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利益が出る「太陽光用地」の特徴とは?投資家が覚えるべきポイント

太陽光発電投資では、太陽光発電の設備はもちろん、発電設備を設置する「太陽光用地」も必要です。すでに土地をお持ちの方もいるかも知れませんし、これから探す方もいるでしょう。


土地をお持ちの方は、その土地は太陽光発電に適した用地でしょうか?また、これから土地を探す方は、太陽光用地としての良し悪しを判断する基準は明確でしょうか?


本記事では、太陽光発電投資を成功させるために、優れた太陽光用地にはどのようなポイントがあるのかを解説していきたいと思います。

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1.太陽光用地の良し悪しは収益性に影響する

太陽光用地の良し悪しが太陽光発電に及ぼす影響は、大きく分けて次の4つがあります。

  • 太陽光発電設備を設置できる土地か
  • 発電量
  • 初期コスト
  • 長期運用のリスク

4つもあると、どんな影響があるか理解するのが難しく思えてしまいます。ですが結論からいうと、これら4つは「太陽光発電投資の収益性」を左右するものです。

つまり、利益を追求して投資をするうえで、最優先に考えるべき点の1つなのです。せっかく優れた発電効率の発電パネルを導入しても、太陽光用地のせいで収益が下がってしまっては、元も子もありません。

項目ごとに注意すべきポイントをしっかり押さえて、万全の状態で太陽光発電投資をスタートさせましょう。

2.投資家は太陽光用地のここをチェックしよう

チェック

  • 太陽光発電を始めるにはスペースが足りない
  • 実は太陽光発電設備を設置してはいけない土地だった

用地を確保したは良いものの、こういった状況に陥ればただの徒労に終わります。太陽光発電を設置できるかどうかが、用地選定のはじめの一歩です。用地として最低限おさえておくべきポイントを、しっかり確認しましょう。

(1)太陽光発電所の設備規模に応じた広さである

第一条件として、用地が太陽光発電設備の設置に十分な広さであることは必須。太陽光パネルの枚数分だけ広さがあれば良いと思いがちですが、実はそう単純ではありません。

太陽光用地として十分な広さを確保するためには、次の3つの面積を足し合わせて考える必要があります。

  • アレイの配置
  • クリアランス
  • 離隔距離

それぞれ、どういったものか詳しく見ていきましょう。

(2)太陽光発電所のアレイの配置から必要な面積を考える

パネルを集合させた1つの塊が「アレイ」です。基本的にアレイのサイズによって、用地に必要な面積がだいたい決まります。

アレイには、パネルを縦横に並べて配置します。通常は縦方向に2段〜5段、横方向には制限はないため、用地の許す限り列を連ねて配置することが多いです。縦方向の段数が5段までになっているのは、段数を重ねすぎるとパネル自体の重さや、台風などの強風時の影響が大きくなってしまうためです。そうなると、設置架台の強度をかなり上げる必要があるので、設置はできますが初期コストが大幅に増えてしまいます。

では、次に設備規模に応じた必要な用地の広さを、実際に考えてみましょう。

①産業用太陽光発電所をイメージしたシミュレーション

  • 容量:72kW
  • パネル出力(1枚):300W
  • パネル枚数:240枚
  • アレイ構成:4段12列×5アレイ
  • アレイサイズ:縦4m横20m (1アレイ当り)
  • アレイ角度:10°

パネルのサイズはメーカーによって異なりますが、産業用のパネルはほとんど長辺160cm×短辺100cm前後の長方形になっています。だいたい、畳1枚と同じくらいのサイズ感です。

この条件だと、1つのアレイが縦4m横20mで80㎡となるので、5アレイを縦に5つ並べるとすると、合計で約400㎡が必要になることがわかります。(縦の長さは厳密にはアレイ角度によって変わります。10°では3.94mですが、ほぼ4mなのでここでは便宜上、4mとしています。ちなみに、アレイ角度が20°では3.7m、30°では3.5mとなります)

(3)太陽光用地にクリアランスを確保できるか要確認

クリアランスは、アレイとアレイの間のスペースのことをいいます。

隙間

初期コストとなる土地代をなるべく安くしたいと考えたとき、クリアランスを取らずに用地の面積を小さくしようとしがちです。しかし、クリアランスを取らずに設置してしまうと痛い目を見ます。

なぜなら、クリアランスがないと前のアレイの影が、後ろのアレイにかかってしまうからです。影がかかるともちろん発電量は下がってしまうので、売電収入に直接悪影響を与えてしまいます。さらに、ホットスポットという太陽光発電パネルの故障にもつながります。そのため、クリアランスは地味ですが非常に重要な要素です。

では、クリアランスにはどのくらいの距離が必要なのでしょうか。それは、アレイの高さやアレイ角度、日射角などの条件によって決まります。

下の図を見てみてください。

角度

出所:NEDO(現在はリンク切れ)

基本的に、アレイ角度が高くなるほど影も長くなることがわかります。アレイ角度が高くなると背も高くなるので、影も長くなります。ただ、この影の長さを正確に計算しようとすると、やや手間がかかってしまいます。そういったときに便利なガイドラインが、下のグラフです。

角度

出所:NEDO(現在はリンク切れ)

このグラフから、地域ごとに影の長さがどの程度になるのかがわかります。(このグラフは、太陽光発電が発電するときに、最も条件の悪い冬至の9:00のときのものです)

先ほどの条件、4段のアレイ角度10°で考えてみると、アレイの高さは約0.7mほどです。そのため、東京では約1.5mの影が発生します。つまり、5アレイ間の4箇所にクリアランスが1.5mごと必要になり、クリアランスの面積としては約120㎡になります。

(4)忘れがちな離隔距離も太陽光用地の重要なチェックポイント

離隔距離は、メンテナンスなどの作業スペースとして、そして外周フェンスの影にならないために確保するスペースです。一般的に、離隔距離はアレイから100〜200cm前後が必要となります。そのため、以下の図のようにアレイ全体を取り囲むように、100〜200cmの幅でスペースを確保しておく必要があります。

アレイ

離隔距離を広めの2m確保するとして、先ほどの条件で考えてみましょう。

縦の長さがアレイの長さとクリアランスを合わせて26m、横の長さが20mです。ここから2mだけ離隔距離をとるので、全体で必要な面積は30m×24mで720㎡とわかりました。用地の広さが決まっている場合は、用地面積からこの離隔距離を差し引いた面積が、アレイを設置可能な面積になります。

また、面積の話から少しそれますが、メーカーや施工業者によっては、保証条件に離隔距離を設定していることもあります。そのため、離隔距離をしっかり確保できているかは、要注意ポイントです。

まとめると、設備規模に応じた用地の広さは以下のように求めることができます。

太陽光用地を確認するとき注目すべき点
容量に応じたアレイの面積を出す
クリアランスの面積を出す
アレイとクリアランスの面積を足して外周を出す
外周から離隔距離を含めて、設置可能な面積を出す

とはいえ、土地選定の際に、毎回細かい計算をするのは大変です。

①ざっくりと計算するなら「1kW当たり10~15㎡」で算出

ざっくりと知りたい場合には、設備規模に応じて簡単に計算できる目安があります。その目安となる数値が「1kW当り10〜15㎡」という基準です。

つまり、72kWの設備規模であれば720〜1080㎡ほどの面積が必要と計算できます。先ほどの例で720㎡でしたので、ちょうど範囲内に入っていることがわかります。

いずれにせよ、最終的には施工会社の現地調査を経て、見積もりをしてもらった後に、用地の広さに応じた正式な設備規模がわかることになるのです。

3.太陽光用地を選ぶときは「地目」も要チェック

実は法律上、太陽光用地として使うことができない土地も存在します。そこで要チェックなのが、「地目(ちもく)」です。地目とは、土地の利用目的によって分類される区分のことです。基本的に、すべての土地が23種類ある地目のいずれかに区分され、登記されています。

では、太陽光用地はどの地目であれば利用できるのか、太陽光用地としてよく挙がる「地目」を1つずつ見てみましょう。

(1)宅地:太陽光用地として利用可能

「宅地」は住宅や店舗など建物を立てるための土地なので、太陽光発電を問題なく設置ができます。ただ、「宅地」は他の地目に比べて固定資産税が高いため、収益性に影響を与える場合がある点に注意しましょう。

(2)田・畑:太陽光用地として利用するなら要申請

「田・畑」は田んぼや野菜の畑として使う、いわゆる農地です。この農地が注意の必要な地目で、原則として太陽光発電を設置できません。設置したい場合は、農地転用といって「農地」の登記を変更する必要があります。

ただ、農地転用は手続きが複雑で時間もかかるため、注意が必要です。手続きの手順や必要な書類は、管轄の農業委員会で確認できます。

関連記事:「農地転用」で農地を太陽光用地に変える!どんなことに注意すべき?

(3)山林:太陽光用地として利用するなら伐採・整地が必要

「山林」は太陽光発電を設置できる地目ですが、山なので木々の伐採や整地が必要になります。この際、樹木の伐採には届け出も必要なので注意しましょう。

(4)原野:太陽光用地として適している地目

人の手が加えられずに、かん木類や雑草が生えたまま放置されてきた土地のことです。太陽光発電を設置できますし、都市部から離れているところが多いので、障害物も少なく発電に向いているでしょう。

(5)雑種地:太陽光用地として利用可能

「宅地」「田」「畑」など、いずれの地目にも当たらない土地をまとめて「雑種地」といいます。例としては、「宅地」に隣接しない駐車場や資材置き場などです。これらは問題なく太陽光発電を設置できます。

まとめると、「農地」以外であれば、基本的に太陽光用地として使うことができます。税金や発電への影響ポイントを踏まえて、土地選定をしましょう。

4.太陽光発電所をフル稼働させる用地の2つの条件

太陽光発電投資では、発電した電気を売って得る売電収入が収益の柱です。安定した売電収入を得るために、しっかりと発電してもらうことはとても重要です。発電量は、太陽光パネルの発電効率だけでなく、用地の条件によっても大きく変わってくるので、ポイントをしっかりと押さえていきましょう。

(1)日射量が多く日照時間が長い

安定した発電量を確保するためには、やはり日射量や日照時間が重要になります。

シャワーで、湯船に水を入れるイメージをしてみてください。早くいっぱいにするには、シャワーの水量が多かったり、シャワーを出す時間が長いとすぐに貯まりますよね。このときの水量が日射量で、シャワーの時間が日照時間です。日射量が多ければ多いほど、日照時間が長ければ長いほど発電量が多くなります。

角度

出所:メガ発通信「太陽光発電に使われる言葉、日射強度、日射量、日照時間

また、アレイの設置方位も重要です。太陽光発電は、太陽の光を受ける時間が最も長くなる南向きが、最も発電量を稼げます。そのため、南向きに設置しても影の影響がない、アレイを設置できる広さのある用地が太陽光用地として優れています。

この日射量と日照時間は、季節やその日の天候にも左右されますが、地域ごとに大きく異なるのです。地域ごとの日射量は、次の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO」が提供している「日射量データベース」で調べることができます。

関連記事:日射量から発電量を算出!太陽光発電のセルフシミュレーション方法

(2)積雪や落ち葉が少ない

発電量を安定して得るためには、日射を遮らないことも重要なポイントの1つです。そのため、太陽光発電にとって積雪や落ち葉などは大敵です。落ち葉はパネル一部を、積雪はパネルそのものを覆って発電量を減らす原因になります。なるべく落ち葉が少なく、積雪もあまりない太陽光用地を用意することが望ましいでしょう。

ただ、積雪のある地域でも太陽光発電はたくさん設置されています。それは、積雪の影響をなるべく少なくする工夫ができるためです。例えば、アレイ角度を大きくしてパネルから雪を落としたり、柱を長くしてパネルの配置位置を高くすることでパネルに雪が積もらないようにしています。しかし、積雪量が多くなれば、結局は積雪の影響を避けられません。

そのため、積雪地域で用地選定する場合は、メーカーや施工業者の発電シミュレーションを参考に検討を進めましょう。

5.初期コストを抑えるために必要な2つの条件

投資の収益性を良くするために、収入と同様に初期コストは重要な要素の1つです。もちろん、太陽光用地の費用も初期コストの1つです。そのため用地をなるべく安く確保すれば、収益性が良くなります。もちろん土地代自体も初期コストとなりますが、土地の状態によってさらに工事費用がかかる場合があります。

ここでは、土地代以外で用地にかかる、工事費用を抑えるポイントを解説していきましょう。

(1)整地が必要ない平らな土地である

学校のグラウンドのように、綺麗にならされている土地ばかりではありません。凹凸があったり、傾斜がついていたりと、そのままでは太陽光発電を設置することが難しい土地も少なくありません。

そういった土地では、ローラーなどの重機を使ったり、新たに土を入れたりして整地することが必要です。整地することを造成ともいい、その工事のことを造成工事といいます。

そのため、なるべく整地の必要ない平らな土地を選ぶことで、そういった造成工事にかかる初期コストを抑えることができます。土地の工事は、造成工事だけではありません。山林などで木々がある場合は、面積を増やしたり影にならないように、伐採する必要もあります。

それ以外でも、地盤がゆるい場合は強度を出すために杭基礎という基礎を打ったり、雑草が多い場所ではコンクリート基礎や砂利を敷き詰めたりする必要もあります。このように、土地の造成や木々の伐採、基礎工事など、土地に関する工事費用はその土地の状態に大きく左右されるのです。

(2)太陽光発電所のすぐ近くに電柱がある

なぜ電柱が関係あるのかと、不思議に思った方も多いかもしれません。でも、これが意外と初期コストに効いてくるポイントでもあります。

太陽光発電で発電した電気は、電力会社に売りますよね?そのとき、電柱から電線を経由して電力会社に売ることになります。つまり、太陽光発電と電柱を電線で接続する必要があります。

このとき、電柱が近くにない場合は、電力会社にお願いして電柱を立てることが必要です。この費用は高額で、大きな負担になるのです。距離にもよりますが、接続費用も含めて数十万円以上かかります。電柱が必要となる距離に、明確な基準はありませんが、50〜100m以上離れると必要になることが多いです。用地を選定する際には、電柱が近くにあるかどうかも基準の1つになります。

6.リスク対策のために欠かせない用地の条件2つ

リスク

太陽光発電は、20年以上という長期での運用になります。長期運用していると、劣化や故障などのトラブルに合う機会が多くなりがちです。そして、劣化や故障で発電が止まってしまうと、売電収入が減ってしまいます。そのため、そういった影響が少ない用地を選ぶことが大切です。

ここでは、どのようなリスクがあって、リスクヘッジのためにできる用地選びを解説していきます。

(1)被災リスクが小さいエリアである

日本は、外国と比べて自然災害が多いため災害大国ともいわれます。地震から台風、近年ではゲリラ豪雨による洪水など、1年を通してさまざまな自然災害があります。そのため、なるべく被災するリスクが小さいエリアに、用地を用意することが大切です。

自然災害による被害は、損害保険に加入することである程度の損害はカバーできます。ですが、やはり被害に遭わないようにすることが一番です。自然災害を防ぐことはできませんが、未然に被災しやすいエリアは調べておけば、ある程度は避けることができます。

そこで役に立つのが「ハザードマップ」です。ハザードマップは、国土交通省が作成している、地域ごとの自然災害リスクを調べられるサイトです。特に、河川の近いエリアでは洪水、沿岸に近いエリアでは津波など、どの程度のリスクがあるかをひと目でチェックできるので、とても便利です。

また、ある程度エリアが絞れているのであれば、そのエリアの過去の被災履歴を調べてみることをおすすめします。台風や地震などは、被害を受けやすい地域というのが必ずあります。

リスクを0にすることはできませんが、なるべく小さくすることは可能です。ハザードマップや過去の被災履歴を活用して、被災リスクを最小限に抑えていきましょう。

(2)塩害の影響を受けづらいエリアである

「塩害」は、海に近い沿岸エリアで発生するもので、海の潮風に含まれる塩分によって、住宅や電気機器、金属などが悪影響を受ける現象のことをいいます。塩害を受ける地域のことを、塩害地域と呼びます。島国で周りを海に囲まれている日本は、塩害地域が多いため、より注意が必要です。

海岸沿いにも一応メリットはあり、太陽の光を遮る障害物が少ないため、より効率よく発電ができます。しかし、塩分を含んだ潮風に太陽光発電設備がさらされることで、架台や電気機器が通常よりもかなり劣化しやすくなってしまいます。メリットよりも、このデメリットの方が大きいです。そのため、塩害地域に太陽光用地を用意することは、あまりおすすめできません。

もし、どうしても沿岸部に設置する場合は、メーカー保証と対応部品に注意しましょう。メーカーは、たいてい塩害地域の設置条件を定めてメーカー保証をしています。波しぶきがかからず、沿岸から数百m離れた位置であれば、だいたい設置可能です。

ただし、塩害対応部品を使うことが条件になっていることもあります。さらに、塩害対応部品はオプション設定の場合が多く、通常品よりも割高です。そのため、設置条件とどの程度の費用がかかるかを確認しましょう。

関連記事:塩害とは?海岸付近で太陽光発電を始めるときの注意点

投資を成功させるには慎重な太陽光用地選びから

太陽光用地のポイントをまとめると、次の4つがありました。

  1. 設置できる広さと地目であること
  2. 日射量が多く、しっかり発電してくれること
  3. 整地が必要なく、電柱に近いこと
  4. 被災や塩害のリスクが少ないこと

太陽光用地選びは、太陽光発電投資の収益性の良し悪しを決める、とても大切な要素の1つです。

なんとなく良さそう、土地代が安いからと深く考えずに用地選びをすると、間違いなく後悔することになります。大きな買い物になりますので、入念に下調べをしたうえで、慎重に検討をしていきましょう。

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著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
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