2019.11.25 Nov
更新日時:2020.02.24 Mon
太陽光発電のメンテナンスが義務に!費用の相場とメンテナンス時の注意点
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太陽光発電を始めるにあたって、メンテナンスはどの程度の回数が必要なのか、その費用はどの程度なのかは気になるところです。
住宅用・産業用を問わずメンテナンスは義務化されたため、太陽光発電を行うのであればメンテナンスの費用感や手間の把握は必須ともいえます。
今回は、太陽光発電のメンテナンスにかかる費用、メンテナンス時の注意点についてご説明します。
目次
1.メンテナンスは義務であり発電量維持のためにも必須
太陽光発電にメンテナンスが必要な理由は、主に以下の2つがあります。
- 改正FIT法によって義務付けられているため
- メンテナンス不足によって様々な問題を引き起こすため
ここでは、それぞれの理由について説明していきます。
(1)改正FIT法により産業用太陽光発電所のメンテナンスは義務化
2017年4月に施行された「改正FIT法」で、太陽光発電所の点検やメンテナンスが義務付けられました。
これにより、住宅用太陽光発電・産業用太陽光発電のどちらも、定期的なメンテナンスが必須事項として盛り込まれています。
太陽光発電の事業者は、定期的に設備の点検とメンテナンスを行い、そのレポートを作成・保管したうえで、求めがあった場合には提出が必要です。
点検やメンテナンスを怠った場合は指導対象となり、場合によっては認定を取り消されてしまう恐れがあるため、コストカットのために「メンテナンスを実施しない」という選択肢はありません。
(2)メンテナンスによって得られるメリット
太陽光発電所のメンテナンスを実施することで、以下のような問題を未然に回避できるといったメリットを得られます。
- 発電量の低下
- ホットスポットの発生
- 設備の劣化
- 事故の発生
ここでは、その理由について1つずつ説明していきます。
①発電量の低下を最小限にとどめられる
太陽光パネルは設置から時間が経過すると、落ち葉や砂埃がつきます。汚れのついた太陽光パネルは、太陽光を吸収しにくくなります。
こうなれば、発電効率が落ちるため発電量が低下してしまうのです。
メンテナンスを実施して汚れを洗浄することで、発電量の低下を最小限にとどめられます。
②ホットスポットの発生を防止できる
太陽光発電所の敷地内に生える雑草を放置していると、雑草はどんどん成長して太陽光パネルより背が高くなります。
この場合に起こる問題が、太陽光パネルの一部が発熱する「ホットスポット」の発生です。
長時間、太陽光パネルに影ができたとき、その部分は電気抵抗が高くなり電流を通しづらくなります。
流れをせき止められた電気は、行き場を失って熱に変換されるため、局所的に高温状態となりホットスポットが発生するのです。
ホットスポットが発生すれば、高温部分を中心として発電効率が落ちるほか、太陽光パネルの表面や周囲にある雑草を燃やす可能性があります。
メンテナンスは、こういった事態を回避する方法としても機能します。
関連記事:ホットスポットが太陽光施設に与える問題とは?どうすれば事故を阻止できるの?
③設備の劣化部分を早期発見できる
定期的なメンテナンスには、太陽光パネルの変形や変色、太陽光パネル内部に隙間が生まれる「層間剥離」を早期発見する役割もあります。
これらを発見できず放置したままになれば、太陽光パネルの劣化を進めることとなり、結果として広範囲にわたる部品交換を行わなければなりません。
交換まで発電量は低下し、多額のコストも負担する必要があるため、金銭的損失は大きなものとなるでしょう。
広範囲にわたる劣化が起こるまえに対応するためにも、メンテナンスは欠かせません。
④事故の発生を回避できる
ホットスポット以外にも、定期的にメンテナンスの実施により回避できる事故があります。
例えば、太陽光パネルと架台をつなぐボルトが、緩んでいることをイメージしてください。
この状態で台風が起きれば、パネルは架台から引き剥がされ、飛散して第三者の住宅などに当たってしまう危険が高くなります。
最悪の場合には、損害賠償の支払い責任が発生してしまうのです。これらを回避できる点も、メンテナンスを入念に行うメリットの1つです。
関連記事:【被害画像多数】2018年度の被災から学ぶ!太陽光事業者が知るべき被害ケース3つ
2.太陽光発電所のメンテナンス内容と費用の相場
住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電のメンテナンス内容、および費用相場のイメージは以下の通りです。
主なメンテナンス業務 |
費用の目安(住宅用) |
費用の目安(産業用) |
システム点検と保全修理 |
1回につき1万円前後 |
1年あたり10〜20万円 |
施設内の除草 |
不要 |
1㎡につき200〜500円(草刈りの場合) |
太陽光パネルの清掃 |
1枚につき1,000〜5,000円 |
ここでは、これらの内容について、1つずつ説明していきましょう。
なお、スマエネではメンテナンス費用も加味しつつ、運用にかかる具体的なコスト・収入をシミュレーションシートにまとめて、どれほど利益を得られるのか解説しています。
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(1)【住宅用・産業用】システム点検と保全修理
システム点検では、太陽光パネルやパワーコンディショナなど、設備に問題がないかをチェックします。
住宅用太陽光発電の場合、費用の相場は1回あたり1万円前後。産業用太陽光発電の場合は、1年あたり10~20万円程度が費用の目安です。
なお、産業用太陽光発電のメンテナンスは、毎年継続するタイプではなく「隔年ごとに単発で依頼する」などの契約形態を選ぶことで、費用を抑えつつ点検を実施できます。
毎年トラブルが起こるわけではないため、2年に1回程度を基準としつつ、利益を圧迫しない範囲でこまめに点検できれば理想的です。
(2)【産業用】施設内の除草
先ほども説明したとおり、発電量の低下やホットスポットの発生を防ぐためには、施設内の除草が欠かせません。
草刈りを始め、除草の方法はつぎの通りいくつかあるため、予算の範囲内でメンテナンス回数を抑えられるものが理想的。草刈りであれば、作業回数は少なくとも1年に4回以上は必要です。
- 草刈り
- 除草剤
- 防草シート
- カバープランツ
- 砕石・コンクリート
各方法の詳細、費用の目安は以下記事でご説明しています。
関連記事:草刈りを怠ると発生する6つの問題!どう対処すべき?
(3)【住宅用・産業用】太陽光パネルの清掃
発電量の低下を防ぐためには、太陽光パネルの清掃が欠かせません。
こちらもメンテナンス業者に依頼し、定期的に太陽光パネルを清掃してもらうことで、発電量の維持が期待できます。
発電容量の小さい住宅用の発電所、および低圧物件(10kW〜50kW未満)の場合、費用の目安は太陽光パネル1枚あたり1,000〜5,000円ほど。あるいは、1枚あたり1,000円を切る価格設定にしつつ、基本料金制を設けているケースもあります。
太陽光パネルは、雨の降らない時期ほど汚れやすくなるため、雨季を除いて年に1,2回は清掃したいところです。
(4)自分でメンテナンスをする際の注意点
太陽光発電所のメンテナンスを自分で行う場合は、細心の注意を払いつつ作業を進める必要があります。
草刈りや太陽光パネルの洗浄は、一見すると簡単な作業に思えるものの、ふとしたミスからトラブルに発展する恐れがあるからです。
例えば、草刈り機で弾いた地面の石が太陽光パネルに穴を空けたり、清掃時にパネルへ乗ったためにマイクロクラック(小さなヒビ)ができたり、セルフでメンテナンスを行ったために発電量低下の原因を作ってしまうケースがあるのです。
コストカットを最優先として自力でメンテナンスを行うのであれば、これらのポイントに注意してください。
3.太陽光発電所のメンテナンスを依頼する際の注意点
この章では、メンテナンスを業者に外注する際に押さえるべき2つのポイントをご説明します。
(1)契約期間は短い方がベター
初めてメンテナンスを依頼するときは、いきなり長期間の契約を交わすのではなく、まずは短期間で契約を結んでメンテナンス業者の対応を判断しましょう。
どのようなレベルの業者か把握しないまま長期的な契約を結び、あとからサービスの質が低いことに気付いたとしても、契約解消に時間を要したり違約金が発生したりといった、心理的・金銭的な負担が懸念されるからです。
単発でメンテナンスを依頼できる業者もあるため、まずは単発もしくは短期間の契約にとどめて、優良な業者を見つけてから長期契約を結ぶことをおすすめします。
(2)安さだけでなく実績・技術力にも注目
利回りの向上を考えると、どうしてもメンテナンス費用の安い業者に目を向けがちです。しかし、いくら費用が安くても、サービス内容がイマイチであれば「発電量の低下」や「設備の劣化」を加速させかねません。
これでは、結果的に損をしてしまう可能性も十分あり得るでしょう。そのため、外注先を選ぶうえでは、安さだけでなくサービスの品質も重視すべきです。
まず、過去の実績を提示してもらい、メンテナンス業者が既存顧客からどういった評価を受けているのか聞き出してください。これを複数社に行えば、それぞれの業者側がどういった方針のもとメンテナンスに臨んでいるのか分かるのです。
こうして、目先のコストカットばかりを追求するのではなく、実績と技術力に注視して業者選びをすることで、発電量を維持しつつトータルリターンを最大化することに繋がります。
4.労力と収益のバランスを意識したメンテナンス体制の構築を
住宅用・産業用ともにメンテナンスが義務化されたことから、太陽光発電所を運用するならメンテナンスについて考えざるを得ない状況になりました。
そもそも「できる限りメンテナンスはしたくない」といった考えは、今回ご説明したようなトラブルの原因を招くことに繋がるため、長期的に発電量を維持させつつ運用するにあたりメンテナンスは必須なのです。
私たちが考えるべき部分は、そのつぎにある「どんな手段・頻度でメンテナンスを行うのか」という点でしょう。
労力と収益を考慮しつつ、自力で除草作業をしたり隔年ペースで単発依頼をしたり、バランスの良い塩梅を見つける意識が大切です。
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