
ここまで太陽光発電設備を設置する土地の選定方法について説明してきましたが、そもそも土地は購入すべきなのでしょうか?土地は購入する以外にも、借りるという方法もあります。
土地の購入は土地賃貸と比較して、メリットもデメリットもあります。購入か賃貸かで迷っている方は、メリットとデメリットの両方を理解したうえで、どちらにするか決めるといいでしょう。
ここでは、太陽光発電設備を設置する土地を購入するメリットとデメリットについて説明していきます。
(1)太陽光発電をするのに土地を購入するメリット
土地購入のメリットは、FIT期間終了後も売電が続けられる点です。
太陽光発電投資では、FIT制度によって、発電した電気を固定価格で買い取ってもらえます。この期間は、20年間と定められています。
しかし、FIT期間が終わっても、売電ができなくなるわけではありません。それまでのように、東京電力などの各地の電力会社に固定価格で売電することはできませんが、自分で電気の販売先を見つければ、FIT期間終了後も売電収入が得られます。
土地を購入すれば、太陽光発電設備が寿命を迎えるまで、こうした形で売電を続けられるのです。
一方で、土地賃貸の場合、契約期間が終了すれば、太陽光発電設備の寿命に関係なく、すぐに設備を撤去しなければなりません。
そのため、FIT期間終了後も売電を考えているのなら、賃貸よりも購入の方がおすすめです。
(2)太陽光発電をするのに土地を購入するデメリット
土地を購入することのデメリットは、土地の固定資産税がかかる点です。固定資産税は、土地や家屋などの固定資産にかかる税金です。
固定資産税の税額は、以下の計算式で求められます。
固定資産税評価額×標準税率1.4%
※自治体によっては、標準税率が1.4%以上のところもある
固定資産税評価額は、太陽光発電設備を設置する土地がある地区の自治体が「固定資産評価基準」をもとに決定しています。土地の購入価格の70%程度が、固定資産税評価額の相場です。
これに、標準税率の1.4%を掛けた値が、毎年納める固定資産税額になります。70%に1.4%を掛けると、毎年土地の購入価格の約1%を納める計算になります。
ただし、固定資産税評価額は3年ごとに見直されるため、ずっとこの金額を納め続けるわけではありません。固定資産税を納めたくなければ、土地は購入ではなく、賃貸の方がおすすめです。
4.土地選びは太陽光発電の成否に関わる重要ポイント
太陽光発電投資をするうえで、土地選びは非常に重要です。太陽光発電設備を設置する土地の日射量が少なければ、十分な発電量が得られず、売電収入が少なくなってしまいます。
土地を購入して、太陽光発電設備を設置してしまえば、発電量が少ないからといって、安易に設備を引っ越しさせることもできません。そのため、太陽光発電設備を設置する土地は、よく考えたうえで慎重に決めるべきです。
太陽光発電投資を始めるにあたって、土地の購入を考えている方は、ぜひこの記事で紹介した選定ポイントを参考にして、購入する土地を選びましょう。
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