太陽光発電投資の基礎を知る
2019.02.24 Feb
出ていくお金を把握しよう
発電所の運営にもお金がかかります。思っていた以上に支払いが多くなり「手残りがほとんどなかった」ということがないよう、あらかじめ支出額を予想できるのが望ましいです。
支出額にはオーナーが「コントロールできない費用」と「コントロールできる費用」があります。このページでは、これらを順番に解説していきます。
コントロールできない費用
オーナーがコントロールできない費用として「ローンの返済額」と「償却資産税」、「電気代」があります。また、土地を所有する場合は「固定資産税」が、借りる場合は「賃借料」がかかります。次の事例で説明します。
物件情報
総額 |
1,900万円 |
発電設備 |
1,750万円 |
土地 |
150万円 |
借入条件
借入額 |
1,750万円 |
金利 |
2.5% |
借入期間 |
15年 |
ローン返済額
太陽光発電所の投資は数千万円単位となるため、ローンを利用することがほとんどです。毎月の返済額は、表計算ソフトで関数を使って計算することもできますが、住宅ローンの返済額シミュレーションサイトで簡単に算出してもらうこともできます。
「住宅ローン 返済額 シミュレーション」で検索し、ヒットしたサイトで計算してみましょう。今回の物件だと、毎月116,688円の支払になることが分かりました。
償却資産税
事業用の設備や器具に対し、その価値に応じてかけられる「償却資産税」があります。太陽光発電所では、太陽光パネルやパワーコンディショナーのほか、フェンスや防草シートにもかかります。
自治体によって税率が違ったり、正確に計算するには会計と税務知識が必要になりますが、シミュレーションではだいたいの数字で良いので、次のような計算式で算出します。
- 1年目:発電設備額×(1-0.064)×税率1.4%
今回の物件だと、1,750万円×(1-0.064)×1.4%=229,320円となります。なお、2年目以降は1年目と計算方法が変わりますので、次の章で説明します。
ちなみに、2019年時点では物件取得前に「先端設備等導入計画」が認定されると3年間は償却資産税が免除される制度があります。3年間の免除額は大きいため、利益を追求するのであれば活用すべきです。
ただし、計画書の作成が必要になるため、書類作成に自信がない人は税理士などプロにお願いしましょう。
電気代
意外と知られていませんが、太陽光発電所にも電気代がかかります。物件規模にもよりますが、おおよそ月数千円程度です。
50kwh程度だと毎月2,000円前後ですので、シミュレーションでは少し多めの3,000円に設定しておけば良いでしょう。
固定資産税
土地を購入する物件の場合、購入する土地の固定資産税がかかります。一般的に物件エリアは土地評価の低い郊外となるため、シミュレーションでは年間2万円で計算しておきましょう。
ただ、市街地の物件だとそこそこの金額になる恐れがあります。住宅地の物件を検討する場合は、業者に固定資産税はいくらになるかを確認しておきましょう。
賃借料
土地を借りる物件の場合、借りる土地の賃借料が発生します。最初に一括で支払う場合もあれば、月もしくは年ごとに支払うパターンもあります。
賃借料は物件情報に掲載されているので、その金額をシミュレーションに入れておきましょう。
コントロールできる費用
オーナーがコントロールできる費用には「メンテナンス・損害保険・税理士報酬」があります。それぞれ、どの程度の出費になるのか解説していきます。
メンテナンス
定期点検・緊急時の駆けつけ・監視対応
パネルの発電力をチェックしたり、緊急時に現地へ駆け付けてもらったりするサービスがあります。こういった業務の依頼料は、月額1万円前後が相場になります。
電気工事施工管理技士などの資格を持っていたり、物件が自宅から近い人は自主管理にチャレンジするのもいいでしょう。
草刈り
日当たりの良い発電所には、雑草がすぐに生えてきます。放置しておくとパネルに影を作り発電量が下がるため、年3回は草刈りをしておいた方が良いです。
業者に草刈りをお願いする場合、面積や草の丈で料金は変わりますが、1回当たり5万円から6万円になります。年間15~20万円の支出になりますので、オーナー自身が処理できればコストはグッと抑えられます。
損害保険
台風や火事などの災害から損失をカバーするため、保険は必ずかけるべきですが、信販会社の融資の中には保険が一定期間付いているものがあります。また、メンテナンスサービスの中には、保険がプラスされているものもあります。このようなケースでは保険をかける必要はありません。
なお、物件の規模にもよりますが、一般的には保険は5年間で20万円前後が目安となります。今回は5年で20万円のプランに加入したことにします。
税理士報酬
確定申告や償却資産税の申告を税理士にお願いする場合、おおよそ年間10万円前後となります。どこまで顧問契約内で税理士がやってくれるか、また追加でお願いする場合はいくらになるかを事前に確認しておきましょう。
まとめ
今回取り上げた項目をすべて支払ったと仮定すると、次のとおりとなります。
項目 |
数式 |
年額 |
ローン返済額 |
116,688×12カ月 |
1,400,256円 |
償却資産税 |
1750万円×(1-0.064)×1.4% |
229,320円 |
電気代 |
3,000円×12カ月 |
36,000円 |
固定資産税 |
1年分 |
20,000円 |
メンテナンス(定期点検等) |
1万円×12カ月 |
120,000円 |
草刈り |
6万円×3回 |
180,000円 |
損害保険 |
20万円÷5年 |
40,000円 |
税理士報酬 |
1年分 |
100,000円 |
合計 |
2,125,576円 |
このようにすべて支払ってしまうと、物件価格の11%強が支出で出て行ってしまいます。
自分で「できる」ことが多ければ、その分支出を減らすことができます。自分で「できる」ことを増やしていき、支出を減らすように努力することが収益性を高める方法となります。
前のページと本ページで売電収入と出費がイメージできたので、次のページでは「トータルの収支」を確認していきましょう。
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