2021.03.22 Mar
更新日時:2021.04.09 Fri
【2021年】太陽光発電投資の10のメリット・デメリットとは?投資家が徹底解説
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新型コロナウイルスによって大きく変化した投資環境。
株価は乱高下し、不動産ではリモートワークの普及によりオフィス需要が大幅に減少しました。
その中でも、コロナの影響をまったく受けなかったのが、太陽光発電投資です。太陽光発電投資は太陽が照り続ける限り安定的に発電してくれるので、コロナなど社会環境に影響されません。
太陽光発電投資は、不動産や他の投資と異なり物件数が少ないため、目や耳にしたことが無い投資家の方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産投資・太陽光発電投資をしている目線から見て、安定性が高く申し分の無いものです。
太陽光発電投資家として、これまで取り組んで来た経験から感じる、メリット・デメリットを徹底解説していきます。
ぜひ、これを機会に知っていただき、太陽光発電投資を始める際の参考になれば幸いです。
目次
1.太陽光発電投資のメリット・デメリット10個
これまで太陽光発電投資・不動産投資に取り組んできた経験から、メリット・デメリットを影響が大きい順にまとめると以下のことがあげらます。
メリット | デメリット |
①FIT制度を利用した圧倒的な収益安定性 | ①以前より利回りが下がった |
②社会経済情勢の変化の影響を受けにくい | ②FIT制度が終了する20年後の不安 |
③ほったらかし投資が可能 | ③出力抑制地域がある |
④必要経費が少ない | ④電圧上昇抑制が発生する可能性がある |
⑤消費税の還付が受けられる | ⑤雑草対策が必要 |
⑥不動産投資にある空き家の発生が無い | ⑥ケーブル盗難のリスク |
⑦信販ローン/公庫などの融資が受けやすい | ⑦悪徳業者に依頼するリスク |
⑧国のエネルギー自給率・低炭素化に貢献 | ⑧廃棄費用の積立 |
⑨20年経過後も売電可能 | ⑨発電が天候に左右される |
⑩パネルの下で農業なども可能 | ⑩自然災害の影響を受けやすい |
上記について順番に解説していきます。
2.太陽光発電投資のメリット10個を解説
太陽光発電投資で考えられる主なメリットを具体的に解説していきます。
(1)FIT制度を利用した20年間の圧倒的な収益安定性
太陽光発電投資の圧倒的な収益安定性は「FIT制度(固定価格買取制度)」によって生み出されます。
固定価格買取は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で20年間買い取ることを国が約束する制度です。
なっとく:制度の概要|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー
これは、買い取る費用の一部を電気料金の中の「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という形で集められていて、再生可能エネルギーの普及・導入を支えているものになります。
画像参照:http://eneleaks.com/?p=10842
電気を使用する国民から、毎年必要となるFIT買取費用を集めているものなので、財源としての枯渇はありません。
さらに、売電できる価格と期間を国が約束しており、20年間、同じ価格で電気を売れるので安心して取り組む事がきます。
(2)社会経済情勢の変化の影響を受けにくい
コロナ禍のような世界を大きな影響を及ぼすことが起きても、人手がほとんどかからない太陽光発電投資は、影響をほぼ受けていないのが実態です。
ANA/JALといった航空業界やホテルや飲食店営業などは、緊急事態宣言などによる顧客離れから大幅な赤字となり、倒産のリスクが高まっています。また、不動産投資においては、オフィス需要が減るとともに、人口減少などによる空き家リスクが増大しています。
株式市場などにおいては、現在は見事にV字回復してさらに上昇を市場は見込んではいますが、実体経済が伴っておらず、金利上昇・国債上昇など様々な要因の影響を受けて、乱高下し資産を失う恐れがあります。
良くも悪くも、社会経済情勢の影響を受けずに、太陽光発電は太陽が昇れば発電しお金を稼いでくれるのが大きな特徴です。
(3)ほったらかし投資が可能
太陽光発電投資は、メンテナンスを委託してしまえばほったらかしで運用が可能です。
実際に太陽光発電投資を始めてから、全現場あわせても、10回も現地に行っていません。
しかし、もっと経費を削減したいと考えるならば、自主管理で点検・草刈り等を行う事もできます。しかし、規模拡大を目指すなら、個人的にはメンテナンスを委託してほったらかしがオススメです。
手間暇かけず、お金に働いてもらってお金を稼ぐのが、太陽光発電投資の醍醐味だと思っているからです。
(4)必要経費が少ない
太陽光発電投資は、一時は「ノーメンテでOK」といったキーワードを目にしましたが、流石にそうもいきません。
維持管理上、定期点検や除草などが最低限必要となります。
また、固定資産税や償却資産税、税理士報酬、遠隔通信費、パワーコンディショナーの待機電力料金が掛ってきます。
それでも、不動産投資のように、空き家になってからのリフォーム費用といった大きな費用が掛からないのが強みです。
唯一、パワーコンディショナーの交換が想定されますが、ファーウェイなどのパワーコンディショナーは20年の延長保証も可能なので、ライフサイクルコストの低減も可能です。
関連記事:太陽光発電の「必要経費」に当てはまる出費・当てはまらない出費
(5)消費税の還付が受けられる
居住用不動産投資においては、金地金の売買などをすることで行う消費税の還付スキームが完全に閉ざされたとも言われています。
関連記事:アパート大家の節税策も… 金取引の税還付防止: 日本経済新聞
しかし、太陽光発電投資であれば、もともと消費税の課税対象事業のため、消費税の課税事業者を選択することで、払った消費税から入って来た消費税を差し引いた分の還付を受けられます。
関連記事:太陽光投資家は「消費税還付」を利用すべき?メリット・デメリットを解説
(6)不動産投資にある空き家の発生が無い
太陽光発電投資の稼ぎの対象は、太陽から降り注ぐ光です。
どんなに雨が多い月でも収入がゼロになることは無く、年間を通せば、概ね一定の発電量に落ち着きます。
太陽光発電投資の安定性が高い理由は、ここにあります。
(7)信販ローン/公庫などの融資が受けやすい
太陽光発電投資は、固定価格買取が国に約束されているため、圧倒的な収益の安定性があります。
その圧倒的な安定性により、ジャックスやアプラスなどの信販系や日本政策金融公庫などの金融機関から比較的融資を受けやくすなっています。
関連記事:太陽光発電投資でローンを活用!メリット、金利、審査時のコツを解説
(8)国のエネルギー自給率・低炭素化に貢献
日本のエネルギー自給率は、2018年で11.8%です。また、省CO2も思うように進んでいません。
環境・経済・防災的にも国の役に立てるのが、太陽光発電投資なのです。
関連記事:2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
(9)20年経過後も売電可能
太陽光発電投資は、20年間は同一単価での買取が約束されていて、絶対的な安定性が特徴です。
当然、融資で購入した方も、20年後には残債が無くなっているので、固定価格よりも安い市場価格での売電でも十分収益を見込めます。
(10)パネルの下で農業なども可能
産業用太陽光発電は、比較的広い土地を利用してパネルを設置します。
すると、パネルの下は広いオープンスペースとなるため、農業をしたり、場合によっては車の雨除けなどにもなるかもしれません。
自宅に置けないものを、保管する倉庫とすることも可能です。
以上がメリットになります。
3.太陽光発電投資のデメリット10個を解説
ここからは、太陽光発電投資のデメリットを解説していきます。
(1)以前より利回りが下がった
どんな投資でも、投資家の皆さんが取り組むに当たって重要視するのが利回りです。
太陽光発電投資が始まった当初は、安定性が高い上に利回り11%〜12%と高く非常に魅力の高い投資でしたが、最近では利回りが9.5%程度(スマエネ調べ)まで下がってきたことで、フルローンで取り組むには利益を得にくくなり魅力が低下してしまいました。
20年間の投資における収益の安定性と他の投資を天秤に掛けて、投資先として見合うか選択することになります。
関連記事:【2021年】太陽光発電投資は儲かるのか?投資家が徹底解説
(2)FIT制度が終了する20年後の不安
FIT制度が終了することで、20年後は市場価格で売電することが前提となります。
2025年に国が目標とする単価水準は1kWh当たり7円とされています。現状では戸建ての卒FIT単価は8円〜12円程度ですが、それ以上に単価が下がる恐れがあります。
再生可能エネルギーである太陽光発電で発電した電気を買い取ってもらえなくなる可能性は低いですが、海外の動向等を見ると、更なる単価の値下がりが想定されそうです。
(3)出力抑制地域がある
出力抑制は、電力の消費量より供給量が多いと判断されたときに、各発電所の発電量を抑えるために、電力会社側が抑制する措置のことです。
九州などの地域では、良く晴れた日などにおいて、一時的に売電できなくなる可能性があります。
関連記事:出力抑制の対象地域はどこ?太陽光投資家が実践できる対策はあるの?
出力抑制に対して不安があれば、保険(出力抑制保険)を使って補償することも可能ですが、費用が高く、また、九州に住む発電投資家様に伺うと出力抑制によって影響を受ける損失額は微々たるものなので、保険に入るほどの事ではないと伺っています。
(4)電圧上昇抑制が発生する可能性がある
電線内は基本的に一定の電圧に保たれるように調整されていますが、実際は一定の幅で変動していています。
一方、太陽光発電所側のパワコンの設定値は、初期にほぼ107V程度で設定されており、電線内の電圧がそれ以上となってしまうと、パワコンで制御が掛かり、電圧(上昇)抑制が発生することになります。
「電圧抑制」がかかると、思うように売電できなくなり、相当な発電ロスにつながります。
私の場合は、恐ろしい事に5年間電圧抑制であるという事に気がつかず、200万から250万円の損失となってしまいました。
(5)雑草対策が必要
太陽光発電の管理で、一番大変と言われるのが雑草対策(草刈り)です。
雑草の生命力は凄まじく、すぐにパネルより高く伸びてしまいます。
少しでも自主管理のメンテナンスを楽にしたいと考えるならば、防草シートを敷く事をおすすめ致します。
あとは管理を委託することですね。
参考記事:太陽光投資家は「消費税還付」を利用すべき?メリット・デメリットを解説
(6)ケーブル盗難のリスク
太陽光発電投資に取り組んでいると、良く耳に入って来るのがケーブルの盗難です。
通常売電開始すると危険なのであまり盗まれないのですが、最近は稼働していてもあっさりと盗まれることもあるようです。
これに対応するには、監視カメラ等の設置が必要になりますが、コストが掛かってくるのが課題です。
それを回避するためには、人の気配があるところの物件を購入するか、監視カメラに頼るしかありません。
もちろん保険でも対応可能ですが、コストがかかり利益が減る点に注意です。
(7)悪徳業者に依頼するリスク
太陽光発電の悪徳販売業者はだいぶ淘汰されてきたと思いますが、まだ一定数のいるように感じています。
着手金詐欺や手抜き施工、いい加減なシュミレーションなど、初めて太陽光発電投資に取り組む方の知識が備わって無いのを良いことに、それに付け込む業者がいます。
そういったリスクを減らすためにも、「スマエネ」で行っている無料相談などを活用するのが良いと思います。
購入後の問題など、SNSなどで発信されているベテラン発電投資家様に問い合わせるのもありですが、結局は自己責任となってしまいますので、買う前によく吟味しておく必要があります。
(8)廃棄費用の積立
パブリックコメントなどが行われていますが、FIT認定を受けた10kW以上の全ての太陽光発電事業が積立の対象です。
10kW以上であれば全量売電、余剰売電のいずれも含まれます。
買取単価ごとに、1kWhあたりの「解体等積立基準額」が定められ、「(解体等)積立基準額(円)」✕「売電電力量(kWh)」が「積立金額」となります。
年度 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
FIT単価 | 40円 | 36円 | 32円 | 29・27円 | 24円 | 21円 | 18円 | 14円 | 13円(余剰) | 12円(余剰) |
積立基準額 | 1.62円/kWh | 1.40円/kWh | 1.28円/kWh | 1.25円/kWh | 1.09円/kWh | 0.99円/kWh | 0.80円/kWh | 0.66円/kWh | 1.33円/kWh | 1.33円/kWh |
年間10万円位の費用が固定化されることになります。
(9)発電が天候に左右される
梅雨の長雨や台風の頻発、大寒波到来による降雪などの発生により、一定期間、発電量が低下する可能性があります。
ただ、年間を通すとそれほどシュミレーションと差がなく、2019年の台風頻発、2020年の線状降水帯による豪雨・長雨でも、年間では±10%以内に収まっています。
参考:浜松市の日照時間 ↓
※2011年~2020年までを見て、最大2460、最小2156となり、最大で1.14倍の差がありますが、平均では2317時間となり、±10%以内に収まっています。
天候による発電量(売電量)をコントロールできませんが、発電設備の超過積載化により、年間の収益に差が出にくくなっているのが特徴です。
参考記事:気象庁|過去の気象データ検索
(10)自然災害の影響を受けやすい
太陽光発電施設は屋外にあるため、雷によるパワコンの停止・故障などや、台風などの風による発電設備の破損、豪雪による倒壊など、様々な影響を受ける可能性があります。
ただし、天災による被害は損害保険でカバーできますし、経験上自己所有の発電所では、ほぼ自然災害による被害はありません。
施工が悪かったフェンスや架台の一部に修繕が必要になったものはありますが、ごく一部でのことです。
そういった事態に備え、しっかりとした保険に加入しておくことで、仮に自然災害で破損したりしても収益性は維持されます。
4.まとめ
太陽光発電投資はほかの投資と比較してメリットが大きいと思っています。
それは、なによりもFIT制度による20年間の収益の安定性がもたらすものです。
そのFIT制度がベースにあって、また、融資の得やすさや管理の楽さなど様々なメリットがあり、デメリットを考えても圧倒的にメリットの方が上回るからです。
投資において一番重要なのは、失敗しないこと(安定性)です。
太陽光発電投資は、いとも簡単にそのことを実現させてくれます。
新型コロナ禍により様々な業界がダメージを受ける中、太陽光発電投資はダメージが無く 「予想外の社会情勢にも強い投資先」ということが明らかになりました。
投資は自己責任ですが、メリット・デメリットを踏まえて取り組んでいただけたらと思います。
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