FIT終了後の太陽光発電は入札制度になる?現在と今後の違いを解説

今野 彰久

著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
自身でも太陽光投資をしているため、投資する方の目線でのご紹介を得意としています。

産業用太陽光発電において、ある条件を満たす場合は入札制度が適用されます。また、FIT制度の後継制度として、入札制度が最有力候補に挙がっている、という一部報道もあります。


さらにFIT終了後の入札制度は、現行とは異なるルールを採用する方向性で検討が進められているようです。


本記事では、入札制度の現行ルールと今後の方向性、そしてFIT終了後の後継制度と見られている入札制度について解説していきます。

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1・太陽光発電の入札制度とは

パネル

太陽光発電で運用されている入札制度とは、どのような制度なのでしょうか。制度の概要と運用ルール、仕組みなど入札制度の基本情報を確認していきましょう。

(1)入札制度とは買取価格を決める制度

入札制度とは、2017年の改正FIT法で導入された再生可能エネルギーの買取価格を決める制度のことです。

日本国内では、ある一定以上のシステム容量を有する大規模太陽光発電を対象に、入札制度が適用されるルールになっています。

入札制度で価格決定をする方式には、次の2種類あります。

価格を決定する2つの方式
ペイ・アズ・ビッド方式
ユニフォーム・プライシング方式

ペイ・アズ・ビッド方式は、発電事業者が入札した中から価格の安い順に落札を確定していきます。つまり、落札できた発電事業者は自分の希望した買取価格で売電を行うことになるのです。

一方のユニフォーム・プライシング方式では、落札した発電事業者の中で最も高く設定していた価格が、すべての落札した発電事業者共通の買取価格となります。つまり、自分の希望した買取価格よりも高い買取価格で売電を行える可能性があるのです。

(2)太陽光発電の入札制度対象は500kW以上

入札制度の対象となる事業用太陽光発電は、2017年の入札制度が導入された時点ではシステム容量2MW以上と定められていました。しかし、第1回・第2回と入札を実施したところ、国が定める募集容量よりも実際に入札へエントリーされた合計容量が下回る結果となってしまったのです。

また、入札制度はもともと段階的に導入することが想定されていました。そのような背景から、2019年度より入札制度の対象範囲を拡大して、システム容量500kW以上へ引き上げられています。

(3)入札制度の仕組み

入札制度は、具体的にどのような仕組みで買取価格が決められていくのでしょうか。太陽光発電事業者が、入札に参加するための条件や流れについて見ていきましょう。

次に示すフローが、入札制度へ参加して太陽光発電を運転開始するまでの一連の流れを簡単にまとめられたものです。

グラフ

出所:低炭素投資促進機構「入札実施要項(太陽光発電)2019年度版の概要

①入札に参加するための手続き

まず発電事業者が入札に参加するためには、事前に以下の3つの手続きを終える必要があります。

入札参加の条件となる手続き 手続き方法
FIT認定申請 再生可能エネルギー電子申請システムでのWeb申請
事業計画およびFIT認定申請時の添付書類の送付 書類押印のうえ、管轄地方経済産業局へ郵送
入札案件登録 入札システムでのWeb登録

初めに、再生可能エネルギー電子申請システムで太陽光発電の事業計画書を作成します。そして、事業計画書とその他の必要書類・必要事項を記入して、最初に手続きを進めるのがFIT認定申請です。

このFIT認定申請をもって、指定入札機関となっている「低炭素投資促進機構」が、発電事業者に入札参加の資格があるかを審査します。

次の手続きは、事業計画認定書とFIT認定申請で提出した書類を、紙媒体で設備設置場所を管轄する地方経済産業局へ送付することです。最後に、入札システムから入札案件登録を実施して、入札IDを取得します。

グラフ

出所:低炭素投資促進機構「入札実施要項(太陽光発電)2019年度版の概要

まずは、ここまでの手続きを事業計画の受付期間中に実施しなければ、入札へ参加すらできません。また、この手続きと並行して、電力会社と接続協議も実施する必要があります。

認定申請時に電力会社の接続同意書が添付できなかった場合は、取得後に再生可能エネルギー電子申請システムで事業計画の補正にて提出しなければなりません。

②入札から落札までの手続き

入札資格の審査結果は、低炭素投資促進機構からメールで通知されます。入札参加の資格ありと判断された場合は、保証金を支払ったうえで入札システムでの入札へと進みます。

入札時に登録するのは、①で取得した入札IDごとの供給価格・システム容量、そして保証金の返還のための口座情報、落札者決定のための3桁のくじ番号です。入札システム確定後に、内容修正ができないため注意しておきましょう。

入札募集受付を締め切った後、低炭素投資促進機構で落札者と買取価格が決定されます。

③落札後の手続き

無事に落札できた事業者は、低炭素投資促進機構からのメール通知とホームページ上で公表が行われます。

2回目の保証金を支払った後に必要な手続きは、FIT認定申請の補正申請です。必要に応じて事業計画の補正に加えて、最初のFIT認定申請時に電力会社の接続同意書を提出していなかった場合はこの補正申請のタイミングで提出します。

その後、管轄地方経済産業局での認定審査を経て認定通知書を受領でして、主要な手続きは完了です。

グラフ

出所:低炭素投資促進機構「入札実施要項(太陽光発電)2019年度版の概要

2.太陽光発電に入札制度が導入された背景

入札

入札制度は、どのような目的で再生可能エネルギーに導入されたのでしょうか。

大きく以下の2つの目的があります。

入札制度の導入背景
再生可能エネルギーの発電コスト低減
再生可能エネルギー発電賦課金の国民負担低減

(1)再生可能エネルギーの発電コスト低減

入札制度の導入背景として、発電コスト低減が挙げられるでしょう。なぜなら、入札に参加する発電事業者間の競争原理を働かせることで、再生可能エネルギーのコストダウンを加速させることが目的だったからです。

このように太陽光発電の発電コスト低減が必要とされている理由は、大きく2つあります。

1つが海外諸国に比べて日本の発電コストが高いこと、もう1つが国の掲げる再生可能エネルギーの主力電源化です。

①日本の発電コストが海外諸国に比べて高い

海外の発電コストに比べると、日本の発電コストは高い水準です。そのため、国は発電コストをまだまだ低減できる余力があると考えています。

次のグラフは、欧州各国と日本における太陽光発電の発電コストの推移を表しています。

グラフ

出所:資源エネルギー庁「コストダウンの加速化について(目指すべきコスト水準と入札制)

グラフから分かるように、たしかに欧州諸国と比べるとやはり日本はコスト高になっていることがわかります。

そのため、欧州諸国レベルの発電コストを目指すべき水準として、より適切な市場環境を整えるべく入札制度が有効な手段として導入されています。

②国が掲げる再生可能エネルギー主力電源化

日本は、化石燃料などエネルギー資源が他国よりも乏しいことによるエネルギー自給率の低さ、そして周囲を海に囲まれた島国ゆえに他国との電力融通が困難という、特殊なエネルギー事情を抱えています。

そのため、発電電源をバランスよく組み合わせた日本ならではのエネルギーのベストミックスというのは、まさに国が主導して取り組んでいる喫緊の課題です。

その流れの中で、2018年に国が策定した第5次エネルギー基本計画で、再生可能エネルギーを主力電源としていく方針が掲げられました。

これを実現するためには、より再生可能エネルギーの発電量を増やして最大限活用していく必要があり、さらなる発電コストの低減が必達目標となっています。特に、基本計画内で太陽光発電は「急速なコストダウンが見込まれる電源」として、コストダウンのさらなる加速化が求められているのです。

グラフ

出所:調達価格等算定委員会「平成31年度以降の調達価格等に関する意見(案)

このように、発電コストを低減する施策の1つとして、入札制度があるのです。

(2)再生可能エネルギー発電賦課金の国民負担低減

再生可能エネルギーのFIT価格は、通常の電力市場価格よりも高い価格で取引されており、その差異を埋めるために、電力を使用する国民全員で負担をしているのです。

この負担金が、再生可能エネルギー発電賦課金です。

この再生可能エネルギー発電賦課金は、FIT制度の導入に伴う爆発的な再生可能エネルギーの普及によって、年々値上がりが続いている状態です。

実際の推移が、以下の表です。

年度 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
再生可能エネルギー発電賦課金単価 0.22 0.35 0.75 1.58 2.25 2.64 2.90

FIT制度のスタートした2012年度に0.22円/kWhであった再生可能エネルギー発電賦課金は、上記のように年々増額傾向にあります。

速やかに買取価格低減の施策を実施して、負担額の増額に歯止めをかける必要があります。

そこで、FIT買取総額の約70%を占める事業用太陽光発電を除外し、入札制度による価格低減を狙っていくことになったのです。

3.太陽光発電の入札制度は今後どうなる?

パネル

入札制度は、今後どのような運用になるのでしょうか。

FIT終了後の後継制度として、導入される方向性で議論されている入札制度の動向も含めて、これからの入札制度について詳しく解説していきます。

(1)入札制度の対象範囲は拡大する方向性

直近の有識者の検討委員会で、2020年度から入札制度の対象範囲となる太陽光発電は、さらに拡大する方向で議論が進んでいます。

さらなる引き下げが決定してから焦らないように、今後の動向を注視しておきましょう。

(2)FIT終了後は入札制度FIPの導入が濃厚か

事業用太陽光発電において、FIT制度による買取が2020年度中に終了することはすでに決定実行です。一部報道では、FIP制度を主軸とする方向性で有識者委員会で了承を得たと公表されました。

FIP制度は、すでに欧州などで採用が進んでいる電力卸市場価格と連動して買取価格が決まる制度のことです。買取価格は電力卸市場価格にプレミアム分が上乗せされますが、プレミアム分となる金額は買取方式によって異なるという特徴を持っています。

FIP制度の主要な買取方式は、次の3種類です。

FIP制度の買取方式 概要
プレミアム固定型FIP制度 電力卸市場価格がいくらであろうと、固定のプレミアム分の割増金を固定額で上乗せする方式。

事業者が収益の見込みを立てやすい。

プレミアム固定型FIP制度

(上限・下限付き)

電力卸市場価格とプレミアム分の割増金を合算した金額に、上限・下限を設定する方式。

上限を超える場合はプレミアム分は差し引かれ、下限を下回る場合はプレミアム分が支払われる。

プレミアム変動型FIP制度 電力卸市場価格と上乗せするプレミアム分の割増金の合計額にキャップ価格を設ける方式。

買取価格が一定に保たれる。

上記は欧州諸国などで導入実績のある買取方式ですが、日本のFIP制度がこの3種類の買取方式を採用するのか、それともアレンジを加えたものになるのかなど詳細はこれからの議論となります。

また、導入時期も2020年末までと決まっていますが、明確な開始時期や買取期間は未定です。1つの目安としては2021年度からスタートとも考えられますが、最新動向を見逃さないようにしていきましょう。

関連記事:FIT制度の終了後どうなる?太陽光発電投資と制度の今後を解説!

4.今後の太陽光発電で入札制度は切っても切れない

太陽光発電の入札制度は、スタート当初2MW以上が対象容量となっていましたが、競争力の確保を目的に現在では500kW以上と対象が引き下げられています。

今後もその対象範囲は、引き下げられていく可能性が高く、継続して動向を見守る必要がありそうです。また、FIT終了後の後継制度としても入札制度のFIP制度を主軸として採用される方向で議論が進んでいます。

このように、今後の事業用太陽光発電を語るうえでは、入札制度は切っても切れない制度となるでしょう。今から制度や手続きについて理解を深め、対象範囲の拡大やFIP制度の導入時にスムーズな対応ができるように準備しておきましょう。

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