2019.10.23 Oct
更新日時:2019.10.25 Fri
産業用太陽光発電における3つの投資リスクとは?対策はあるの?
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株や不動産に並ぶ投資方法として、注目を集めている産業用太陽光発電。太陽光発電によって発電した電力を国に買い取ってもらうことで、安定した収益を得ることが可能です。しかし、太陽光発電にしかないリスクがあるなどの注意点も存在するのをご存知ですか?
太陽光投資に関するリスクを理解しないまま投資を始めてしまうと、思ったように利益を得られない場合があるだけでなく、巨額の損失が発生する場合もあるのです。
この記事を読んでいただくことで、太陽光投資におけるリスクと対策を理解した状態で投資を始められます。失敗する可能性を減らせるので、ぜひご一読ください。
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目次
1.産業用太陽光発電の投資リスクは3つ
産業用太陽光発電の投資リスクは、以下の3つがあります。
太陽光発電の投資リスク |
20年目以降の利回りが不透明 |
台風・土砂災害など被災リスクを伴う |
太陽光発電投資を始めるなら悪徳業者の詐欺に要注意 |
それぞれについて、詳しく解説していきます。
2.太陽光発電投資は20年目以降の利回りが不透明
太陽光発電によって発電された電気は、FIT制度により電力会社に一定価格で買い取られます。ただしFIT制度は、太陽光投資を開始してから20年間で終了するうえ、終了した後どのような措置が取られるか現時点では未定です。
太陽光発電は、発電量が天候や季節などによって左右されるため、FIT価格が保証されていても利回りが安定しません。そのためFIT制度が終了して、売電価格が変動するようになった場合、さらに利回りが不透明なものとなります。
どれだけ発電できるのか、どれだけの維持費が発生するのかといった従来のリスクに、発電した電気がいくらで売れるかという不安要素が加わるということです。
そこで、太陽光発電投資を成功させるためには、出口戦略を考えることがとても大切です。この章では、出口戦略の重要性や方法について解説していきます。
(1)出口戦略を明確にすることがリスク対策の第一歩
出口戦略とは、簡単にいうと投資をどのように着地させるのかを考えることです。
太陽発電投資ではFIT制度が終了した場合を想定して、あらかじめ出口戦略を立てておくことが有効。出口戦略として考えられるのは、次の4つの方法です。
①撤去して物件やコインパーキングを建設
FIT制度が終了すると同時に太陽光発電設備を撤去し、アパートやマンション、コインパーキングなどを新たに建設し、不動産投資という形態に移行するということです。
不動産投資に移行する際は、太陽光設備がある土地にどのような需要が見込めるのかを調べたうえで、建設する物件や設備を選ぶ必要があります。
不動産投資には、空室リスクや家賃滞納リスクなどが存在するため注意しましょう。
②FIT制度の期間満了前に売却
FIT制度の期間が満了する前に、設備や土地を売却する戦略です。太陽光発電設備がある土地で不動産経営を行っても、需要が見込めず収入が見込めない場合などに有効な手段といえるでしょう。
ただし、太陽光発電設備や土地がどのような価格で売れるのかは不明確です。特に太陽光発電の設備は、FIT制度の終了後に導入される売電の仕組みによって価格が大きく変動する可能性があります。
場合によっては、設備を解体しなければ買い手が付かず売却できない可能性もあるため注意が必要です。
③現在検討されているFIP制度に移行
FIT制度の終了後は、FIP制度という新たなる制度に移行される可能性があります。FIP制度とは、売電価格が市場の価格に割増金(プレミアム)を上乗せして算出される制度のことです。
FIP制度は以下の3つに分かれており、それぞれで買取価格の算出方法が異なります。
出所:経済産業省「再生可能エネルギーの大量導入時代における 政策課題と次世代電力ネットワークの在り方」
現在のFIT制度は、市場価格にかかわらず売電価格を一定にしていることから、プレミアム変動型FIPに近いといえます。
プレミアム固定型FIPは、プレミアム価格が固定であるため、市場価格に応じて買取価格も変動します。そのため、太陽光投資による収益が読みづらい点に注意が必要です。
関連記事:FIT制度の終了後どうなる?太陽光発電投資と制度の今後を解説!
④自家・自社消費にシフトする
FIT制度終了後は電力会社に売電せず、工場やアパートなどの所有している設備の自家消費用として利用する方法です。
FIT制度によって保証されているFIT価格は毎年下がっています。さらに、FIT制度が終了することで買取価格が大幅に下落する可能性もあるでしょう。
一方で、電気料金自体は以下のように、2010年から2017年の間で全体的に上昇傾向です。
出所:経済産業省 資源エネルギー庁「日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」」
電気の買取価格が下落し、電気料金が上昇するようであれば、発電した電気を自家消費に回して電気代を節約した方が合理的な場合があるのです。
関連記事:自家消費型太陽光発電を検討する企業が増加中!どんなメリットがあるの?
(2)出口戦略を決めずに太陽光発電投資を始めるのはハイリスク?
投資をするうえで、将来起こる可能性を想定して、投資を終了する場面をあらかじめ決めておくことは不可欠。太陽光投資においても、FIT制度の終了後の出口戦略を考えることはとても重要です。
FIT制度が終了し買取価格が低下した状況であるにもかかわらず、具体的な戦略もなく投資を続けてしまうと、収入は低下するうえに維持費は増大して買い手も見つからないという最悪の事態になりかねません。
FIT制度の終了後に、どのような選択肢があるのかを把握して戦略を事前に立てておくことで、投資が成功する可能性が高まるのです。
3.太陽光発電投資は台風・土砂災害など被災リスクを伴う
太陽光発電は、台風や土砂災害などによって発電設備がダメージを受け、発電ができなくなり収益を得られなくなるリスクが存在します。
経済産業省の調査によると、平成30年では被害を受けた発電所の数は7月の豪雨で23件(追加報告分を合わせた数)、台風21号でも23件と多くの被害が発生しました。特に太陽光発電パネルは、最も災害による被害を受けやすい箇所です。
また、災害時に破損する箇所はパネル本体だけでなく、パワーコンディショナなどの設備もダメージを受けます。そのため、災害によって数百〜数千万円の修理費が発生する可能性があるのです。
さらに、災害によって破損した設備が近隣の住宅を損壊させた場合や、人を傷つけてしまった場合は巨額の損害賠償を負うこともあります。台風や土砂災害、落雷などの自然災害への対策として損害保険は有効な手段です。
具体的に損害保険でどのような補償が得られるのかだけでなく、メーカー保証との違いについて解説していきます。
(1)理不尽な被災リスクを対策するなら損害保険は必須
災害への対策として有効な損害保険には、4種類あります。
①火災保険
火災保険は、建物が火災などで損害を負った場合に補償され、受け取った保険金で設備の修繕や建て替えに必要な費用を賄えます。
火災保険の支払対象となる事故は火災だけでなく、以下のように幅広い対象となっています。
火災保険の支払対象 |
火災、落雷、破裂、爆発 |
風災、雪災、雹災 |
水災 |
盗難 |
電気的・機械的事故 |
物体の落下・飛来・衝突 |
破損・汚損 |
ただし、地震や噴火が原因の損害は補償の対象外です。地震による損害を補償するためには、特約で地震保険に加入しなければならないため注意しましょう。
②動産総合保険
動産総合保険は、火災保険と同じく火災などによって損害が発生した場合に保険金を受け取れる保険のこと。
補償内容は基本的に火災保険と同様で、大きな違いは電気的・機械的事故による損害が補償の対象外である点です。(保険会社やプランによっては、電気的事故や機械的事故も補償対象になっているところもあります)
③賠償責任保険
賠償責任保険に加入していると、他人に危害を加えて賠償責任を負った場合に保険金を受け取れます。
発電設備の近くに住宅があり人が住んでいる場合や、交通量が多い場所に設備が面している場合、災害によって損害賠償を負ったとしても賠償責任保険の保険金で賠償金を支払うことが可能です。
④休業損害補償保険
休業補償損害保険とは、災害などによって太陽光発電設備が損害を受けて発電出来なくなった場合に、復旧するまでに得られるはずであった売電収入を補償してくれる保険のことです。
火災保険や動産総合保険では、設備が損害を受けた場合の修理費用や復旧費用が補償されますが、得られるはずであった売電収入までは補償されません。
休業補償損害保険に加入していると、設備が損害を受けて復旧している間も収入を得られます。
保険金が支払われる範囲は、火災保険などと同じで、火災や風災、水災に損害が補償されます。しかし、地震や噴火による損害は補償の対象外であるため注意しましょう。
(2)メーカー保証では被災リスクに対応できないの?
太陽光発電設備には、メーカーによる無料保証が最低でも10年付帯されており、設備や機器が故障した場合は、メーカーが修理や交換をしてくれます。しかしメーカー保証は、基本的に災害による損害が対象外となります。
メーカー保証は以下の2つのように、製造上の問題による故障や通常の利用において想定される故障です。
保証内容 | |
システム保証 | 製造上の問題や通常の利用によって設備や機器に故障が発生した場合に無償で修理や交換を行なう |
出力保証 | パネルの発電性能が経年劣化などにより規定値以下になった場合に修理や交換を行う |
ただしメーカーの規定と異なる方法で設置されていた機器や、自主的に改造した機器の故障については保証の対象外であるため注意が必要です。
また、メーカー保証はメーカーによって保証される年数や保証内容が大きく異なるため、契約時に必ず確認しましょう。
ローンを組んで太陽光発電投資を行っていた場合、損害保険に加入していなければ機器の破損や設備の倒壊によって、ローンの残債だけが残る可能性があります。
そのため太陽光発電投資を行う際は、メーカー保証だけでなく損害保険への加入は必須といえるでしょう。
4.太陽光発電投資を始めるなら悪徳業者の詐欺に要注意
太陽光発電投資を始めるときの業者の選定はとても重要です。詐欺同然のことをしている業者もいることは先ほどお伝えした通りです。
そして、実際にあった太陽光発電詐欺の手口として、太陽光発電所の権利売買があります。ここでは、権利売買による詐欺がどのような手口で行われているのかを解説していきます。
(1)太陽光発電所の権利売買は典型的な詐欺手口
権利売買による詐欺とは、太陽光発電設備を購入して太陽光投資を始めるのではなく、太陽光発電所の所有権のみを購入して配当を得るという方法です。
例えば「太陽光パネル1枚につき10万円で所有権を購入すると、毎年2〜3万円の配当収入を得られるだけでなく、場合によっては数年ごとに1万円程度のキャッシュバックも得られる」といって顧客を集めるのです。
太陽光発電の権利売買では、ローンを組んで巨額の太陽光設備を購入する必要がないため気軽に始められます。投資額も3年ほどで回収できるため、手軽に始められる投資としてとても有効そうな方法に思えます。
しかし、実際は所有権を購入していたはずの太陽光設備は実在せず、予定通りに収入を得られないという悪質なものがほとんど。そして、投資した金額は業者に持ち逃げされてしまうのです。
関連記事:【警告】権利売買に騙されるな!実際にあった太陽光発電の詐欺事例を解説
(2)「実態が分からない太陽光発電投資」は避けるべき
太陽光発電の権利売買は、実在しない太陽光設備に投資してしまっているために騙されてしまうのです。そのため、太陽光発電を始める際は、以下の点に注意する必要があるでしょう。
太陽光発電を始める際の注意点 |
運営する企業や業者の情報を入念に調べる |
分からない点は質問して理解する |
自分自身でも収支のシミュレーション行う |
複数の業者に見積もりやシミュレーションを依頼する |
大切な事は、業者の話を鵜呑みにするのではなく自分自身でも太陽光投資の相場を知ることです。
自分自身で収支のシミュレーションを行ったり複数の業者にシミュレーションを依頼したりするだけでなく、分からない点は積極的に質問していくことで、太陽光投資に関する理解が深まっていきます。
太陽光投資には多くの資金が必要なうえ、専門的な知識も必要となります。安易に始めるのではなく、自分自身でも太陽光発電を理解したうえで始めることで、悪徳業者に騙されるリスクも回避できます。
5.太陽光発電投資のリスクは事前学習で回避可能
利回りが不透明である点や、被災によって設備が損害を受ける点、悪徳業者に騙されてしまう点などのリスクが存在します。
太陽光発電投資におけるリスクには、それぞれ有効な対策が存在します。大切なことは、太陽光発電投資にもリスクがあることを把握して、対策を事前に練っておくことです。
太陽光発電において、発電した電気は電力会社が一定価格で買い取ってくれるため、利益が大きく変動する不動産投資に比べると、確かに安心できる面はあります。
ただし、太陽光発電投資には不動産投資にはないリスクが存在するため、太陽光発電投資の良いところばかりをアピールする業者には注意が必要でしょう。太陽光発電に存在するリスクや対策を、自分自身で調べて理解することで投資が成功する確率を高められるのです。
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