太陽光発電の中古案件は新築より優秀？どんな投資家におすすめ？

スマエネの「物件を探す」に掲載している物件情報では、運用にかかる具体的なコスト・収入をシミュレーションシートにまとめて、どれほど利益を得られるのか解説しています。

希望する価格・利回り・立地を入力するだけで、理想に近い物件をピックアップできるので、本記事とあわせてご参照ください。

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１．太陽光発電の中古案件は投資対象として優れている？

中古の設備に投資をすることは、以下の4つの理由で優れているといえます。

それぞれ詳しく解説していきます。

（１）FIT単価が高いため高利回り

中古の太陽光設備は、新築に比べてFIT単価が高いため、売電による収入が多くなり高い利回りが期待できます。

FIT制度とは、発電した電気を電力会社が「20年間一定価格で買い取ってくれる」ことを保証する制度です。FIT単価は年々低下している傾向にあり、2012年で40円だったFIT単価は2019年で14円まで低下しています。

太陽光発電投資での利回りを高めるためには、多くの売電収入を得なければなりません。売電収入は「発電量×FIT単価」で求められるため、発電量が同等であるならFIT単価が高いほど売電収入は上がります。

新築の設備を購入して太陽光発電投資を始めた場合、制度の施行当初より低価格となった現在のFIT単価が適用されます。しかし、中古の設備であれば、設備が認定された年度のFIT単価が適用されるため、電気を高い価格で買い取ってもらえることとなり、現在流通している新築物件より高利回りになる可能性が高いのです。

（２）すでに稼働実績があり安心して投資できる

中古の設備はすでに稼働した実績があるため、発電による収入や維持にかかるコストを予測しやすく、期待できる収益も計算しやすいため安心して投資できます。

通常、新築物件であっても、売電収入・維持にかかるコストなどをシミュレーションしてもらえます。それを元に利回りを計算したり、事業計画を立てたりするのです。

しかし、シミュレーションはあくまで予想。新築の太陽光発電設備の場合、シミュレーションと実際の稼働状況に大きな差が出る可能性もあります。

信頼に足る過去データがある中古物件は、基本的にこういった不安がありません。

（３）設備建設のために待つ時間が発生しない

中古の設備は既に完成しているため、設備の建設や、諸申請完了までの長い待ち時間が発生しません。新築の設備に投資をした場合、設備を建設するための工事だけでなく、電力会社や経済産業省、市町村役場などへの申請に多くの時間が必要です。

一方で中古の設備に投資をする場合、必要となるのは名義の切り替えや変更登記等のわずかな手間のみです。すでに設備が完成している状態のため、工事が遅延する心配もありません。

（４）建設業者の倒産・初期不良を心配する必要がない

中古の設備は、建物がすでに完成しており過去に稼働した実績があるため、建設業者の倒産などのトラブルや、設備の初期不良を心配する必要がありません。

新築の設備に投資する場合、建設途中に工事トラブルによって設備の完成自体が遅れてしまう可能性もあります。また、建設業者が倒産したことによって、建設工事が途中の状態で放置されてしまうケースもあるのです。

一方、中古の設備はすでに稼働しており、このような業者や設備に関するトラブルが発生しないため安心できます。

２．中古の太陽光発電設備はどういった投資家におすすめ？

中古の太陽光発電設備は、以下の3つのいずれかに当てはまる方におすすめです。

1つずつ確認していきましょう。

（１）限りなくリスクを排除して投資したい

中古物件を選べば、太陽光発電における投資のリスクを限りなく抑えられます。例えば、天候や季節によって日照時間が大きく変わるため、発電量は一定ではありません。

また、設備を維持していくためには、雑草を駆除するための刈り取り作業や、除草剤散布などのメンテナンスもしなければなりません。害獣や害虫への対策も必要です。加えて、太陽光パネルの反射光が近隣の住宅に照射されることで、トラブルに繋がるリスクもあります。

このようなトラブルや維持費が発生するかどうかは、設備が実際に稼働するまで分からないのです。

中古の設備であれば、稼働実績を元に精度の高い収入やコストの予測が可能なだけでなく、近隣とのトラブルの有無も確認した状態で始められます。実際の稼働状況が把握できる点で、新築物件よりもリスクが低いといえるでしょう。

（２）融資審査に通りやすい案件を探している

中古の設備は、新築物件に比べて金融機関の融資審査に通りやすい傾向にあります。なぜなら、中古の設備における事業企画は、過去の稼働実績を元に作成できるため、金融機関も融資の判断がしやすいからです。

金融機関から融資を受けて太陽光発電を始める場合、事業計画を入念に立てて「貸してもらったお金はこのようにして返していきます」とアピールしなければ融資してくれません。しかし、新築物件は実際の稼働後のデータを提示できず、事業計画の信頼性に欠ける場合があります。

また、中古の設備では、前オーナーが利用していた金融機関に融資を申し入れることで、審査に通過しやすい場合があります。前オーナーが利用していた金融機関であれば、設備の売電収入や現地の状況などを把握していることから、融資の判断がしやすくなるからです。

融資の審査に通過しやすい投資手段を探している投資家の方にとっては、中古の太陽光発電設備への投資は有効といえるでしょう。

（３）収益性の高い太陽光発電設備を運用したい

中古の設備は収益性に優れているため、収益性の高い設備を運用したい方におすすめです。収益性が高い理由は、FIT単価が高いだけでなく投資するコストも少なくて済むからです。

中古で売り出される設備には、何かしらの問題があるのではないか、と懸念する方もいらっしゃるでしょう。しかし、設備を売却する理由は「急遽キャッシュが必要になった」や「投資の資産を整理するために売却した」なども考えられるため、優良案件が中古市場に出回る可能性も十分にあります。

こうした理由により、高い収益性を実現できる可能性が高いのです。

３．中古の太陽光発電設備に投資するとき注意すべきポイント

投資方法として優れている中古の太陽光発電投資ですが、注意すべきポイントも存在します。具体的には以下の2点です。

（１）優良物件がなければ中古の発電設備の投資は控える

優良な物件が見つけられなかった場合は、中古設備への投資を控えましょう。太陽光発電投資における中古市場はまだ栄えておらず、案件数が少ない状況です。

そのため、優良な中古設備が見つかる可能性は高くありません。優良物件がない状態は、適正価格よりも安い案件がない状態ということ。

また、中古の設備はFIT単価が高い一方で、FIT制度を利用できる年数が新築よりも少なくなります。例えば、設備が稼働し売電を始めてから3年が経過している中古設備を購入した場合は、残り17年しかFIT制度を利用できません。

高い収益や利回りが期待できるからといって、中古の設備にこだわる必要はありません。優良な物件が見つからない場合は、根気よく待つか新築の設備に投資をする方が良いでしょう。

（２）運用状況について可能な限り情報を聞き出す

中古の設備に投資をする際は、これまでの利益やメンテナンス、故障の履歴などを詳細に聞き出しましょう。少なくともFIT制度の適用期間が終わるまでは、故障やトラブルなく発電できて収益を得られる設備なのか見極めることが大切です。

履歴を詳細に聞き出すことで、収益が期待できない物件やトラブルが起きそうな物件の購入を避けられます。

また、設備を購入する前は、必ず実物をその目で確認しに行きましょう。設備は自然の中に設置されているので、発電パネルに汚れが付いて劣化し、発電量が低下している可能性などがあるからです。

破損や動作不良をよく確認せずに投資すると、清掃や修理などに追加でコストがかかってしまい、計画通りの収益を得られなくなってしまいます。あらかじめ太陽光発電の設備を見学することで、パネルの状況や設備の劣化具合などを直接自分の目で確認でき、有効な投資判断ができるでしょう。

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４．チャンスをじっくり待てるなら中古の設備がおすすめ

この記事を読んでいただいたことで「今まで新築の設備にしか興味がなかったが中古の設備を探してみよう」と思われた方もいらっしゃるでしょう。しかし、中古の設備は焦って契約しないように注意が必要です。

中古の設備は、優良な物件であれば高い収益や利回りが期待できます。しかし、中古の設備の方が新築よりも絶対的に優れているわけではありません。

中古の太陽光発電設備に投資する場合は、小まめに情報収集を行って根気よく探すことで、高い利回りが期待できる設備に出会えるでしょう。