太陽光発電投資の基礎を知る
2019.02.24 Feb
売電収入を計算してみよう
物件探しを始める前に、売電収入を自分で計算できるようになりましょう。
事前に「この物件はどのぐらいの収益が出るのか」を計算できれば、怪しい業者から粗悪な物件を紹介されても見破ることができますし、お宝物件を探し当てられるようにもなります。
このページでは、具体的な売電収入の計算方法を解説していきます。
システム容量を確認する
業者から資料をもらったら、最初に太陽光パネルのメーカーと型番を確認します。資料に記載されているシステム容量が正しいかどうかをチェックするためです。
まれに「メーカーが公表している最大出力」より高い数値をもちいて、システム容量を計算している悪徳業者がいるので注意が必要です。
確認の方法は簡単です。googleのキーワード検索で、メーカー名と型番を入力して検索しましょう。そうすると、太陽光パネルの製品情報やカタログページがヒットしますので、そこから確認します。
例えば今回紹介された物件の太陽光パネルがQセルズの「Q.PEAK DUO-G5 325」で、発電所のパネル設置枚数が180枚だったとすれば、325W×180枚=58,500W=58.5kWがその発電所のシステム容量となります。
NEDOで1kW当たりの発電量を調べる
次にNEDOの日射量データベース閲覧システムの年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)から、物件近くの1kW当たりの発電量を調べます。
左下の住所検索から物件の所在地を選択しましょう。
引用:(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO日射量データベース閲覧システム」)
ここでは「栃木県足利市月谷町」の投資案件を例にして進めていきます。まず、住所を選択して「検索」をクリックします。
引用:(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO日射量データベース閲覧システム」)
その結果、このエリアのモデル地点は「群馬県桐生」になりました。
次に右下の「この地点のグラフを表示」をクリックします。
引用:(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO日射量データベース閲覧システム」)
ページが変わったら、「データ一覧表を表示」をクリックします。
引用:(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO日射量データベース閲覧システム」)
そうすると物件所在地の「月平均斜面日射量(kWh/㎡・day)」が表示されます。
引用:(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO日射量データベース閲覧システム」)
次に物件資料に記載されている太陽光パネルの設置方位や設置角を確認します。分からなければ、業者に確認しましょう。
今回の物件は設置方位(=方位角)が南10°で設置角(傾斜角)が10°でした。NEDOの資料では方位角は15°刻みのため、今回は慎重に15°、傾斜角10°の数値で売電額を計算することにします。
引用:(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO日射量データベース閲覧システム」)
各月の売電額を計算する
それでは各月の売電額を計算してみましょう。今回業者から紹介された物件の買取価格は18円、システム容量が100kWでした。
各月の発電量は、「システム容量×日数×月平均斜面日数量×損失係数」で計算します。この損失係数は、気温上昇で太陽光パネルの発電能力が下がったり、発電した電気を変圧器に送電するうちに無くなってしまう分を考慮した数値です。
設備性能や物件エリア、最寄りの変圧器までの距離によって変わりますが、NEDO技術開発機構太陽光発電導入ガイドブックにある73%で見積もることが多いです。この数値を甘く設定したシミュレーションで提案する業者も多いので要注意です。
それでは表計算ソフトで計算してみましょう。
まず、買取価格とシステム容量、損失係数の欄を作り、そこに物件の情報を入力しましょう。
次に1月から12月までの欄を作り、各月の日数とその下の行に先ほどNEDOで調べた月平均斜面日射量を入力します。
その下の行に、「システム容量×日数×月平均斜面日数量×損失係数」の式を入力します。
最後に買取価格×月間発電量の式を入力し、月間売電額を計算します。
これでこの物件の売電収入をシミュレーションすることができました。なお、今回は買取価格を18円で計算しましたが、電力会社は消費税を加えた金額で売電額を支払ってくれます。
そのため、現時点の消費税8%分を上乗せして計算しても構いませんが、消費税課税事業者になった場合、その8%分は納税しないといけなくなりますので、注意しましょう。
まとめ
このように表計算ソフトを使えば、簡単に売電収入を計算することができます。一度データを作ってしまえば、他の物件の収入も数分で計算できるようになりますので、数字アレルギーの方も是非チャレンジしてください。
次のページでは、太陽光発電施設の運用で「出ていくお金」はどれくらいなのか計算していきます。
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著者 今野 彰久
スマートエネルギー事業部の部長です。
自身でも太陽光投資をしているため、投資する方の目線でのご紹介を得意としています。
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