太陽光発電投資の主要トラブル9つとは?安全に投資するための対処方法

今野 彰久

著者 今野 彰久

スマートエネルギー事業部の部長です。
自身でも太陽光投資をしているため、投資する方の目線でのご紹介を得意としています。

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詐欺や事故などトラブルに巻き込まれるリスクが高そうなイメージの太陽光発電投資。そんな太陽光発電投資の実際にあったトラブルについて詳しく説明していきます。


そしてそのトラブルの回避し、確実に太陽光発電投資で勝つための方法についてご紹介します。

スマエネの「物件を探す」に掲載している物件情報では、運用にかかる具体的なコスト・収入をシミュレーションシートにまとめて、どれほど利益を得られるのか解説しています。

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1.国民生活センターに集まった太陽光発電に関する相談の例

太陽光発電投資にこんなイメージはありませんか?

  • 怪しい業者による詐欺が多い
  • 発電量は天候に依存するため不安定
  • 機械の故障が起きると損失が大きい

下記は太陽光発電に関して、実際に詐欺や怪しい業者にあたってしまい、国民相談センターに集まった相談の声です。

国民生活センターに集まった太陽光発電に関する相談の例

参照元:独立行政法人 国民相談センター これだけみると、太陽光投資投資は詐欺・トラブルのリスクが高く、安心して取り組める資産運用には見えません。

しかし、これらのリスクは、入念な事前リサーチで回避できるものがほとんど。成功者の数だけ失敗者が生まれるFXのような「ゼロサムゲーム」とは異なり、適切な管理を心がければすべての投資家が安定利益を得られるのです。 そこで今回は、実際に起きたトラブルの事例をピックアップして、各問題の回避方法を解説していきます。

(1)トラブルの発生ポイントは「施工前」と「施工後」の2つ

太陽光発電投資でトラブルが起こるタイミングは、大きく「施工前」と「施工後」の2パターンに分類できます。そして、これらは投資家側の知識が乏しいために、大きな被害へと発展するケースがほとんど。

そのため、トラブルに遭遇せず成功をつかむには、どのようなトラブルがあるのか詳細な知識を知ることが大切なのです。「施工前」と「施行後」に起こりやすいトラブルを、それぞれ順番に解説していきます。

①施工前によくあるトラブルは詐欺や高額請求

悪徳業者

太陽光発電投資では詐欺・悪徳業者にあたってしまい、契約金を支払ったにもかかわらず太陽光発電所を所有できず、返金されないという事例があります。太陽光発電投資は初期費用が大きいため、こうしたトラブルは何としても避けたいところ。

さらに、このような詐欺に遭遇した場合は「意図的に投資家を騙したのか」という問題の証明が難しく、問い詰めて起訴することが困難なケースもあります。

そのため、私たちが最初に行うべきリスク対策は、詐欺の手口を知って悪徳業者を見抜くことです。この項では、太陽光発電投資にまつわる詐欺のパターンについて、実際の事例を交えてご紹介していきます。

②架空投資案件のでっち上げ

実際には存在しない土地を投資案件として紹介する「架空案件のでっち上げ」は、業界に横行する悪質なトラブルの1つ。

お金を騙し取る目的で架空案件を偽造して、あの手この手で成約まで誘導します。 そのまま、初期費用を振り込んでしまえば最後。紹介した業者と連絡が取れなくなり、多額の資金だけ失ってしまう悪質な詐欺です。

③計画倒産

こちらは架空案件のでっち上げと異なり、実在する案件の申請書・設置予定の土地など、信用性の高い情報をもちいて商談を持ちかけてきます。
実際に現物を視察するため、詐欺かどうかを見抜くことは難しいのが特徴。お金を振り込んでから計画的に会社を倒産させて、建設をしないまま初期費用を持ち逃げするという悪質なものです。

④ずさんなシミュレーション

業者の提示したシミュレーション結果が適当であったため、実際の発電量が大きく下回ってしまうトラブルは、訴訟しても勝てる見込みが少ない代表的なケース。

シミュレーションそのものは一般的なツールを使用したとしても、立地や気候の設定により年間発電量は大きく異なります。 また、業者が固定資産税や所得税など、運用中にかかる費用を加味しない「表面利回り」を資料にもちいる場合も多々。

表面利回りを信用して投資を始めれば、実際の運用時にはコストが発生するので予想利益率を下回ります。

⑤不当な工事費用

工事費用の相場に詳しくない投資家に付け入り、一般的な価格以上の高値で工事を進めるケースも、太陽光発電投資にありがちなトラブルの1つ。法外な価格を請求される場合と、相場よりやや高額な請求にとどまる場合に分かれますが、どちらも知識不足な投資家を狙った悪徳商法です。

こういった業者は一括払い請求してくることが多いですが、工事費用は複数回での支払いが一般的。一括払いを指定された場合には警戒が必要です。

関連記事:「太陽光発電投資をやめたほうがいい人」に共通する5つのポイントとは?

(2)施工後によくあるトラブルは不十分な管理がまねく破損

実は、高圧・特別高圧に分類される発電設備は、定期メンテナンスを行っても高確率で故障や不具合が生じます。これは下記グラフの、高圧・特別高圧における「特別な不具合は生じていない」という報告が0%であることからも分かります。

image1

参照元:株式会社三菱総合研究所 この項では、実際にどのような故障や不具合が生じるのか、実例を交えてご紹介します。

①草木の成長による発電量の低下

太陽光パネルに影を作る雑草は、発電量を著しく低下させる原因です。特に夏場は成長が早くなり、こまめに除草しなければ大きな発電ロスとなるので注意が必要。

利益率を維持するためには、定期的に雑草を確認をして対処しなければなりません。

②汚れによる火災

太陽光パネルの汚れは発電量の低下だけでなく、ホットスポットの原因となります。 ホットスポットは、電力ショートによる火災事故やパネルの不具合になり、大被害へ発展するため警戒が必要です。

主に鳥糞によって引き起こされるため、目視による定期的な確認が求められます。

関連記事:ホットスポットが太陽光施設に与える問題とは?どうすれば事故を阻止できるの?

③積雪による架台破損

パネルを支える架台が経年劣化によって弱り、積雪の重量に耐えきれず崩壊したというケースがあります。

こちらに関しては、定期的なメンテナンスを行うことで防止できます。 なお、積雪による「パネルの陰り」により一時的に発電ロスを起こすこともありますが、発電時の熱で雪が溶けるため雪かきは必要ない場合がほとんどです。

④地震・台風

適切な業者に施行やメンテナンスを依頼しても、被災により故障・崩壊してしまうことはあります。頻繫に発生する現象ではないものの、現実的に起こりうるトラブルであるため、保険の加入により対策するのが望ましいです。

⑤地域住民とのトラブル

景観問題による反対運動など、地域住民とのトラブルは事業計画の段階における「地方自治体とのコミュニケーション不足」が原因である場合がほとんど。

投資の一環として発電設備を建設するケースでは、事業者自身が現地を確認しないこともあるため、地域共生に関するトラブルが起こりやすいのです。

2.太陽光発電投資のトラブルを回避する方法とは?

標識
ここまで、太陽光発電投資でよくある詐欺や事故についてご紹介しました。

雑草処理といった容易に阻止できるものから、計画倒産など回避困難なものまで多くの事例がありましたが、基本的に以下の4つを徹底することでリスクはグッと抑えられます。

太陽光発電投資のリスク管理
安全な施工会社を選ぶこと
複数の業者から見積もりを依頼する
専門業者に定期メンテナンスに依頼する
被災リスクは保険への加入で対策する

対処できる範囲で未然にトラブルの要因をクリアし、もしトラブルが発生しても冷静に対応できるよう知識を身につけておきましょう。

(1)施工会社をリサーチする

詐欺を未然に防止するには、施工会社のリサーチが有効です。そもそも会社が存在しているのか、社名を検索エンジンやTwitter,Yahooの知恵袋などで調べます。

実際に会社が存在したとしても、ホームページや比較サイトなどで実績や口コミを確認しましょう。ホームページがない場合、または悪評ばかりである場合は依頼を控えた方が良いです。

(2)見積もりとシミュレーションは要確認

太陽光発電は発電効率に限界があるため、割高な初期費用で契約すると利回りが悪くなってしまいます。これを回避するため、何かを依頼するときは複数の業者に見積もりを出してもらいましょう。

また、シミュレーション結果が信頼できるものか確かめるため、設備費用や工事費用の相場価格は事前にネット・書籍で調査しておくのが望ましいです。

(3)基本的に太陽光発電所はメンテナンスが必須

「メンテナンスは必要ない」とアピールする業者も多いようですが、このような宣伝文句を鵜呑みにしてはいけません。前述したように、常に自然にさらされている発電設備は、雑草や埃により発電量が低下してしまいます。

また、実際に汚れや積雪を原因として、太陽光パネルや設置架台が破損する事例もありました。そのため、未然のトラブル回避を重視するなら、定期的にメンテナンスを業者に依頼すべきです。

(4)対策が難しい災害には保険で対応

自然災害は日頃から注意するほど頻発はしないものの、もし遭遇すれば防ぎようのない大被害をまねきます。被災により発電設備が大破すれば、太陽光発電投資を続けられなくなるため、万が一に備えた保険への加入が望ましいです。

保険料を支払うだけ利回りは低くなりますが、対策がないまま大規模な実物資産を失えばリカバリーは困難。 災害の多い日本国内では、必須ともいえるトラブル対策です。

3.徹底して対策すればトラブルが起こる可能性は低い

パズル

前述した「リスクを抑える4つのポイント」を徹底すれば、数ある投資方法と比べてリスクは極めて低くなります。たとえば、投資の王道である「株式投資」は、マーケットの推移が激しく分析・情報収集を徹底しているプロでさえ予想は不可能といわれます。

そのような世界のなか、素人が銘柄選定や売買タイミングを行うのはギャンブルと大差ありません。 そして、太陽光発電投資と比較されることの多い「不動産投資」は、入居者を確保できなければ利益は確実にゼロ。

住居として魅力的でなければ空室が増えるため、機能面以外に見栄えを維持するためのメンテナンスが必要です。一方で太陽光発電投資は、売電価格が一定で利益率は安定的。

太陽さえ出ていれば発電されるため、空室リスクを恐れる必要はありません。こういったポイントから、太陽光発電投資は低リスクな投資方法だといえるのです。

関連記事:【被害画像多数】2018年度の被災から学ぶ!太陽光事業者が知るべき被害ケース3つ

4.まとめ

太陽光発電投資を関心を抱きつつも、詐欺やトラブルへの不安から一歩を踏み出せない人も多いはずです。

しかし、入念な情報取集・メンテナンスでトラブルを徹底的に避ければ、理想的なスタートを切ることは難しくありません。

現在は「固定価格買取制度」により、発電設備の導入から20年間は売電価格が保証されているので、物件選びさえ誤らなければ長期的に安定利益を得られる投資手段だといえます。

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