2019.04.11 Apr
更新日時:2020.02.12 Wed
太陽光投資、2020年度の売電価格は13円!卒FIT後の売電価格の動向も紹介
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2020年2月4日、調達価格等算定委員会の発表により、10kW以上50kW未満の太陽光発電所に適用される売電単価は13円/kWhとなりました。
今回は、2020年度の変更により収益はどのくらい変わるのか、および今年から始まる卒FIT後の単価についてご説明します。
目次
1.2020年度(令和2年年)の売電価格をチェック!
太陽光発電には「固定価格買取制度」が適用され、発電を始めた年度の買取価格が一定期間保証されています。
売電価格は将来の利益に大きな影響を与えるため、まずは2020年度の売電価格について事前にしっかりチェックしておきましょう。
(1)発電量10kW以上50kW未満の場合の買取価格
調達価格等算定委員会の発表により、10kW以上50kW未満の太陽光発電所は、以下のような売電単価の適用が検討されています。
出所:経済産業省「令和2年度(2020年度)の調達価格及び調達期間についての委員長案」
売電単価は、前年度より約7%低い13円/kWh。
新たに「自家消費比率」が設けられたことで、全量売電を前提とした発電所の導入は廃止となり、余剰売電のみ受け付ける形となる見込みです。
(2)発電量10kW未満の買取価格
10kW未満の太陽光発電所は、以下のような売電単価の適用が検討されています。
出所:経済産業省「令和2年度(2020年度)の調達価格及び調達期間についての委員長案」
出力制御対応機器設置義務の「なし」と「あり」に応じて、2019年度はそれぞれ売電単価が24円/kWhと26円/kWhであったため、10~20%程度の価格低下が見込まれます。
なお、10kW以上50kW未満の売電単価、および10kW未満の売電単価は、あくまで「委員長案」であるため、採用される可能性は高いものの決定事項ではない点に留意してください。
2.「卒FIT」後の売電単価はどのくらい?
住宅用太陽光発電における卒FIT後の売電先は、大きく「旧電力」と「新電力」の2つに分けられます。
- 旧電力:全国に10社ある大手電力会社
- 新電力:電力自由化により電気の小売が可能となった電力会社
結論をいえば、旧電力の平均的な売電単価は7~8円/kWh、新電力の売電単価は10円/kWh前後です。
この章では、大手電力会社(旧電力)と新電力、卒FIT後に適用されるそれぞれの売電単価についてご説明します。
(1)大手電力会社の場合
大手電力会社の場合、それぞれ「卒FITを迎えた住宅用太陽光発電」を対象に、以下のようなプランを展開しています。(2020年2月時点)
電力会社 |
プラン名 |
買取価格 |
北海道電力 |
買取プラン(通常買取) |
8円/kWh |
エネモプレミアムプラン |
8円/kWh+1ポイント/kWh |
|
東北電力 |
シンプル買取サービス |
9円/kWh |
でんきお預かりサービス |
余剰電力を東北電力へ預けて後日活用 |
|
東京電力 |
再エネ買取標準プラン |
8.5円/kWh |
再エネおあずかりプラン |
8.5円/kWh(250kWhを超える電力の買取) |
|
中部電力 |
プレミアムプラン |
8円/kWh |
Amazonギフト券プラン |
8.1円/kWh相当のギフト券 |
|
WAONプラン |
7円/kWh+2ポイント/kWh |
|
再エネスマートプラン |
7~12円/kWh |
|
北陸電力 |
かんたん固定単価プラン |
8円/kWh |
あんしん年間定額プラン |
1万5,000~3万5,000円/年 |
|
わくわく電気預かりプラン |
1~17円/kWh |
|
関西電力 |
通常買取 |
8円/kWh |
貯めトクサービス |
8円/kWh(貯めトクBOXの容量を超える電力の買取) |
|
中国電力 |
通常買取 |
7.15円/kWh |
ぐっとずっと。グリーンフィット |
7.15円/kWh+1~2ポイント/kWh |
|
ゆめかプラン |
7.15円/kWh+1ポイント/kWh |
|
WAONプラン |
7.15円/kWh+1ポイント/kWh |
|
四国電力 |
買取プラン(通常買取) |
7円/kWh |
ためトクサービス |
8円/kWh(150kWを超える電力の買取) |
|
四電WAONプラン |
7円/kWh+1ポイント/kWh |
|
九州電力 |
通常買取 |
7円/kWh |
沖縄電力 |
通常買取 |
7.5~7.7円/kWh |
通常買取に近い制限のない売電形態を選んだ場合、7~8円/kWhが平均的な売電単価です。
通常の買取以外であれば、上限を定めて電力会社が発電した電気を預かり、蓄電池の役割を果たすようなサービスが多く見受けられます。
このほか、特定のポイントを特典として付与したり、ギフト券として還元したりといったプランが多い印象です。
卒FITを迎えた際における、これら各電力会社の主な契約手順は以下の通り。
- 各電力会社のホームページから申し込み
- 申請の必要書類を郵送により受け取る
- 契約に必要な書類を提出して契約完了
プランによっては、何らかの別サービスに契約する必要があるため、ホームページに記載されている「希望プランの加入条件」は注意してご参照ください。
(2)新電力の場合
大手電力会社に比べて、新電力はやや高めの価格を設定したものが多い傾向にあります。
いくつかの新電力を比較し、売電単価のイメージを確認していきましょう。
事業者名 |
プラン名 |
買取価格 |
NTTスマイルエナジー |
エコめがね卒FIT Plus |
7.2~9.3円/kWh |
ユアプレミアム |
20円/kWh(12ヶ月限定) |
|
きたQていたんプラン |
7.5円/kWh(北九州限定) |
|
出光昭和シェル |
スタンダード買取プラン |
7.5~9.5円/kWh |
でんきセット買取プラン |
9.5~11.5円/kWh |
|
ENEOS |
ENEOS太陽光買取サービス |
8~11円/kWh |
大手電力会社が7〜8/kWhであるのに対して、新電力は10円/kWh前後の単価を提示する事業者がほとんど。
ただし、エリアに応じて価格が変動するため、加入前には設置場所のエリアとプラン内容の照らし合わせが必要です。
多くの新電力は、下記のような手続きを踏むことで契約できます。
- 各事業者のホームページから申し込み
- 申請の必要書類を郵送により受け取る
- 契約に必要な書類を提出して契約完了
契約後、契約期間の満了までは、プランごとに設定されている売電単価が適用されます。
3.2020年以降の太陽光投資はどうすべき?
FIT制度の条件変更、住宅用太陽光発電における卒FITを考慮したとき、気になるのは「2020年以降も稼げるのか」という点です。
この章では、2020年以降の太陽光発電は稼げるのか、どうやって取り組むべきかご説明します。
(1)買取価格13円でも収益は出る?利回りを比較
産業用太陽光発電は、前年度と比べて1kWあたりの売電単価が1円下がり、2020年度から13円/kWhとなる見込みです。
この価格低下は、実際の運用利益にどれほどの差をもたらすのでしょうか?
スマエネに掲載している物件の1つを参考にしつつ、計算を交えて比較していきます。
- 販売価格(税込):1,750万円
- 初年度発電量:117.497kWh
これを前提条件として、売電単価14円と13円の場合をそれぞれ計算します。
売電単価 |
初年度売電収入(税込) |
表面利回り |
14円/kWh+税 |
180万9,454円 |
10.3% |
13円/kWh+税 |
168万207円 |
9.6% |
初年度売電収入は12万9,247円、表面利回りは0.7%低下する計算です。
認定にあたり余剰売電が義務化されれば、「全量売電の14円」と「余剰売電の13円」を同列に比較はできないものの、上記のような簡易的な計算上では利回りに大差ない印象です。
よって、従来通り慎重に物件選定を進めるなら、問題なく経済的メリットを得られることが期待できます。
(2)”卒FIT”後の収益はどのくらい?売電価格からシミュレート
これまで、FIT制度を利用して収入を得ていた場合、卒FITを迎えることで収益はどれほど低下するのでしょうか?
住宅用太陽光発電の年間発電量を3,000kWhと想定し、卒FITの前後における収益の差額をシミュレーションしていきます。
FIT制度の有無(売電単価) |
年間売電収入 |
FIT制度あり(48円/kWh) |
14万4,000円 |
FIT制度なし(8円/kWh) |
2万4,000円 |
2009年,2010年に認定を受けた単価48円/kWhの太陽光発電所から順に、続々と卒FITを迎えます。
卒FIT後の売電単価を8円/kWhとした場合、上記の条件では年間の売電収入が10万円低下し、産業用太陽光発電とは違って大幅減収となる見込みです。
現状のまま、売電単価が8円/kWhなら副収入としてのメリットを感じられるものの、これから卒FITを迎える住宅用太陽光発電の件数が増えれば、さらに価格は下落すると予想できます。
卒FIT後の効果的な運用を目指すなら、蓄電池を導入して災害対策として活かしたり、電気自動車を購入して活用方法を生み出したりといった、売電以外の方法も検討しなければなりません。
(3)2019年以前の単価で売電できる施設はまだまだある!
FIT制度の内容が変わり、売電単価が低下したことで「もう太陽光発電で稼げないのでは」と心配になるものです。
しかし、2020年度から適用される内容は、2019年以前に認定を受けた太陽光発電所には適用されません。つまり、以前の単価のまま運用できるのです。
2020年以降のFIT制度の内容に魅力を感じないとしても、過去に認定を受けた物件を探すことで、希望条件を満たした投資案件を見つけることは十分可能です。
スマエネでは、2019年以前に認定を受けた物件を多数掲載しているので、より高い単価で全量売電を行いたい場合にはご参照ください。
4.2020年は太陽光投資の最後のチャンスかもしれない
今回は、太陽光発電の売電価格とデメリットなど、太陽光投資に関する最新の状況について見てきました。
誰しも気になる「今から利益を出せるのか?」という疑問の答えは、「しっかりと対策を行えば、いまからでも利益を上げることは十分可能」というものです。
今後は、高単価で売電ができる「2019年以前に認定を受けた物件」が、より投資対象として注目を集めると予想されるため、太陽光投資をはじめるなら選択肢の多い今がラストチャンスです。
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