2019.04.11 Apr
更新日時:2020.03.10 Tue
太陽光発電における土地探しのポイント&売電開始までの5ステップ!
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太陽光投資を始めるときに悩むポイントの1つが、土地探しでしょう。
どれだけ効率の良い太陽光パネルを導入したとしても、土地が太陽光発電に適したものでなければ、収益性の高い太陽光投資は実現しません。
また、売電開始までの全体像を把握していなければ、次の行動の見通しを立てることができず、スムーズに投資を始めることができません。
そこで本記事では、土地探しにおけるポイントを明確にするとともに、売電開始までの流れを解説していきたいと思います。
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目次
1.太陽光発電における土地探しのポイント5つ
太陽光発電を設置する土地に求められることは、次の2点です。
1点が太陽光発電を設置が可能な土地であること、そしてもう1点が発電に適している土地であることです。この2点を満たす土地が、太陽光発電における土地探しにおいては非常に重要です。
そこで、上記2点を満たすために注意すべきポイントは次の5つあります。
(1)設置の可能な土地の条件
そもそも太陽光発電を始めるには「農地以外の地目であること」、および「十分な土地面積があること」が必須条件に挙げられます。
それぞれ、どういった理由・内容なのか解説していきます。
①地目が農地以外である
「地目」とは、その土地がどのような用途で使われるのかを示す区分のことで、すべての土地に必ず「地目」が登録されています。
「地目」は全部で23種類ありますが、太陽光発電に一般的に利用される地目の中で、最も注意すべきなのが農地です。地目が農地の場合、太陽光発電を設置することができません。
仮に地目が農地の土地に太陽光発電を設置するのであれば、農地から他の地目に登録変更をする必要があります。この手続きを「農地転用」と言います。
「農地転用」には手間はもちろん費用もかかるため、できる限り避けたほうが賢明です。
関連記事:「農地転用」で農地を太陽光用地に変える!どんなことに注意すべき?
②設置規模に応じた土地面積
当然のことですが、設備の設置に必要な面積を有した土地である必要があります。ただ、必要な面積は太陽光パネルを単純に並べた面積というわけではありません。
周囲環境や現場作業などをスペースも合わせて考慮した上で、面積を確保する必要があります。
(2)発電に適している土地
太陽光発電を始めるための最低条件を満たしていたとしても、その土地が発電に適していなければ売電収入は十分に確保できません。
この項では、どういった条件を満たしている土地が、太陽光発電に適しているのか解説していきます。
①日射量が多い
収益性を上げるためには、発電量を増やして売電収入を増やすことが一番の近道です。そのため土地探しにおいては、安定して多く発電できる土地を探し出すことが非常に重要になります。
まずは、日射量が多いことが大前提です。そして、積雪や落ち葉の影響が少ないことも大切です。日射量が多ければ発電量が増えますし、積雪や落ち葉の影響が少なければ影による発電ロスを防ぐことができます。
②初期費用を抑えられる
投資という観点では、初期費用を抑えることも重要です。土地自体の費用を抑えることも重要ですが、単純に安い土地を購入するだけでは、その後に必要な処理で費用が余計にかかることもあります。
そうならないために、土地の整地をする必要がないか、そして電柱が近いかどうかを気にしておきましょう。
土地の整地は、凹凸や段差、傾斜など何かしらの難がある場合に発生します。また、電柱が近くにないと新規で設置が必要になります。どちらも、太陽光発電オーナーが費用負担することになるので、事前にそういった要素がないかを、現地調査で確認しておきましょう。
③自然災害の影響が少ない
長期運用することで安定的な発電をしてもらうためには、自然災害による設備の激しい劣化や故障、破壊を避ける必要があります。
自然災害は、被災の起こりやすいエリアを「ハザードマップ」で調べることができますので、これを利用して可能な限り被災リスクを避けた方が良いでしょう。また、塩害と言って海岸付近や離島地域は、潮風や海水の影響で設備劣化が進みやすい環境になっています。
塩害に強い設備を選ぶことで初期費用が割高になる恐れもあるため、特別な理由がなければ塩害地域ではないエリアに設置することがおすすめです。
なお、太陽光発電に適した土地については、本サイトの「「太陽光用地」とは?太陽光投資に向いている場所選びのポイント4つ」でより詳しく解説しています。土地探しに関する分析方法は、こちらをご覧ください。
(3)環境や住民への配慮も不可欠
ただ単に条件が良いだけで土地を選定すると、意外な落とし穴があります。それが、周辺の環境や住民の方への配慮が欠如してしまうことです。
環境的なところでは、パワーコンディショナーの稼働音や太陽光パネルの反射光による眩しさや熱などが考えられます。パワーコンディショナーの稼働音は、40デシベル程度の大きさになります。これは図書館の環境音と同程度です。
また、太陽光パネルの反射光は、ガラス張りのビルからの反射光くらい眩しく感じます。そして、太陽光パネルは熱を持つと70℃〜80℃まで表面温度が上昇します。身近なところですと、夏場の自動車のボンネットと同程度の温度です。
どれも、日常レベルを超えるほどの影響ではないため、実害はそこまでありません。
しかしながら、設備を設置する際には工事による騒音や見慣れない業者の出入りなどもあります。くわえて太陽光発電は設備も大きく目立ちやすいので、景観上や安全面の観点から周辺住民に反発を受けることもあります。
森林伐採による土砂崩れ、太陽光発電設備への侵入を阻止するような施策を考えたうえで、周辺住民の方への事前説明を行ったほうが良いでしょう。
2.土地探しから売電開始までの5ステップ
太陽光投資が始まるまでの、一連のフローをまとめました。太陽光投資の売電価格は年々変わるため、運用を始めると決めたら素早く動き出せるよう、全体の流れを把握しておくことは重要です。
太陽光発電で売電を始めるまでには、工事・申請だけでなく一定期間を要する認定も必要となるため、ここで手間取ってしまえば狙っていた年度の買取価格になりません。これにより、見込んでいた買取価格より安くなってしまえば、もともと想定していた収益性を大きく下回ってしまいます。
計画通りの投資を実現するためにも、全体の流れは必ず把握しておきましょう。
(1)太陽光発電に使える土地探し
最初のアクションは、土地探しからです。冒頭で述べた5つのポイントに注意しながら、太陽光発電を設置が可能、かつ発電に適した条件の合う土地を探しましょう。
不動産業者に、太陽光発電が目的であることを伝え、必要な面積をもとに相談することになります。また、太陽光用地専門の業者やインターネット上で土地を公開しているところもありますので、必要に応じて活用しましょう。
(2)太陽光発電の事業企画と設計
設置する土地が確定したら、太陽光発電設備を導入する事業計画と設備設計を行います。
販売会社や施工業者などから見積りを依頼して、かかる費用と発電量の見込みを立てます。その情報をもとに、収益シミュレーションを行い事業計画を作成します。このとき、必ず複数の業者に見積もり依頼をしましょう。1社だけですと、見積りの妥当性や信頼できる業者かどうかを判断できません。
また、相見積りを行うことでより低価格な業者に出会えれば、初期費用を減額できます。信頼のできる業者なのか、妥当な価格であるのかに注意しつつ、業者を比較・選定することをおすすめします。
お願いする業者が決まったら現地調査を行い、設置する太陽光発電の設備設計を行ってもらいましょう。見積りとして、パネルやパワーコンディショナーのメーカーから設備の設置レイアウト、費用などを提示されます。
こだわりのメーカーや譲れない性能など、業者と打ち合わせを進めながら設備設計の詳細を詰めていきます。大きな金額の投資になりますので、思ったことや疑問に感じたことがあれば納得できるまで話しをするべきです。
また、金融機関からの融資が必要な場合は、事業計画が決まったタイミングで最終的な申請を行います。事業計画をもとに、金融機関による審査が行われることになります。
(3)契約・電力申請手続き
設備設計の詳細が固まり、その内容に納得すれば業者と契約することとなります。契約までが1区切りで、契約後は実際に太陽光発電設備を設置するための申請、そして施工を行っていきます。まずは、施工を行うために申請が必要です。
太陽光発電設備を設置するために必要な申請は、以下の2つです。
①電力受給契約
電力受給契約は、電力会社へ売電を行うために必要な申請です。電柱など電力会社の配線設備に接続して、太陽光発電の余剰電力を売電するために必ず契約しなければなりません。
このような配線設備に接続することを「系統連系」というので、電力受給契約のことを「系統連系申請」とも言います。
②事業計画認定
資源エネルギー庁へ、太陽光発電を設置の認可をもらうために必要な申請です。このとき、「申請時に電力受給契約の回答書である接続同意書類を添付すること」が義務付けれていることに注意しましょう。
かつては、電力受給契約と事業計画認定は並行して手続きを進めることができました。しかしながら、ルール変更によって、電力受給契約を終えてからでないと事業計画認定を申請できなくなりました。
そのため、従来よりも約1ヶ月ほど申請に時間がかかることになります。ルール変更の時期は、50kW未満の低圧設備では2018年12月から、それ以外の設備では2019年4月1日からの実施です。
上記どちらの申請も、基本的には業者が代行して申請してくれます。(初期費用に申請代行費用が含まれています)
ご自分で申請することもルール上は可能ですが、申請内容が難しいですし複雑です。さらに数年でルール変更もありますので、なるべく早く売電をスタートさせるためにも業者へお任せすることがおすすめです。
また、いずれの申請もその年度中の買取価格にするための申請期限が年度末よりも前に設けられます。年度は3月末までですが、駆け込み申請が多いため、電力受給契約は年明け前の11月や12月、事前計画認定は1月などに設定されることがあります。
事前計画認定は、申込みではなく申請完了の締切になっていることがあるので、注意が必要です。この事前計画認定の手続きが完了したタイミングで、買取価格が決まります。電力受給契約を始めてから、事業計画認定が完了するまでには時期にもよりますが2ヶ月〜5ヶ月程度かかるので早い対応が求められます。
申請の進捗状況を、業者にこまめに確認しておくと安心です。
このほか、自治体によっては太陽光発電関連の補助金制度を設けられていることもあるので、一度チェックしてみてると良いでしょう。
(4)土地造成・施工
申請が完了して、ようやく実際の工事をスタートすることができます。
まずは、必要に応じて太陽光発電設備を設置できるように土地の造成を実施。凹凸や傾斜、段差などを解消して、太陽光発電設備を設置しやすい状態に整地していきます。
土地の造成後、太陽光発電設備の施工が始まります。架台の組立てから太陽光パネルの配置、パワーコンディショナーなどの電気機器への配線、電圧や抵抗値のチェックという流れで施工は進行。規模にもよりますが、早ければ数日〜1週間前後で施工は終わります。
施工状況をチェックする意味でも、何度か現地に足を運んで見学させてもらうのも良いでしょう。
(5)系統連系を経て太陽光発電を開始
施工が完了して太陽光発電設備が完成していても、まだ売電を始めることはできません。
最後に、系統連系の立会いが必要です。
電力会社、施工業者、そして事業者(太陽光発電のオーナー)の3者の立会いのもと、太陽光発電システムが正常に運転しているかを確認することになります。系統連系の立会い日は、電力会社への申込順で施工業者と調整が進みます。
この立会いが終われば、電力受給契約が正式に締結され、晴れて売電がスタートするのです。
3.太陽光発電の土地探しは多様化している
近年では、太陽光発電の土地探しも多様化しており、さまざまな形態の太陽光発電が増えてきています。
ここでは、その一部を紹介していきます。
(1)水上太陽光発電
ため池や貯水池に設置されるのが、「水上太陽光発電」です。設置方法は、「フロート」と言われる非常に軽量な架台で、太陽光パネルを水上に浮遊させて設置します。
水上に設置するメリットは、実は意外なことに多いです。
- 周囲に遮蔽物がないため影の影響を受けにくい
- 水上の冷却効果で、温度上昇による発電低下が少ない
- 土地の造成が不要で費用を抑えられる
- 除草や落ち葉の影響がない
- 固定資産税がかからない
一方で、デメリットもあります。
- 設置事例が少なく業者がなれていないので、設置に時間がかかる
- フロート架台や防水・劣化対策部材のコストがかかる
- 水上のためメンテナンスが手間
メリット、デメリットはいずれも水上ならではの特徴のあるものが多いです。
実例も増えてきているので、興味があれば検討してみても良いかもしれません。
(2)ソーラーシェアリング
農地に高い支柱を立てて、太陽光パネルを設置するのが「ソーラーシェアリング」です。地面の部分では農業をしながら、その上の空間では太陽光パネルで発電もしてしまおうという一石二鳥の考え方です。
その形態から「営農型太陽光発電」と言われることもあります。
冒頭で述べたように、地目が農地の場合は農地転用の手続きをしなければ太陽光発電を設置できないはずですよね?ではその農地になぜ、太陽光発電が設置できるのでしょうか。
これを可能にする制度としてもちいられるものが、「農地の一時転用」の手続きです。「農地の一時転用」は、太陽光パネルを設置する上の空間の部分だけ、かつ期間限定で農地を転用するという非常に特例的な措置が認められています。
このときの期間は3年に限定されていますが、3年毎に一時転用許可を繰り返して再取得すれば、そのまま継続することができます。
すでに農業を営まれている方で、太陽光発電を始めたい方には魅了的に映るかもしれません。しかしながら、一時転用の許可を受けるには多くの条件があります。
条件を確認した上で、可能な場合には設置検討に進むことも良いでしょう。
4.土地探しの段階から太陽光投資は始まっています!
太陽光投資は、太陽光発電の設備にばかり目が行きがちですが、設置する土地が与える影響も十分に大きいことがわかりました。
設置ができない土地や発電に向かない土地を選んでしまうと、リカバリーのために追加費用がかかったり、設置容量を減らすなど妥協せざるを得ない点が出ることになります。
ボウリングの玉の軌道が最初の投てき時の数ミリのずれで決まるように、太陽光投資の最初のアクションである土地探しをバッチリ成功させて、スムーズに投資を開始しましょう。
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