太陽光発電の廃棄における問題と注意点!正しい処理方法とは?

今野 彰久

著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
自身でも太陽光投資をしているため、投資する方の目線でのご紹介を得意としています。

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太陽光発電は、産業用であれば買取期間は20年間です。そしてその20年が過ぎた後も、太陽光発電設備が稼働する限り発電し、売電収入をもたらし続けてくれる投資資産となります。


では、長期的な投資資産として活躍する太陽光発電の終わり方、つまり「廃棄」について考えたことがあるでしょうか?


投資を始めるときの導入ではその注意点や費用に目が行きますが、投資が終わるときの廃棄については見落としがちなポイント。廃棄を考慮せずに太陽光投資を始めることは、非常に危険です。これから太陽光投資を始めようと考えている方も、いままさに太陽光投資で売電収入を得ている方も、認識しておくべき重要な要素です。


この記事から、廃棄について正しい知識を身につけていきましょう。

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1.太陽光発電設備はいつか寿命を迎える

廃棄

モノには必ず寿命があり、いつかその役目を終えるときが来ます。太陽光発電設備も、1つのモノです。寿命が20年以上とも言われますが、最終的にはいつか寿命を迎えた設備の廃棄を考えなければなりません。

そして、この太陽光発電の廃棄が1つの問題になっています。太陽光発電の爆発的な普及に伴い、廃棄が同時期に大量に発生することで、最終処分場がひっ迫する可能性が出てきたのです。

太陽光発電は、2012年の固定価格買取制度のスタートから爆発的に導入が進みました。そのため廃棄が発生するタイミングも、2012年からの数年で設置された大量の太陽光発電が、一気に寿命を迎えることになります。

推移

出所:経済産業省「2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題

すでに経済産業省は、将来発生する太陽光発電設備の廃棄の排出量を算出しています。その排出量は、太陽光パネルの寿命を25年とすると、2020年で約3千トン、2030年ではその10倍の3万トンまで増加します。

さらに、固定価格買取制度がスタートした2012年以降のパネルが寿命を迎える2037年から排出量はピークを迎え、2039年には80万トンにも上ります。これは、2039年時点の最終処分量の6%にも匹敵します。

現状でも最終処分場のひっ迫が叫ばれる中で、6%は非常に大きな数値です。

(1)太陽電池モジュール排出見込量

グラフ

廃棄量

出所:経済産業省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン

(2)太陽光発電設備の処分方法は主に3つ

この問題を解決・改善するために重要なのが、寿命を迎えた太陽光発電設備の処分方法です。処分方法には以下の3つがあり、寿命を迎えたタイミングで選択をする必要があります。

太陽光発電設備の処分方法
廃棄
リサイクル(再生利用)
リユース(再利用)

リサイクルやリユースは、現時点では技術的にできる範囲が限られています。しかしながら、これから20年,30年と年月を経ていく中で、技術も発展していくでしょう。

そのため、処分の選択肢を廃棄1つ絞り込むのではなく、リサイクルやリユースの選択肢もあることを心に留めておきましょう。

関連記事:太陽光発電の耐用年数は何年?税金の計算方法やメンテナンス手順も徹底解説

2.太陽光発電設備の廃棄における注意点

太陽光発電設備の廃棄に関しては、事業者側にも注意しておくべき点がいくつかあります。

  • 排気廃棄には1万円/kW以上のコストが必要
  • 太陽光パネルには有害物質が含まれている

この2つのポイントを、詳しく説明していきます。

(1)廃棄には1万円/kW以上のコストが必要

どんなモノでも、廃棄にはコストがかかります。老朽化した住宅やビルでは解体費用が、一般家庭のゴミでも自治体指定の有料ゴミ袋という形で廃棄費用がかかっていますね。

もちろん太陽光発電設備の廃棄にも、相応のコストがかかります。そのコストは主に、撤去費用、運搬費用、そして処分費用です。太陽光発電設備を部材ごとに解体し撤去し、廃材の種類ごとに適切な処分所へ運搬し、最終的に処分を行うという流れです。

①太陽光発電設備の廃棄コストはおおむね1kWあたり1万円

このような廃棄にかかるコストは、資源エネルギー庁が発表する「太陽光発電設備の廃棄対策について」によれば、おおむね1kWあたり1万円以上のコストが必要になると想定されています。

すると、50kWのシステムでは50万円以上ものコストがかかることになります。廃棄コストがかかると、それまでの売電収益を減らすことになり、人によっては高額だと感じる方もいるのではないでしょうか。

少しでも安く済ませるために、適当に廃棄したり埋め立ててしまってはダメなのでしょうか?

(2)太陽光パネルには有害物質が含まれている

あまり知られていませんが、実は太陽光パネルには有害な物質が含まれているケースがあります。

特に、海外製パネルで見られる化合物系の太陽光パネルには「カドミウム」という有害物質が使われていることがあります。詳しく知りたい方は、「カドミウムテルル太陽電池」というワードで検索してみてください。

このカドミウムは、イタイイタイ病という公害を引き起こす原因となった物質です。そのため日本国内では、カドミウムを含んだ太陽光パネルの製造は禁止されています。

しかしながら、産業用では海外製の安価な太陽光パネルを使用することもありますので、注意が必要です。

①シリコン系にも有害物質が含まれるケース有り

一方で、日本国内において主流な太陽光パネルであるシリコン系はどうでしょうか。

シリコン系の太陽光パネルにカドミウムは使われていませんが、他の有害物質が含まれることがあります。

例えば太陽光パネル内部の接合部に、はんだとして使用される鉛。これは人体に蓄積されやすく排出されにくいために、鉛中毒を引き起こして健康に悪影響を及ぼします。

ただ、自動車のバッテリーなど身近なところに広く使用されており、適切な処理過程が浸透しています。そのため、廃棄以前の設備稼働時には、有害物質として問題になることは少ないです。

しかしながら、このような有害物質をそのまま廃棄すると、環境破壊や公害へ繋がります。そのため、適当に廃棄したり勝手に埋め立てたりすることは、絶対に避けてください。

②太陽光発電設備を廃棄する際の流れ

廃棄にはコストがかかりますが、導入したからには最後まで責任を持って、正しい方法で処理を行いましょう。

廃棄を行う際の大まかな流れをまとめると、以下のとおりです。

  1. 太陽光発電オーナーから解体業者や産廃処理業者へ依頼
  2. 太陽光発電設備を解体・撤去
  3. 解体した部材の分解・溶解
  4. 再利用や埋め立て

1の時点で、太陽光発電オーナーに有害物質の含有可能性の認識があっても、産廃処理業者にはその認識がない場合も十分にあり得ます。そのため、業者へ廃棄を依頼する際には、太陽光パネルの有害物質に関する情報を適切に伝達・共有を行いましょう。

また、有害物質を含まない太陽光パネルの研究開発も進んでいます。「ペロブスカイト太陽電池」などの安全な新材料で、製造の段階から有害物質を用いないような技術も出てきています。

技術の発展による有害物質の排除と、利用者の有害物質に対する正しい理解があってこそ、今後の太陽光発電の発展に繋がります。

(3)廃棄費用を確保している投資家は一部しかいない

実は固定価格買取制度の買取価格には、廃棄費用も含めた形でその価格が設定されています。

しかしながら、以下のアンケート結果のグラフからもわかるように、半数以上の太陽光投資家は廃棄費用を確保していないのが実情です。

調査

出所:経済産業省

2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題

廃棄費用を確保しているのは高圧では41%、低圧に至っては26%とたった4分の1しかいません。廃棄は確実に発生しますが、そこまで考えが及んでいない太陽光投資家が多いようです。

また、廃棄はその費用に関してももちろんですが、上述した有害物質による危険性もあります。太陽光投資家一人一人が、廃棄に対する意識を持っていくことが大切です。

(4)太陽光発電設備の廃棄費用を積み立てておく必要がある

太陽光投資は、設備導入するために数百万円から数千万円もの大きな初期費用がかかります。そのため多くの方は投資をスタートする際に、初期費用から維持メンテナンスにかかるランニング費用まで、20年間分は綿密な収益シミュレーションを行うでしょう。

しかしながら、廃棄が発生するのはそれ以降の25年や30年も先の出来事です。細かな収益シミュレーションを行っていても、廃棄費用は見落としがちになりやすいポイント。廃棄する時になって廃棄費用が思わぬ出費となり、収益性が大きく崩れてしまっては長年の投資運用が水の泡です。

そうならないためにも、投資を始めるときから廃棄費用を積み立てながら、運用していくことをおすすめします。

加えて、このような太陽光投資家の廃棄に対する認識が不足している現状に、経済産業省も課題意識を抱いており、いくつかの対策を検討しています。それが、10kW以上のすべての太陽光発電設備に対する廃棄費用の積立てやリサイクルの義務化です。

2019年度以降から実施される可能性がありますので、合わせて確認を行いましょう。

(5)被災により廃棄を迫られるときは事業者自身が注意喚起を

太陽光発電の廃棄を迫られるのは、設備が寿命を迎えるときだけでありません。自然災害に被災して、廃棄を迫られる場合もあります。

①被災した太陽光発電設備は2次被害を生むため注意

自然災害大国とも言われる日本では、太陽光発電設備もその被害を受けて破損・破壊されて廃棄せざるを得ない状況も想定されます。実際に地震や台風で設備が破壊されたり、ゲリラ豪雨による洪水や土砂崩れで設備が流されてしまった事例がいくつかあります。

被災によって破壊された太陽光発電設備は、正しい保管をしなければ周辺住人に対して2次被害をもたらす危険性があります。

例えば、感電です。洪水や土砂崩れで破壊された太陽光パネルが水没・浸水している場合に、人が接触すると感電する恐れがあります。太陽光パネルは光が当たれば発電しますが、発電しているかどうかは見た目ではわからないため注意が必要です。

そのほか、破損した設備に接触してけがをすることもあります。太陽光パネルの大部分はガラスで構成されていますので危険です。

②破損時はメーカーや電気工事士にいち早く連絡・相談すべき

このような2次被害を防ぐためにも、太陽光発電設備が被災した際には、まず第一に周辺住人へ設備内に不用意に立ち入らないよう注意喚起をしましょう。もちろん、被災後すぐにオーナー自身が設備へ近づくことも危険です。メーカーや電気工事士などの専門業者に相談した上で、安全に配慮した適切な対処を考えましょう。

また、被災時の廃棄に関するより詳しい内容が、環境省から各自治体に対してガイドラインが出ていますので、一度目を通しておいてもよいでしょう。

関連記事:【被害画像多数】2018年度の被災から学ぶ!太陽光事業者が知るべき被害ケース3つ

3.太陽光パネルのリサイクルに対応している業者

現時点でも、太陽光パネルのリサイクルに対応している業者もあります。太陽光発電協会JPEAが、参考として産業廃棄物中間処理業者のリストを作成しているので、参考にしてみましょう。

現状で掲載されている業者は、全国で24箇所と少ないように感じますが、実際に廃棄が必要になる25年後30年後には、これよりも多くの業者がいるでしょう。また、太陽光発電設備が被災して廃棄が必要になることもあります。

そうなったときに慌てないよう、設置場所に近い業者を押さえておくことをおすすめします。

4.太陽光発電は廃棄まで見据えて始めるべき

太陽光発電は、いつか必ず廃棄するときがきます。

廃棄には費用がかかりますし、太陽光パネルに含まれる有害物質の危険性も無視できません。投資と環境の双方の観点から、投資を始めるタイミングから廃棄を見据えた計画を立てるべきです。

また、リサイクルやリユースなどのサービスを上手に活用することで、費用面・環境面で効率的な廃棄ができます。将来の自分のためにも、最後の最後に慌てたり後悔したりすることのないように、あらかじめ廃棄に備えておきましょう。

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