2019.06.10 Jun
更新日時:2019.09.13 Fri
【2019年】産業用太陽光発電の固定価格買取制度、その仕組みを徹底解説!
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太陽光発電という言葉も当たり前に聞かれるようなった近年、堅実な投資方法として太陽光発電の設置を考える個人や中小企業も増えてきています。
土地活用や設備投資として太陽光発電を設置する上で、まず重要なポイントとなるのが売電価格です。太陽光パネルで作った電気を買い取ってもらえる制度のことを何となく知っている人は多いでしょう。しかし、正確にどのような仕組みになっているのか理解している人は意外と少ないようです。
今回は、太陽光発電投資を検討するなら欠かせない、固定価格買取制度の仕組みを詳しく解説いたします。
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目次
1.そもそも太陽光発電の固定価格買取制度とは?
太陽光発電で作った電気は、国の制度によって買い取ってもらうことができます。このような制度を固定価格買取制度といいますが、そもそもこの制度はどのようなものなのでしょうか。
(1)太陽光発電の利益率を支える固定価格買取制度
固定価格買取制度とは、FIT制度とも呼ばれるもので、2012年に経済産業省によって定められた法令です。
この法令の大まかな内容は、太陽光発電を設置した場合に、使わない電気、余った電気(余剰電気)を電気事業者が規定の価格で買い取る義務があると定めたものです。
つまり、太陽光発電を設置した者は、一定期間は電気を買い取ってもらえることが法的に約束されています。
この固定価格買取制度(FIT制度)の規定の内容は、毎年見直しや改正が行われ、経済産業省によって公表されています。
(2)固定価格買取制度の目的
では、なぜこのような法令が定められたのでしょうか。固定価格制度が定められた目的を見ていきたいと思います。
この固定価格買取制度は、実は太陽光発電の電気だけでなく再生エネルギー、自然エネルギーなどで作った電気に対して適用される制度です。固定価格買取制度が定められた目的は、国内で再生エネルギー、自然エネルギーを普及拡大させていくことにあるのです。
(3)資源に乏しい日本に太陽光発電をはじめ再エネを普及させる
日本は電気、ガソリンなどのエネルギー資源に乏しい国で、生活に欠かせないエネルギーの大半を輸入に頼っています。
電気やガソリンなしの生活は考えられない現代において、このようなエネルギー事情が日本の大きな課題となっていたのです。以前から、国内のエネルギー自給力を高めていく政策がとられており、その1つが太陽光発電です。
出所:経済産業省「国内のエネルギー需給率」
1970年代におきたオイルショックの打撃から、太陽光発電の普及拡大政策が推進されてきました。さらに、2011年の東日本大震災による福島の原発事故が、太陽光発電の普及を加速させることになったのです。
このように、原子力や原油に頼らないエネルギーを普及拡大させるために定められた制度が、固定価格買取制度になります。
(4)太陽光発電における固定価格買取制度の仕組みは?
では、太陽光発電で作った電気をどのような仕組みで買い取ってくれるのでしょうか。
固定価格買取制度で、太陽光の電気の買取が義務付けられているのは、電力会社です。
①電気事業者と契約する
一般的に、太陽光発電を設置した場合には電力会社と固定価格買取制度に基づいて契約を交わします。その契約によって、電力会社は太陽光発電のオーナーから電気を一定期間に渡って、固定価格にて電気を買い取る仕組みとなっています。
電力会社に送電された太陽光発電の電気が1kWあたりの買取価格で計算され、買取りが行われます。月額のトータルで買取った電気の総額が、太陽光発電のオーナーの銀行口座に振り込まれることになっているのです。
(5)電気の自由化による今後の可能性
今のところ固定買取制度にて電気を買い取る業者は、ほとんどの場合は地域の電力会社です。
しかし、電気の自由化によって、その他の小売電気事業者などに売電できる基盤が整ってきています。電気を購入するのも売電するのも、電力会社にこだわる必要がなくなってきています。
すでに、電力会社以外の小売電気事業者・自治体などが、電気の買取事業に参入する動きが相次いで見られており、今後はますます増加していくことが期待できます。
経済産業省の登録小売電気事業者一覧から、地域の小売電気事業者を調べられます。
2.固定価格買取制度の価格
固定価格買取制度のしくみが理解できたところで、次に気になるのが買取価格です。固定価格買取制度では、太陽光を設置した年度によって、買取金額が規定で定められています。
(1)買取価格はどのように決まる?
太陽光発電の買取価格がいくらになるのかが、設置後の収益を大きく左右されます。では、どのように買取価格は決められるのでしょうか。
買取価格は、正式には固定価格買取制度の調達価格として毎年公開されています。FIT調達価格とも呼ばれているもので、経済産業省の公式サイトからも確認ができます。
(2)家庭用・産業用太陽光発電の区別
太陽光発電では家庭用と産業用に分類されていますが、これら2つの太陽光発電の違いは何なのか、確認しておきましょう。
家庭用太陽光発電と産業用太陽光発電を区別しているのはパネル全体のkW数です。導入するkW数によって家庭用、産業用と呼び方が異なるのです。
10kW未満の太陽光発電であれば家庭用、10kW以上の太陽光発電であれば産業用ということになります。
(3)太陽光発電に固定価格買取制度が適用される期間
固定価格買取制度では、その年の調達価格が固定価格として適用されるのです。固定価格買取制度が適用される期間を、調達期間といいます。
設置する太陽光パネルの総kW数によって適用される期間は、以下のようになります。
- 10kW以下で家庭用太陽光発電の場合は、10年間の余剰買取のみ
- 産業用太陽光発電の20年間の全量買取、または余剰買取
余剰買取とは、オーナーが太陽光の電気を使用し、余った分を売電するタイプです。全量買取とは、太陽光の電気を全く使用せずに、全部の電気を売電するタイプです。
(4)固定価格買取価格の推移
では参考までに、これまでの買取価格がどのように推移しているのかを見ていきます。
2009年〜2019年現在までの買取価格の推移(1kWあたりの価格) | |
年度 | 産業用(10kw以上) |
2012年 | 40円 |
2013年 | 36円 |
2014年 | 32円 |
2015年 | 29円 |
2016年 | 24円 |
2017年 | 21円 |
2018年 | 18円 |
2019年 | 14円 |
上記のように、最初は40円だった買取価格は、徐々に低下していることがわかります。産業用太陽光発電は、2012~2014年までの期間に買取価格は高騰しており、当時に比べると現在の価格は約3分の1以上安くなっています。
3.2019年から太陽光発電投資を始めて大丈夫か
いくらで売電できるのかが、太陽光発電投資においては今後の収益に大きな影響を与えてしまいます。売電価格は年々下がってきていることが、太陽光発電投資をためらう理由になっているようです。
ですが、実際には太陽光パネルの価格は売電価格の低下に比例して下がってきているため、最終的な収益率はそんなに変わらないのが現状です。私達の生活に電気が必要である以上は、一定の収益を見込むことができます。
しかし、今後も買取価格は下がり続けるのではないか、買取制度が適用される期間が過ぎたら一体どうなるのか、などを懸念する人もいるでしょう。
関連記事:2019年の売電価格は14円!いまから太陽光投資を始めて儲かる?
(1)太陽光発電の設備価格も低下してきている
買取価格は年々下がっているのですが、それと同時に発電設備の価格も徐々に低下しています。経済産業省の資料を見れば、2012年には1kWあたり42.1万円だったシステム費用は、2018年には1kWあたり28.6万円まで減額していることが分かります。
出所:経済産業省「平成31年度以降の調達価格等に関する意見」
このように、買取価格が半分程度に落ち込んだのと同時に、初期費用も半分近くになりました。そのため固定価格買取制度が施行された当初から、表面利回り10%前後という利益率は維持され続けており、いまでも十分な利益率があるといえるのです。
ただし、設備費用の低下は少しずつ緩やかになっているため、数年後には買取価格の低下に付いていけず平均利回りが低下する恐れもあります。こういった理由から、固定価格買取制度を頼った太陽光投資への参入チャンスは、この数年を境に事情が大きく変わることになると予想されています。
(2)固定価格買取制度が終わったら太陽光発電はどうなる?
固定価格買取制度が終了したからといって、電気が売れなくなるわけではありません。国の政策としての買取期間は終了しますが、あくまでも、個人として企業として電気を売買することは可能です。
現在のところ、買取期間が終わった後にはいくつかの選択肢があります。
- 地域の電力会社、またはその他電気事業者と新たに売電契約をする
- 設備を撤去して、全く別の土地活用を検討する
- 発電施設を売却する
というように、それぞれの状況・要望に応じて適切な方法を選ぶことが可能です。
(3)今後の買取価格はどうなる?
今後の買取価格はやはりこのまま下がり続けてしまうのか、買取制度が終了すれば安い価格でしか売れないのか、ここが重要なポイントになります。中には、電気はもう今後は売れなくなる、と極端に解釈する人もいます。
しかし、冒頭でもお伝えしたように、電気は私達の生活に欠かせないエネルギーです。需要がある限り、0円になったり、売れなくなったりすることは、まずあり得ないことです。
価格が下がり続けるリスクは確かに否定はできませんが、完全に利益が出ない投資となる可能性は極めて低いでしょう。
(4)固定価格買取制度のメリット
買取価格が下がることが心配な人は、産業用太陽光発電であれば価格が下がり続けるリスクを抑えていくことは可能です。
固定価格買取制度のメリットとして、産業用であれば買取価格を20年間はキープできます。この点が、産業用太陽光発電の大きな利点です。
4.まとめ
20年のあいだ買取価格が保証される固定価格買取制度は、太陽光発電を事業としてスタートする人にとって大きな追い風となる制度です。価格設定は年々下がりつつあるものの、2019年時点でも投資対象としては非常に優秀であり、年間の平均利回りは10%前後。
不動産投資のような人口推移に影響を受ける資産運用とは異なり、太陽光という安定的に供給される資源を固定価格買取制度によって換金できるため、事業としても随一の堅実性を誇ります。
同時に日本国内のエネルギー不足を解消する活動にも繋がるため、資産拡大とエコ活動を進める有意義な取り組みだといえるでしょう。
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