土地付き太陽光発電とは?投資額を最短で回収するためのメソッドを解説

今野 彰久

著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
自身でも太陽光投資をしているため、投資する方の目線でのご紹介を得意としています。

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土地付き太陽光発電は、土地を保有していなくても太陽光発電に参入できる、土地未保有者にとってありがたい商品です。


しかし、なかなか馴染みのない言葉ですし、実際にどれほど投資として優れているのか分かりづらいですよね?


今回は、土地付き太陽光発電に投資をしたとき、どの程度の期間で投資額を回収できるのか解説していきます。

スマエネの「物件を探す」に掲載している物件情報では、運用にかかる具体的なコスト・収入をシミュレーションシートにまとめて、どれほど利益を得られるのか解説しています。

希望する価格・利回り・立地を入力するだけで、理想に近い物件をピックアップできるので、本記事とあわせてご参照ください。

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1.「土地付き太陽光発電」とは土地と太陽光発電システムがセットになったもの

土地付き太陽光発電とは、土地と太陽光発電システムが設置されているものをセットで購入する方式のことです。「分譲太陽光発電所」とも呼ばれます。

土地付き太陽光発電所の一般的な投資容量とされる49kW前後の規模なら、購入費用は1,000万円前後をみておきましょう。また、土地付き太陽光発電には「補償」や「メンテナンス」を含めて販売しているものもあり、運営を業者に任せることもできます。

そのため、初期費用やメンテナンス費用を減らすことができれば投資回収期間も短くできます。補償やメンテナンスが付いているかは、土地付き太陽光発電を購入するうえでひとつの指針といえます。

2.土地付き太陽光発電における投資額の回収期間は10年強

土地付き太陽光発電の表面利回りは、おおよそ10%前後です。実際には運用コストがかかるため、投資額の回収期間は10年少々になるものの、数ある投資方法のなかでも非常に利益率の良い投資となっています。

料金

スマエネの案件情報でいえば赤枠部分が「実質利回り」、その上にある数値が「表面利回り」です。

これらが高いほど投資額の回収期間は短くなるため、太陽光案件を探すときには必ず確認しておきましょう。

3.ランニングコストを含めると正確な回収期間が算出

スマエネの案件情報では、ランニングコストをシミュレーションシートに記載しています。

表

表

上記のうち「経費項目」の部分が、ランニングコストとなります。

(1)ランニングコストの算出方法

スマエネの一部物件、他サイトの掲載案件のなかには、表面利回りしか記載されていないものもあるため、以下のようなランニングコストの計算方法を覚えることをおすすめします。

ランニングコストの考え方
メンテナンス費 パネル容量×1,000円(概算)
損害保険料 50kW未満は40,000円(概算)
固定資産税

1年目は20万前後。

徐々に減少して17年目以降はゼロ

地代・賃料 一括決済・分割払いがあるため要確認

スマエネでは、おおよそ上記のような基準で算出しています。

(2)固定資産税の計算方法

スマエネでは、シミュレーションシートに固定資産税も記載されていますが、なかには記載されていない案件もあるため固定資産税の計算方法を解説していきます。

評価額(固定資産税対象額)の求め方
1年目 評価額=発電施設の導入費用×(1-0.064)
2~17年目 評価額=前年度の評価額×(1-0.127)

上記の計算式から求めた評価額に1.4%を掛け算することで、固定資産税額を算出できます。太陽光発電施設の投資費用から割り出せるため、固定資産税評価額が記載されていない物件情報を見るときは、投資費用から逆算していきましょう。

スマエネの場合、計算のうち「発電施設の導入費用」や「前年度の評価額」に相当するのは、以下のシミュレーションシートのうち赤枠部分です。

料金

ですので、先ほどの計算式に実際に当てはめると、以下のような固定資産税額が求められます。

年数 固定資産税額
1年目 1,879万4,880円×1.4%=26万3,128円
2年目 1,640万7,930円×1.4%=22万9,711円
3年目 1,432万4,123円×1.4%=20万538円
・ 
・ 
n年度の固定資産税対象額×1.4%=n年度の固定資産税

固定資産税について、さらに詳しい内容は「太陽光投資の設備に課せられる「償却資産税」とは?計算方法や納付手順を解説」の記事で解説しています。本記事とあわせて参考にしてみてください。

(3)想定売電収入からランニングコストを差し引けば回収期間が分かる

ここまで計算できれば、あとは想定売電収入からランニングコストを差し引くことで、おおよその投資額回収までの期間が分かります。

また、ローンをした場合には、借入金額と金利を掛け合わせたものを返済期間で割り引いて、売電収入から引き算することで詳細な回収期間を算出可能です。

なお、想定売電収入はほぼすべての場合にシミュレーションデータを提示してもらえますが、自身で計算するのであれば「日射量から発電量を算出!太陽光発電のセルフシミュレーション方法」を参考に、想定発電量に売電単価を掛け算することで求められます。

4.土地付き太陽光発電における投資額の回収期間を早める3つの方法

さて、投資回収期間を計算できましたが、「できることならもっと短い期間で回収して利益を増やしたい」と誰もが思うものです。 そのためには、

  • 初期費用を抑える
  • ランニングコストを抑える
  • 売電収入額をできるだけ増やす

上記の3つの考え方に基づいた手段を講じるのが良いでしょう。

費用を抑えるといっても、メンテナンス費用などを惜しんだために不具合が生じると費用がかさみますから、メンテナンスはしっかり行い、順調な発電を続けることをおすすめします。 それでは具体的な方法をみていきましょう。

(1)販売価格に含まれる「特典」を見極めて回収期間を1~2年短縮

2148_05

実質的な初期費用やランニングコストを抑えるために有効なのが、販売価格に含まれる特典が多い物件を選択する方法です。

物件によっては「コミコミ」と表記されていたりしますが、販売価格に下記のような費用が含まれています。

①初期費用

  • 太陽光発電システム+土地代
  • 連携工事費負担金
  • フェンス代
  • 事業者名の標識代

②ランニングコスト

  • 遠隔監視システムの運用費用
  • 損害保険料

物件購入時にかかる連系工事負担金は約50万円もします。連系工事負担金とは、太陽光発電で発電した電力を売電するために必要となる、工事や手続きにかかる費用です。

発電エリアや発電設備の規模によりこの費用は変わりますが、多い場合には100万円にもなります。この費用が物件購入価格に含まれていて、かつ物件価格が相場と変わりなければとてもお得です。

ランニングコストに遠隔監視システムの運用も入っていた場合には、メンテナンス費用に遠隔監視システムを計上する必要がなくなります。ここまでコストカットができれば、場合によって2~3年早く投資額を回収できるはずです。

(2)青色申告を提出して消費税還付の手続きを行う

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太陽光発電所購入にかかった消費税は、手続きを行うことで還付されます。 もしも土地付き太陽光発電所を1,000万円で購入した場合、消費税は8%ですから80万円もの消費税を支払うことになります。

これだけの額が還付されるわけですから、しっかりと手続きを行いましょう。

①消費税還付を受けるには課税事業者になる必要がある

まず、自治体の税務署に開業届を出す際には青色申告を選択し、課税事業者となることを選択して下さい。 課税事業者となると売電収入の消費税8%を納めなければいけないため、どうしようか迷う方もいらっしゃるかと思いますが、その分太陽光発電所を購入する時に支払った多額の消費税を還付してもらえますからおすすめです。

もしも青色申告を選択せず、白色申告を選択して非課税業者になってしまうと、売電収入の8%を納めなくても良いかわりに、初期投資における多額の消費税を還付してもらえませんから注意が必要です。

②条件付きで非課税事業者に戻ることも可能

ここで青色申告をして課税事業者になることを選択したとしても、その後4期目以降に売上が年間1,000万円以下であれば非課税事業者に戻る手続きができることを覚えておきましょう。 非課税事業者となれば、売電収入の8%の消費税を収益に含めることができます。4期目以降には忘れずに非課税事業者に戻る手続きを行いましょう。

ただし、売上が1,000万円以上ある場合には非課税事業者に変更することはできませんので、他にも副収入のある方は留意してください。

消費税還付の詳しい手順は、「太陽光投資家は「消費税還付」を利用すべき?メリット・デメリットを解説」でも解説にしています。あわせてご参照ください。

(3)土地付き太陽光発電所を選ぶ際は気象条件の良いエリアを選ぶ

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売電収入を多く得て投資回収期間を短縮しようと思ったら、日射量の多い土地を選ぶことも重要です。

太陽光を使って発電するのですから、当然年間日射量が多いエリアを選ぶほうが年間発電量も多くなり売電収入を多く得られます。 年間想定売電収入の計算方法のところでご紹介したNEDOの日射量データベース閲覧システムを利用するなどして、各地の年間平均日射量を比較検討してみましょう。

ここで気をつけていただきたいのは、日射量が多ければ多いほど良いのかというとそうではなく、日射量が多くてもソーラーパネルの温度が上昇し過ぎると発電効率が低下することです。 これは太陽電池モジュールが熱に弱いためと考えられます。

最も効率よく発電できる温度は25℃ということも頭に入れてバランス良く場所の選定を行いましょう。 また、太陽光発電は雪の日はほとんど発電しないため、降雪量の多い土地は避けるほうが無難です。

6.土地付き太陽光発電は初期投資を抑えて回収期間を早めよう

今回は土地付き太陽光発電の初期費用や、投資額の回収期間について解説しました。

土地付き太陽光発電の投資回収期間を最短にしようと思うなら、初期投資費用やランニングコストを減らし、売電収入を増やす対策を行うことが大切です。

やはり初期投資を抑える労力を惜しまないことがポイントとなります。物件購入の際には綿密なシミュレーションを行いましょう。

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