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徹底解説!50kWの太陽光発電に必要な面積はどのくらい?

太陽光投資で、よく採用されるメジャーな設置容量である50kW。この50kWの太陽光発電設備を設置するためには、最低限どの程度の面積が必要なのかを把握しておきたいところです。


土地にかかる費用は、設備についで大きな初期費用になります。最低限必要な土地を把握し、できる限り効率的に土地を活用して初期費用を抑えたいところです。また、土地の状況によって太陽光発電設備を設置できる範囲が変わることもあります。


本記事では、50kWに必要な面積をはじめとして、設置容量に応じてどの程度の面積が必要かを解説していきます。


もちろん、面積に余裕を持った土地を用意できるに越したことはありません。しかし、投資の収益性を良くするために、なるべく土地にかかる費用は抑えておきたいですよね。


そこで、もう少し効率的に土地を活用する際に考慮すべきポイントを見ていきましょう。

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1.50kWの太陽光パネル設置に必要な面積は何㎡?

太陽光発電設備を設置するために必要な面積は、ただ単純に設置容量分の太陽光パネルを並べた面積ではありません。必要な面積を算出するためには、いくつか考慮すべきポイントがあります。

とはいえ、まずはイメージしやすいように、ざっくりどの程度の面積が必要かを把握しましょう。実は設置容量を基準にして、ある程度の目安となる面積を算出できるのです。

それを設置容量ごとにまとめたものが、次の表です。

設置容量 パネル枚数 必要面積
50kW 167枚〜 490〜700㎡

150〜210坪

80kW

(過積載時)

267枚〜 700〜930㎡

210〜280坪

100kW

(過積載時)

334枚〜 940〜1340㎡

285〜400坪

パネル1枚あたりの出力は、産業用の太陽光発電で一般的な300Wとしています。上記の表から、設置容量1kWあたりに必要な面積はおおむね10㎡〜15㎡とわかります。

ざっくりと面積を算出する方法がわかったところで、もう少し詳細に面積を求めたい場合に考慮すべきポイントを詳しく説明していきましょう。

2. 太陽光パネル同士のスペース(クリアランス)はなぜ必要なの?

スペース

太陽光パネルが集合した単位を、「アレイ」と呼びます。アレイは、縦方向と横方向に並べたパネルと、パネルを固定する架台で構成されたものです。

アレイを土地に配置する際には、「クリアランス」と呼ばれるスペースをアレイ間に確保しておく必要があります。クリアランスを確保すると、必然的に必要な面積は増えることになります。土地を新たに用意するのであれば、なるべく面積は小さくして費用を抑えたいと思うのが普通でしょう。

しかしながら、クリアランスを十分に確保しなければ逆に収益が悪くなる可能性もあります。

クリアランスが必要な理由は、次の3つです。

  • 前方アレイの影の回避
  • 強風による負荷の分散
  • メンテナンス時の作業スペース

(1) 前方アレイの影の回避

太陽光発電を設置する際には、周囲の電柱や木々など障害物の影がかからないように、設置位置を決めます。

十分なクリアランスを確保できていないと、前方のアレイの影が後方のアレイにかかることもあり、前方のアレイが障害物となる可能性も出てくるのです。影がかかると発電低下はもちろん、ホットスポットなど不具合の原因になります。

前方のアレイが作る影の長さだけクリアランスを取り、後方のアレイをセットバックして影がかかるのを避ける必要があります。

前方のアレイの影の長さは、アレイ角度や段数によって変わるのです。また、設置する地域や、季節による太陽光の入射角の変化によっても影響を受けます。

そのため、前方のアレイの影の長さによって、クリアランスの距離を決める必要があります。多くの場合、影の長さが最長となる冬至における条件でクリアランスを確保することが一般的です。

(2)強風による負荷の分散

太陽光パネルは高い位置に設置されることと、アレイが面になっていることで風の影響を受けやすい構造物です。

お正月に飛ばすタコをイメージしてみてください。面積の広いタコほど、多くの風を受けて飛びやすいですよね。加えて、風が強いときほどより大きな力を受けます。

太陽光発電も、ひとかたまりのアレイという形をとっているので、1枚のパネルではなくアレイ1面で風を受けることになります。そのため、数十枚分のパネルの面積になりますので、非常に風の影響を受けやすいのです。

メーカーは、風の影響を考慮した架台の強度設計を行っていますが、それはクリアランスをしっかり設けてた前提の話です。

クリアランスが十分に確保されていないと、風の逃げ場がなくなり想定以上の風の影響を受けます。台風など強風時に負荷を分散することができず、アレイが崩壊する可能性もあります。

1度の強風ですぐに崩壊しなかったとしても、蓄積したダメージが原因で、いつか崩壊することになるでしょう。長期運用していく太陽光発電なので、設備への負荷を軽減するためにもクリアランスを設けることが必要です。

(3)メンテナンス時の作業スペース

産業用の太陽光発電設備は、年1回のメンテナンスが義務付けられています。また、長期的に安定した売電収入を得るためには、定期的なメンテナンスは欠かせません。

メンテンナンスをする際には、作業員の方が敷地内に入って太陽光発電設備の点検、作業を行います。このときにアレイ間のクリアランスが確保されていないと、作業スペースが十分にないため点検作業に支障をきたします。

メンテナンス器具を持っての通行になりますので、設備を傷つけないためにも作業スペースはとても重要です。少なくとも、作業スペースとして1m程度は欲しいところです。

3.敷地面積すべてがパネル設置に使えるわけではない

パネル

太陽光発電設備を設置する際には、その敷地面積のすべてを使えるわけではありません。クリアランスをはじめとした、太陽光発電設備以外のスペースを確保する必要があります。

そこで、土地の面積そのものと区別するために、実際に太陽光発電設備を設置できる面積のことを「有効面積」と言います。有効面積は太陽光発電設備や設置地域だけでなく、周囲の環境や土地の状況に対する考慮が必要です。

見落としがちなポイントですので、以下の考慮すべき具体的な項目をチェックしていきましょう。

  • フェンスを意識したスペース取り
  • 凹凸があって造成が必要
  • 斜面の影響でクリアランスを大きく取る必要がある

(1) フェンスを意識したスペース取り

産業用の太陽光発電では、基本的には周囲にフェンスや柵を設置することになります。設置容量が50kW以上である場合、電力設備技術基準の解釈の38条によりフェンスの設置は義務となるため注意しましょう。

また50kW未満の低圧案件であっても、盗難やいたずらを防止するためにフェンスを設置し、人や動物を立ち入らないようにすることをおすすめします。

さらに、加入する保険の加入によってはフェンス設置が条件となっている場合もあります。

そして、フェンスを設置する場合には、アレイ間のクリアランスと同様の理由でスペース取りが必要です。それが、影の回避と作業スペースの確保です。

フェンスでも影が発生するため、その影が隣接した太陽光パネルにかかってしまうことを避けなければなりません。また、フェンスがあると点検やメンテナンス時の作業時に、自由に動ける範囲が制限されてしまうので、作業スペースの確保も必要になってきます。

(2)凹凸があって造成が必要

太陽光発電が設置されている土地を見ると、学校のグラウンドのように整備された土地が多いように思いますよね?しかしながら、最初から凹凸のないきれい土地というのは意外なほど少ないものです。

大小さまざまな凹凸から傾斜のついた斜面、起伏や段差、崖などにより、太陽光発電設備の設置を妨げられることもあります。そういった箇所には、そのまま設置することができません。

そのため多くの場合、有効面積を増やすためには土地を造成しなかればなりません。

しかしながら、土地の造成にも費用がかかります。落差の大きい崖のような段差や起伏の激しい土地は、特殊な造成や大掛かりな造成が必要になるため、費用がかなり高額になるのです。

造成によって増やせる有効面積とその費用を天秤にかけて、より効率的な選択をしていくことが求められます。

図面からの情報だけだと、斜面や崖などを見落としてしまいがちです。土地を購入する間は、現地で実物を確認することと、ある程度の造成費用を初期費用として見込んでおくことをおすすめします。

(3)斜面の影響でクリアランスを大きく取る必要がある

土地が傾斜のある斜面だった場合でも、注意が必要です。

アレイの設置方角と土地の傾斜方向によっては、平坦な土地よりもクリアランスを大きく取る必要があります。それは、前方アレイからかかる影の範囲が広くなるからです。

特に、北側へ落ちていく傾斜がある場合は要注意です。このとき、アレイは発電効率の最も良い南側に設置することになるでしょう。

ここで注意すべきなのは、前方のアレイと後方のアレイに高低差が生じているために、平坦な土地と同じクリアランスだと後方アレイに影がかかってしまう点です。

このような事態に陥った場合、回避する策は2つあります。

1つは、影が伸びた分だけクリアランスを確保して、後方のアレイをセットバックすることです。クリアランスを広げた分、より広い土地面積を用意する必要が出てきます。

そしてもう1つの策が、後方アレイの架台の柱を嵩上げして前方アレイと同じ高さにすることです。こうすることで、平坦な土地に設置した場合と同じクリアランスでも、後方のアレイに影がかかることはありません。クリアランスが増えないので、土地面積を増やす必要もなくなります。

ただ、架台の追加部材分と強度補強のために追加費用が発生します。そのため、土地面積を増やすべきか、それとも架台の柱の嵩上げをすべきか、比較検討してよりベターな選択をしましょう。

関連記事:利益が出る「太陽光用地」の特徴とは?投資家が覚えるべきポイント

4.太陽光発電の過積載に関する必要知識

パネル

記事冒頭で、土地面積を算出する際には設置容量をベースに計算を行いました。そして、設置容量によって発電量が変わることは言うまでもありません。

実はこの設置容量を工夫することで、発電量を伸ばせるテクニックがあります。それが「過積載」です。

(1) 過積載は発電量を伸ばすための効果的な施策

「過積載」とは、太陽光パネルの出力をパワーコンディショナーの出力よりも多く搭載することを言います。実は太陽光パネルの出力とパワーコンディショナーの出力はそれぞれ独立しており、容量の数値は2種類に分類できるのです。

通常、太陽光パネルの容量がパワーコンディショナと同等であったとき、そこから電柱へ出力する際にパワーコンディショナの最大出力を使い切ることはできません。

これは太陽光パネルが、常に出力の100%で発電しているわけではないからです。日射量に影響されることはもちろんですが、パネルの温度や汚れなどさまざまな要因により、公称最大出力よりも発電量は小さくなります。おおむね、公称最大出力の70〜80%程度が平均の発電量になります。

①パワーコンディショナ・太陽光パネルの関係性

パワーコンディショナの出力が50kW、太陽光パネルの出力を50kWにしたときのことを考えてみましょう。

太陽光パネルの平均的な出力は80%の40kW程度なので、パワーコンディショナに10kWの余力がある状態になってしまいます。それだと10kW分の容量を、活用できていないことになってしまうのです。

そこで、パワーコンディショナの出力を最大限活用するため、太陽光パネルの出力を50kWよりも多く搭載します。すると、パワーコンディショナ50kW<太陽光パネル60kWという状況になります。

これが「過積載」の状態です。過積載することで、太陽光パネルの発電量をなるべくパワーコンディショナの最大出力に近づけて、より発電量を伸ばすことができます。

②設置容量は太陽光パネル・パワコンのうち小さい数値を採用する

買取価格は、設置容量によって変わってきます。過積載した場合は、太陽光パネルとパワーコンディショナのうち、小さい数値のものを採用します。そのため、パワーコンディショナ出力50kW、太陽光パネル60kWと過積載した場合は、50kWが設置容量ということになるのです。

関連記事:太陽光投資における過積載の特徴とメリット、注意すべき6つのポイント

5.設置容量50kWを境に設備・手続きが異なるため注意

手続き

太陽光投資では、1つの基準として設置容量50kWの境界線があります。太陽光発電の案件を探すと、49kW前後のギリギリ設備容量が50kWを超えない案件が多いことに気づきます。

これは、土地面積に50kW以上の設備を設置できるだけの余裕があったとしても、あえて50kW未満に設備容量を抑えているのです。設置容量が50kWを超えないようにしているのは、なにか理由があるのでしょうか。

(1) 50kW未満に抑えるメリットとは?

50kW未満に抑える理由は、コストと手間の両面でメリットがあるからです。実は、50kW以上になると50kW未満では必要のなかった「設備」と「手続き」が追加されるのです。

これは法制度の観点で、50kW未満と50kW以上とでは、その電気設備の区分が異なるために発生します。

電気事業法において、容量が50kW未満の場合は「低圧」=小規模発電所(一般電気工作物)。50kW以上になると「高圧」=発電所(自家用電気工作物)という区分に変わります。

①設備面でのメリット

区分が高圧に変わると、キュービクル(変圧器)という設備を追加で設置する必要があります。また、電力会社との契約形態が異なるため電力会社へ支払う料金も増えることになります。この2点が、コスト面で負担増となる部分です。

②手続き面でのメリット

電気主任技術者の届出や、管轄消防への保安規定の届出などが追加で必要です。手続き自体が面倒かつ時間もかかるので、太陽光発電を稼働させるまでの期間が延びることになってしまいます。

このような点が50kW未満の低圧では必要ないため、コスト的にも手間的にもメリットがあります。

また、東京電力、関西電力、中部電力の管轄エリアに限定されますが、50W未満の低圧設備は出力抑制(出力制御)の対象外というメリットもあります。出力抑制がなければ、発電量を抑制されて売電収入が減ってしまうという懸念がなくなるでしょう。

ちなみに、設備容量が2,000kWを超えると「特別高圧」という区分になり、さらに追加条件が加わることになります。

(2)どのような投資家が50kW未満の太陽光発電を選ぶの?

単純に考えると、設置容量に応じて発電量が増えて売電収入が増えるので、設置容量は増やせるだけ増やすべきです。

しかしながら、上述した追加の設備や契約によるコスト負担が大きいため、50kW未満の低圧に抑えた方がメリットになります。

そのため、個人レベルの太陽光投資であれば50kW未満の低圧案件を選ぶことをおすすめします。もちろん、高圧で必要なポイントをクリアできるのであれば50kW以上で設置してもよいでしょう。

(3)過積載を考えるならメーカー保証を要チェック

過積載は効率的に売電収入を得られるので、パネル枚数の増加に伴う費用を回収できるのであれば、過積載すべきです。

ただ、過積載をするときには要注意なポイントもあります。それが、メーカー保証です。

パワーコンディショナーや太陽光発電システムは、デフォルトでメーカー保証がついています。保証期間中に通常通りの使用状況で、故障が発生したときに無償で修理・交換などの対応が可能です。

この通常通りの使用状況という条件の1つに、過積載率が含まれています。パワーコンディショナの出力に対して、太陽光パネルを何%の出力まで入力してよいかが規定されています。この過積載率を超えないようにしなければなりませんので、注意しましょう。

①過積載は発電ロスを起こす可能性もあるため要注意

また、過積載によって逆に発電ロスが発生することも理解しておくことも必要です。太陽光パネルが出力の70〜80%で発電するときが多いとはいえ、条件が良ければ90%やそれ以上で発電することもあります。

そのような場合は、太陽光パネルで発電した出力がパワーコンディショナの出力を超えることになります。超えた部分は売電できませんので、そういった意味でのロスは起こるのです。

ただし、このような状況は起こる時間はそう長くないため、過積載するほうが経済的メリットが大きくなります。

6.太陽光用地は有効面積や土地の状態を調査してから!

太陽光用地は、その面積すべてを太陽光設備の設置に使えるわけではありません。クリアランスや土地の状況で、有効面積が変わります。用地を準備する際には、ただ図面やデータで確認するだけではなく、土地の状態をしっかりと調査するようにしましょう。

また、より効率的に売電収入を得るためにも、過積載を視野に入れて用地探しを進めていきましょう。

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著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
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