１．売却の計画を立てる

太陽光発電設備の物件を売却しようと思ったら、まず、はじめに売却の計画を立てましょう。

行き当たりばったりの売却活動は、大きな損失が発生するだけでなく買主とのトラブルを招くことにもなります。

およそいつまでに売却したいかをはっきりさせ、時間に余裕をもって進めるためにも想定した期限の半年～1年前から準備を始めると良いでしょう。

２．物件の資料を整理する

購入希望者は、検討にあたり物件に関する詳しい資料を必ず求めてきます。遅滞なく提出することで購入希望者からの信用度も増します。

主に以下の資料を整理しておくと良いでしょう。

機械設備に関するもの

・太陽光パネルなどの機械設備の仕様書
・保証書
・定期点検報告書
・メンテナンス報告書（修繕などがあればそれが分かるもの）
・パネルや機械の配置図

土地に関するもの

・登記簿謄本と公図の写し
・測量図（地籍図）

その他

・発電量の実績データ（年ベース）
・経産省が発行した認定通知書の写し
・電力会社との受給契約書の写し
・発電所の全景写真

これらの資料とは別に、分かりやすくまとめた「物件概要書」も準備して添えれば、購入希望者も検討がしやすいでしょう。

３．物件の売り出し価格を検討する

事実、太陽光発電の物件において売却価格における相場というものは存在しません。

言い換えれば、売主の言値で売却ができるということです。

しかし、買主側も非常識な言値に食指を出すことはありませんので、折り合いが付きやすい価格を検討すると商談がスムーズに運びます。

電力会社への売電期間が残っている場合、これまでの売電収入データとメンテナンスにかかった経費や租税などを元に積算した上で物件の売り出し価格を設定します。

その際、買主側の利回りが8％を上回るような価格であれば、商談が即決で成立することもあります。

４．仲介会社を選定する

スムーズな商談や安全な取引のためにも仲介会社を介したほうが賢明です。

不動産会社の中には太陽光発電などの投資案件を多く扱っている仲介会社もあります。

専門性や特殊性が高い分野なので、信用できる仲介会社かどうか慎重に選定するようにしましょう。

５．売却活動をする

仲介会社に物件資料を渡し、希望する売り出し価格を伝えたらいよいよ売却活動が始まります。

購入希望者から現地視察やその他の資料の提出を要求されることも予想されます。可能な限り対応し、双方ともに気持ちの良い活動ができるよう心掛けましょう。

購入希望者から値下げの要求があるかも知れないので、あらかじめ可能な「値下げ幅」を設定しておくことも必要です。

６．売買契約を締結する

こちらが提示した条件で購入する買主が現れたら、仲介会社の立ち合いのもとで売買契約を締結します。

売買契約書の内容をしっかり理解し、双方の認識のズレがないようにしましょう。

７．取引各社に連絡をする

新しい所有者がメンテナンス会社を特定していない場合は、今までのメンテナンス会社を紹介して引継ぎを行うと良いでしょう。

融資の残債がある場合は金融機関に連絡し、残債の支払い方法や条件について相談します。

８．決済・引き渡しをおこなう

太陽光発電物件において決済とは売却代金の支払い、引き渡しとは土地の権利や売電権利の名義変更を指します。

基本的には決済と引き渡しは同日中にされますが、売買契約書で期日を限定し、その期日までに済ませることもあります。

決済と引き渡しが完了するまでは必ず仲介会社に間に入ってもらいましょう。